þráun-

品詞
動詞(他動詞)
意味
投げる
辞書形
þráuna
発音
[ˈθrauna]
読み
スラウナ
分野
基本動作

意味

  1. 投げる

    手に持ったものを放って投げる。

    mé þraunésa póin es orénos.

    読み:メー スラウネーサ ポイン エス オレーノス。

    méþraun-és-apóinesorén-os.
    <禁止・願いの打ち消し>投げる-<〜すべし>-<(軽いものが)>何か<対格>から崖の際-<属格>

    「崖の際から何も投げ落とさぬこと。」

    碑文や法の文体。当為法は mé で否定する。主語を言わないので一般の人が主語になり、軽性の形をとる。強勢は当為法の -és- に移る(þraunésa)。崖から物を投げ落とすのは、下の国を呼び寄せる行いとして禁じられている。

    mé þraunésa póin es orénos.

    読み:メー スラウネーサ ポイン エス オレーノス。

    méþraun-és-apóinesorén-os.
    <禁止・願いの打ち消し>投げる-<〜すべし>-<(軽いものが)>何か<対格>〜から縁-<属格>

    「縁から物を投げ落とさぬこと。」

    碑文に刻まれる型の禁止の文。当為法の -és- が強勢をとるので、語根 þráun- の強勢は消える。崖の縁から物を投げ落とすことは、決められた降ろし場の作法の外では禁忌とされる。

    þráuna kelár tambór.

    読み:スラウナ ケラール タンボール。

    þráun-akel-ártambór.
    投げる-<(軽いものが)>伐る-<〜する人・主格>雑穀<対格>

    「樵が雑穀を投げる。」

    日常の文。語順は動詞–主語–目的語。tambór は重性なので、対格も主格と同じ形で、語順から目的語とわかる。手で雑穀を投げて播く動作にも使える。

    mé þráun gandér, kelár.

    読み:メー スラウン ガンデール、ケラール。

    méþráungandér,kel-ár.
    <禁止・願いの打ち消し>投げる<命令法><あなたが>硬木<対格>伐る-<〜する人>

    「硬木を投げるな、樵よ。」

    下向きの禁止。「mé+命令法」で言い、命令法の2人称単数はむき出しの語幹 þráun になる。呼びかけは呼格を使わず、役職を文の終わりに読点で区切って添える。硬木は儀式を経て扱う木なので、乱暴に扱うことが戒められる。

    mé þráun fáron es orénos, murár!

    読み:メー スラウン ファーロン エス オレーノス、ムラール!

    méþráunfáronesorén-os,mur-ár!
    <禁止・願いの打ち消し>投げる<命令法><あなたが>荷<対格>から縁-<属格>濁った-<〜する人>

    「縁から荷を投げるな、このぼんくら!」

    崖の上の降ろし場や崖道で、年長の者が目下の者をどなりつけるときの言い方。禁止は「mé+命令法」で言い、命令法の2人称単数は語幹のまま(þráun)。murár は呼びかけなので、文の終わりに読点で区切って主格のまま添える。崖から物を投げ落とすのは禁忌なので、ここではただの不注意ではなく、「下の国を呼び寄せかねない愚かさ」をとがめる響きがある。

    mé þraunésa dulilmó es orénos.

    読み:メー スラウネーサ ドゥリルモー エス オレーノス。

    méþraun-és-adulilmóesorén-os.
    <禁止・願いの打ち消し>投げる-<〜すべし>-<(軽いものが)>下汲み桶<対格>から縁-GEN.

    「縁から桶を落とさぬこと。」

    崖道の碑文・禁忌の文。当為法は主語を言わないので一般の「人」(軽性)が主語になり、動詞は軽性の -a。mé(働きかけの否定)で当為法を否定。重性の目的語は主格・対格が同じ形(dulilmó)。es+属格で「〜から」。度量衡の碑の「縁から荷を落とさぬこと」と同じ構造。

    mé þráun krailílmo es orénos.

    読み:メー スラウン クライリルモ エス オレーノス。

    méþráunkrailílmoesorén-os
    <禁止・願いの打ち消し>投げる<命令法><あなたが>水袋<対格>から縁-<属格>

    「縁から水袋を投げ落とすな。」

    縁の縁から物を投げ落とすことを禁じる作法・禁忌の場面。禁止は mé に命令法を続ける。動詞 þráun-「投げる」の2人称単数命令法は語幹のまま þráun。出どころは前置詞 es と属格で表す。

    þráun hilvíñan sé

    読み:スラウン ヒルヴィーニャン セー

    þráunhilvíñ-ansé
    投げる<命令法><あなたが>雪玉-<対格>この<軽性>

    「この雪玉を投げろ。」

    子ども同士や親しい者どうしのくだけた命令。命令法 2人称単数は語幹のむき出し形で表す。目的語も軽性 a 語幹の斜格語幹 hilvíñ- に -an を付けた形。指示詞 sé は名詞句の末尾に置く。

  2. 投げ捨てる

    要らないものを放り捨てる。崖についてこの意味で使うのは禁忌に触れる。

    mé þraunésa póin es orénos.

    読み:メー スラウネーサ ポイン エス オレーノス。

    méþraun-és-apóinesorén-os.
    <禁止・願いの打ち消し>投げ捨てる-<〜すべし>-<(軽いものが)>何か<対格>から縁-<属格>

    「縁から何ものも投げ捨てぬこと。」

    碑文や決まりごとの文体。当為法 -és- で「〜すべし」、mé で否定して禁止になる。主語を言わないので一般の人が主語になり、軽性の形をとる。崖から物を投げ落とすのは禁忌なので、崖について þráun- を使うと、この「投げ捨てる」の意味になる。

    þráunsim tambór trúum.

    読み:スラウンシン タンボール トルーン。

    þráuns-imtambórtrúum.
    投げ捨てる<〜し終えた>-<私が>雑穀<対格>古びた

    「古くなった雑穀は捨ててしまった。」

    家での日常の文。語根に二重母音 au があるので、完了相は語根の後ろに -s- を足して þráuns- とする。形容詞 trúum は重性・単数・対格の tambór に一致し、一致の語尾はつかない。

解説

ものを手から放って投げることを表す。崖の縁から物を投げ落とすことは強い禁忌である。物を下ろせるのは、決められた降ろし場で作法に従う場合だけで、その場合は dulíþ- を使う。そのため、縁の近くで þráun- を口にするのは不吉だと嫌われる。氷の遊びや狩りで石を投げることには、ふつうに使う。

文法

完了語根は þráuns-。投げる先は前置詞+対格で示す。

語源

古高原語から受け継いだ語。

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