húmel

品詞
形容詞
意味
湿った
発音
[ˈhumel]
読み
フーメル
分野
性質・状態

意味

  1. 湿った

    霧や地の湿り気でじっとりしていること。

    lúin tóro nébro, éso drúmo húmel.

    読み:ルーイン トーロ ネーブロ、エーソ ドルーモ フーメル。

    lúintór-onébro,és-odrúmohúmel.
    とき来る-<(重いものが)>霧<主格>,いる-<(重いものが)>苔<主格>湿った

    「霧が来ると、苔は湿る。」

    季節による苔の様子を述べる、説明の文。霧 nébro は重性なので、動詞は -o をとる。苔は地面や石を覆うもので重性に属するので、繋辞も重性の éso になる。述語の形容詞 húmel も、重性・単数・主格の形(語尾なし)で一致する。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。

    léimim fáron húmel elþéi.

    読み:レーミン ファーロン フーメル エルセー。

    léim-imfáronhúmelelþ-éi.
    置く-<私が>荷<対格>湿った火-<与格>

    「湿った荷を火のそばに置く。」

    霧期の家の中のふつうの言い方。fáron「荷」は重性なので、形容詞は語尾のない húmel のままになる。与格の elþéi は場所を表し、「火のところに」の意味になる。

    mé lisésa lisáis sáindarei húmelei.

    読み:メー リセーサ リサイス サインダレイ フーメレイ。

    mélis-és-alis-áissáindar-eihúmel-ei.
    <禁止・願いの打ち消し>書く-<〜すべし>-<(軽いものが)>字-<〜たちを>証文-<与格>湿った-<軽性・与格>

    「湿った証文に字を書かぬこと。」

    書記の心得として書かれる決まり。当為法の文を mé で否定している。主語を言わないので一般の人が主語になり、軽性の形をとる。sáindar「証文」は軽性なので、形容詞も軽性・与格の húmelei で一致する。霧で湿った紙に書くと墨がにじんで下へ流れるとされ、霧期には大事な書きものを避ける。

    tóro duléumo húmel es dúroros.

    読み:トーロ ドゥレウモ フーメル エス ドゥーロロス。

    tór-oduléumohúmelesdúror-os.
    来る-<(重いものが)>下の風<主格>湿ったから下手・南-<属格>

    「南から湿った下の風が這い上がってくる。」

    霧期の前ぶれを言う文。duléumo は重性o語幹なので、動詞は重性の -o をとり、形容詞 húmel も重性・主格の形(語尾なし)になる。下から来る風は病を運ぶ重いものとされる。

    un kórvoi, éso unlóur vrúndo só húmel.

    読み:ウン コルヴォイ、エーソ ウンロール ヴルンド ソー フーメル。

    unkórv-oi,és-ounlóurvrúndosóhúmel.
    内倉-<与格>,いる-<(重いものが)>まだ束<主格>この<重性>湿った

    「倉の中では、この束はまだ湿っている。」

    場面の枠に前置詞句を置いた状態文。見出し語 vrúndo は単数主格のまま使う。

    éso þúlo húmel

    読み:エーソ スーロ フーメル

    és-oþúlohúmel
    いる-<(重いものが)>鼻<主格>湿った

    「鼻は湿っている。」

    医の言葉や書物の地の文のような、状態を述べる文。動詞の後ろに裸の与格がないため存在文ではなく状態述語として読む。þúlo は重性なので存在・繋辞 éso は重性3単 -o をとる。改まった文書では婉曲表現に言い換えることがあるが、医の言葉では直接 þúlo を使う。

    kláno plíndo húmel krúloi

    読み:クラーノ プリンド フーメル クルーロイ

    klán-oplíndohúmelkrúl-oi
    貼りつく-<(重いものが)>荷札<主格>湿った壁-<与格>

    「湿った荷札が壁に貼りつく。」

    主語 plíndo は HV(荷札は材木由来のため重性)。貼りついた先は与格 krúl-oi で示す。húmel は単数主格で無表示。意図的な貼り付けではなく、湿気が原因で紙・木札などが表面から離れなくなった場面。

    éso munándo húmel

    読み:エーソ ムナンド フーメル

    és-omunándohúmel
    いる-<(重いものが)>土間<主格>湿った

    「土間は湿っている。」

    書物・描写。存在文は és-+主語+述語。munándo は重性o語幹で、動詞は重性単数 -o。

    ké éso þéumo húmel?

