小説
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綱に持つ(預かる)
荷・人を綱に掛かったものとして引き受け、引き渡すまでその責任を負う。綱番の決まりに由来し、崖道・縁の肩の文脈で使われる。
funelkráila fáron funelárei
読み:フネルクライラ ファーロン フネラーレイ
| funelkráil-a | fáron | funelár-ei |
| 綱に持つ-<(軽いものが)> | 荷<対格> | 綱番-<与格> |
「綱番が荷を綱に引き受けている。」
縁の肩で、荷の引き受けを言う言い方。動詞 funelkráil- では引き受け手 funelár は主格ではなく与格 funelárei で示す。語彙パターンの語順に従い、対象 fáron が引き受け手 funelárei に先立つ。目的語 fáron は重性名詞で、対格は無標識。
綱の荷とする(引き受けの対象と認める)
綱にかけた荷や、綱で引き上げた者(異邦人)を、引き渡すまで自分の責任の範囲にあるものと認める。綱番の炉の決まりの核心をなす。
funelkráilim toráran
読み:フネルクライリン トラーラン
| funelkráil-im | torár-an |
| 綱に持つ-<私が> | 客-<対格> |
「私は客を綱の荷として引き受ける。」
引き受けを宣言する文。1人称の引き受け手は語尾 -im に現れる。torár-an は語基 torár と単数対格 -an の組み合わせなので、グロスは 客-ACC とする。人を目的語に取るため、単に荷を預かる意味ではなく、綱に掛かったものとして引き渡すまで責任を負う意味になる。縁の市では、この語で引き受けを述べたかどうかが争点になりうる。
荷・人を「綱に掛かったもの」として引き受け、引き渡すまで責任を負うことを表す他動詞。綱番の炉の決まり「綱にかけたものは引き渡すまで綱番の責任」の「綱に掛かる」が動詞化したもので、崖道・縁の肩の文脈で生き続ける古い決まりの語である。都の改まった言葉や法的文書では使われず、縁の人々・運び人・綱番の間で使われる。市の揉め事では、この語が使われたかどうかで「引き受けが成立したか」が争点になることがある。
他動詞。預かる対象を対格で取る。引き受け手(綱番・炉)は与格で示す(funelkráiles [対象] [綱番に])。完了語根は funelkráils-(二重母音 ai に -s-)。
fúnel「綱」+kráil-「手に持つ」の複合語。複合語の規則に従い、前の要素 fúnel の強勢を落として funel- とする(funelkráil-)。もとは綱番の炉の決まり文句「fúnel kráilen」(綱が持つ=綱に掛かったものは綱が守る)の動詞化であり、約七百年前の旧道の時代から使われている。今の崖道では綱を使わない荷(担ぎ荷)にもこの語が転用され、「引き渡すまで責任を負う」一般の表現になっている。
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