小説
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口笛(行為)
唇で息を短く高く吹いて音を出すこと。
rainíþim þúmvan endríñail sérin
読み:ライニーシン スンヴァン エンドリーニャイル セーリン
| rainíþ-im | þúmv-an | endríñ-ail | sérin |
| 教える-<私が> | 口笛-<対格> | 子-<与格・〜ら(古い母音交替)> | このように |
「子どもたちに口笛をこのように教える。」
教則・作法の書のような記述。rainíþ- は教えるものを対格、受け手を与格に取る。endríñail は endríña の与格複数。行為のやり方を教える文脈で、音としての一声ではなく働きを表す。
sórel, kúnda endríña þúmvan
読み:ソーレル、クンダ エンドリーニャ スンヴァン
| sórel, | kúnd-a | endríña | þúmv-an |
| 今日, | する-<(軽いものが)> | 子<主格> | 口笛-<対格> |
「今日は、子どもが口笛をする。」
日常の観察の文。行為そのものを目的語として受け、口笛という働きを指す。kúnd- は行為名詞を対格で受ける。主語 endríña が軽性単数なので、動詞語尾は -o ではなく -a になる。þúmvan は þúmva の対格で、語根 þúmv- に -an が付いた形。
口笛(音)
その吹鳴によって生じる、澄んで高い一声。
tóra þúmva es orénos.
読み:トーラ スンヴァ エス オレーノス。
| tór-a | þúmva | es | orén-os. |
| 来る-<(軽いものが)> | 口笛<主格> | から | 縁-<属格> |
「「縁から口笛が聞こえてきた。」」
主語を音として軽性とみなし、動詞は tór-a をとる。es は出所を表し、後ろに属格を伴う。
ké fíndes þúmvan?
読み:ケー フィンデス スンヴァン?
| ké | fínd-es | þúmva-n? |
| <〜か> | 聞く-<あなたが> | 口笛-<対格> |
「「口笛が聞こえるか。」」
ké を文頭に置くありふれた問い。口笛を目的語に取っており、軽性a語幹の対格は語幹 þúmva に -n が付く形になっている。
唇をすぼめて、息を短く高く吹いて鳴らす行為、およびその音。鼻歌のように喉を震わせて低く鳴らすもの、語声を張り上げた呼び声や叫びとは区別される。霧や崖道のように、喉を開いて声を出すと音が濁って広がりやすい場面で、短く高い合図として使う。高原の考えでは、唇から出す細い息は軽く上へ向かうものとして捉えられる。
軽性・a語幹。
古高原語 *þunwa-「唇から高く鳴るもの」から。唇音 v の前で n が m になった。
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