flúun-

品詞
動詞(他動詞)
意味
洗う
辞書形
flúuna
発音
[ˈfluuna]
読み
フルーナ
分野
基本動作

意味

  1. 洗う

    水でものの汚れを落とす。

    flúuna faronár míran.

    読み:フルーナ ファロナール ミーラン。

    flúun-afaronármír-an.
    洗う-<(軽いものが)>運び人<主格>自分-<対格>

    「運び人は自分の体を洗う。」

    再帰代名詞 mír の対格 míran が、主語自身を目的語として受けている。él を使って flúuna faronár élan と言うと、別の人を洗う意味になる。mír は主語を指し返す語なので、主格では使わない。

    flúun már, endríña.

    読み:フルーン マール、エンドリーニャ。

    flúunmár,endríña.
    洗う<命令法><あなたが>手<対格>子ども

    「手を洗いなさい、坊や。」

    食事の前に子どもに言う日常の命令。már は重性の子音語幹名詞なので、対格は主格と同じ形。呼びかけには呼格を使わず、名詞を文末に読点で区切って添える。

    auflúuna aurél aumár.

    読み:アウフルーナ アウレール アウマール。

    au-flúun-aaurélau-már.
    <お〜になる・御〜>-洗う-<(軽いものが)>あの方<お〜になる・御〜>-手<対格>

    「あの方は御手をお洗いになる。」

    目上の人の体の部分には au- をつけて aumár「御手」と言い、動詞にも尊敬の au- をつける。aumár は重性なので、対格は主格と同じ形。御手を双数にして aumárou「御両手」と言うのは、人を数えることにならないので許される。

    flúun nóumo táses, endríña.

    読み:フルーン ノーモ ターセス、エンドリーニャ。

    flúunnóumotás-es,endríña.
    洗う<命令法><あなたが>顔<対格><あなた>-<属格>子ども

    「顔を洗いなさい、坊や。」

    親が子に言う下向きの命令。日常では呼格を使わないので、呼びかけの名詞は読点で区切って文の終わりに添える。nóumo は重性o語幹で、主格と対格が同じ形。

    flúun drál táses!

    読み:フルーン ドラール ターセス!

    flúundráltás-es!
    洗う<命令法><あなたが>首<対格><あなた>-<属格>

    「首を洗いなさい。」

    親が子に言う下向きの命令で、命令法2単はむき出しの語幹 flúun。drál は体の部分なので重性で、対格は主格と同じ形。

    grómim, fluunéndes rúun némes.

    読み:グローミン、フルーネンデス ルーン ネーメス。

    grómim,fluun-énd-esrúunném-es.
    すまない洗う-<〜しますように>-<あなたが>背<対格><私>-<属格>

    「すまない、背中を洗ってくれないか。」

    同じ段の相手に頼む「並び」の話し方で、願望法の2人称を使う。願望法の -énd- が強勢をとるので、語根 flúun- の強勢記号は消える。決まり文句の grómim を前に置くと、頼みがやわらかくなる。

    ésa sóila némes flúunen sórel.

    読み:エーサ ソイラ ネーメス フルーネン ソーレル。

    és-asóilaném-esflúun-ensórel.
    いる-<(軽いものが)>髪<主格><私>-<属格>洗う-<〜した・〜された>今日

    「今日は髪を洗ってある。」

    日常の文。繋辞 és- が先頭に来て、主語の sóila(軽性・単数・主格)を受けている。持ち主は、属格の代名詞 némes を名詞の後ろに置いて表す。分詞 flúunen は「洗われた(状態にある)」の意味で、軽性・単数・主格なので一致の語尾はつかない。

    flúuna faronár fréun.

    読み:フルーナ ファロナール フレウン。

    flúun-afaronárfréun.
    洗う-<(軽いものが)>運び人<主格>額<対格>

    「運び人が額を洗う。」

    崖道を上りきった運び人が汗をぬぐう、日常の動作。fréun は体の部分なので重性の子音語幹で、対格は主格と同じ形。主語の faronár は人なので、動詞は軽性の -a をとる。語順は動詞–主語–目的語。

    flúunim frúm es máros.