    読み:ケー エーソ セウモ フーメル?

    kéés-oþéumohúmel?
    <〜か>いる-<(重いものが)>肩掛け<主格>湿った

    「肩掛けは湿っているか。」

    ké は文頭に置くはい/いいえの問いの小辞。éso は重性単数の主語 þéumo に一致する。述語形容詞 húmel は重性単数の無標識形。衣類や道具の状態を確認する場面。

    éso dulþárno málunos húmel.

    読み:エーソ ドゥルサルノ マールノス フーメル。

    és-odulþárnomálun-oshúmel
    いる-<(重いものが)>下縁<主格>敷物-<属格>湿った

    「敷物の下縁は湿っている。」

    書物・記録の文。覆い・帳・敷物など、下に垂れた終わり際の辺を指す「下縁」義。名詞句 dulþárno málunos は「下縁+敷物の属格」で、「敷物の下縁」。述語形容詞 húmel は、所有を示す málunos ではなく、主要部 dulþárno に一致している。

    éso gúur fúnelos húmel.

    読み:エーソ グール フーネロス フーメル。

    és-ogúurfúnel-oshúmel.
    いる-<(重いものが)>末端<主格>綱-<属格>湿った

    「綱の先は湿っている。」

    動物の尾からの転義。細く突き出た本体の末端を指す用法で、日常語として定着している。所有は後ろ属格。fúnel「綱」の末端を「尾」と呼ぶ。

    lúin éso nébro húmel, éso gromsámon klér.

    読み:ルーイン エーソ ネーブロ フーメル、エーソ グロンサーモン クレール。

    lúinés-onébrohúmel,és-ogromsámonklér
    ときいる-<(重いものが)>霧<主格>湿った,いる-<(重いものが)>皮膚感<主格>冷たい

    「霧が湿ると、肌触りは冷たい。」

    霧期の触れ感。この文では皮膚表面で受ける感じの意味であり、gloss 上は「皮膚感」と出す。gromsámon も nébro も重性なので、いずれも 3単・重性の éso で受ける。

    éso fándo húmel.

    読み:エーソ ファンド フーメル。

    és-ofándohúmel
    いる-<(重いものが)>戸口<主格>湿った

    「戸口が湿っている。」

    雨期や霧期などの生活の観察。存在の文で、主語 fándo が重性なので動詞は 3人称単数・重性の -o。述語の形容詞 húmel は名詞に一致して主格のまま。

    éso krunþrén só húmel.

    読み:エーソ クルンスレーン ソー フーメル。

    és-okrunþrénsóhúmel
    いる-<(重いものが)>物の置かれる段<主格>この<重性>湿った

    「この棚は湿っている。」

    家の中で物や食品の状態を見るときの文。存在・繋辞の és- を動詞として立て、主語の後に述語の形容詞を置く。重性名詞・単数主格では述語形容詞 húmel に語尾がつかない。指示詞 só は重性名詞に添えられる。

解説

湿り気を帯びていることを言う語。霧期の地面や衣、まだ乾いていない材、苔むした岩に使う。霧と同じく「下から来る」湿りを思わせるので、良くない響きがある。雨に濡れた場合は、上から来た水なので、ふつうはこの語を使わない。

文法

形容詞。名詞の後ろに置き、性・数・格に一致する。

語源

古高原語 *húmel- から。基本の形容詞で、派生・複合の構造は確認できない。

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