    読み:フルーニン フルーン エス マーロス。

    flúun-imfrúmesmár-os.
    洗う-<私が>血<対格>から手-<属格>

    「手から血を洗い流す。」

    狩りで獲物をさばいたあとなどの日常の言い方。重性の frúm は対格も主格と同じ形。洗い落とす元の場所は es+属格で示す。

    flúuna líura már si nóumo.

    読み:フルーナ リーウラ マール シ ノーモ。

    flúun-alíuramársinóumo.
    洗う-<(軽いものが)>女<主格>手<対格>と顔<対格>

    「女が手と顔を洗う。」

    基本の VSO の文。主語の líura は人なので、動詞は軽性の -a をとる。体の部分 már・nóumo は重性なので、対格も主格と同じ形になる。目的語を二つ並べるときは si でつなぐ。

    flúun már si nóumo, endríña.

    読み:フルーン マール シ ノーモ、エンドリーニャ。

    flúunmársinóumo,endríña.
    洗う<命令法><あなたが>手<対格>と顔<対格>子ども

    「手と顔を洗いなさい、子よ。」

    下向きの命令法2人称単数は、むき出しの語幹 flúun で言う。呼びかけは呼格を使わず、読点で区切って文の終わりに添える。

    flúuna ráuvan frumó.

    読み:フルーナ ラウヴァン フルモー。

    flúun-aráuvanfrumó.
    洗う-<(軽いものが)>森の巫<主格>傷<対格>

    「森の巫が傷を洗う。」

    治癒儀礼の手当て。動詞 flúun- の語尾は軽性の主語 ráuvan に合わせて -a。対象の傷 frumó は重性名詞で、対格は主格と同形。

  2. 清める

    雨水などの清い水で、器や体を祀りのために清める。

    lúin áurau sílarau, fluunésa kumbór.

    読み:ルーイン アウラウ シーララウ、フルーネーサ クンボール。

    lúináur-ausílar-au,fluun-és-akumbór.
    とき昇る-<双数>月-<双数>清める-<〜すべし>-<(軽いものが)>青銅<対格>

    「二つの月が昇るときには、青銅を清めるべし。」

    作法書や詞に見られる当為法の文。強勢は -és- に移り、語根の ´ は消える。主語を言わないので「人は〜すべし」の意味で、軽性の -a をとる。月は星ではないので双数で言える。二つの月が重なる夜は秩序が乱れる夜とされ、祀りの器を清める。

    lúin émbelimor aursárais, flúunimor nóumo.

    読み:ルーイン エンベリモル アウルサーライス、フルーニモル ノーモ。

    lúinémbel-imoraursár-ais,flúun-imornóumo.
    とき祀る-<我々が>祖先-<〜たちを>清める-<我々が>顔<対格>

    「祖先を祀るとき、我々は顔を清める。」

    lúin の節を主節の前に置いている。祀りのための清めは、ふつう軒で集めた雨水で行う。体の部分 nóumo「顔」は重性o語幹なので、対格も同じ形になる。

    flúunim manó téir fréimai.

    読み:フルーニン マノー テール フレーマイ。

    flúun-immanótéirfréim-ai.
    清める-<私が>椀<対格>三度-<〜たちが>

    「一日三回、椀を清める(=三食の食事をいただく)。」

    比喩用法。manóが椀そのものではなく、椀に盛られた食事(食の行為)を指す。flúun-「洗う・清める」が食後の感謝の意を含む。食の文脈での定型に近い表現で、椀を清める=食事をいただく、という比喩が定着している。数詞 téir(三)の後ろの名詞は複数主格 fréimai(軽性子音語幹②型の複数主格 -ai)になる。

解説

水でものを洗うことを表す。雨期に軒で集めた雨水は「上から来た水」で清いとされ、祀りの器を清めたり墨をすったりするのに使われる。そのため、雨水で洗うことは「清める」という宗教的な意味を帯びる。霧期の湿り気は「まとわりつくもの」で洗い流さないとされ、霧について flúun- を使うことはない。

文法

完了語根は、長母音の語根なので -s- を足した flúuns-。洗うのに使う水は与格で示す(flúunim aumárou réinei「雨水で御両手を清める」)。

語源

古高原語から受け継いだ語。

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