小説
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こねる
力を入れて繰り返し攪拌する。粥を固く練る、生地をこねる、など。
kekélan kelárai derván.
読み:ケケーラン ケラーライ デルヴァーン。
| kekél-an | kel-ár-ai | derv-án. |
| こねる-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 粉-<対格> |
「樵たちは粉をこねる。」
食事作りの場面。主語 kelárai が複数名詞句なので、動詞は3人称複数形の kekélan になる。粉を表す dervá は軽性a語幹で、対格は derv-án。
(墨を)練る
墨を磨り石で何度もこすりつけ、水を含ませて徹底的に溶く。
kekéla lisár dreumán.
読み:ケケーラ リサール ドレウマーン。
| kekél-a | lis-ár | dreum-án. |
| こねる-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 墨-<対格> |
「書記が墨を練る。」
書記が書き仕事のために墨を練る場面。主語 lisár は軽性単数なので、動詞は軽性の3人称単数形 kekéla。墨 dreumá の対格は dreum-án。
(灰を)かき回す
灰を何度もかき分け、冷めた燠を完全に再び起こす。
kekéla ólmar eelþó klér.
読み:ケケーラ オルマル エールソー クレール。
| kekél-a | ólmar | eelþó | klér. |
| こねる-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 灰<対格> | 冷たい |
「年長者が冷えた灰をかき回す。」
炉場の日常。主語 ólmar は軽性単数なので動詞は kekéla。灰 eelþó は重性o語幹の単数で、対格は主格と同形。形容詞 klér は重性単数では無標で、名詞の後ろに置かれる。
干潟語からの借用語。もとは干潟の泥や潮のうねりを混ぜる行為を表す語で、高原では「力を入れて繰り返し攪拌する」のニュアンスで使われる。粥を固く練って餅にする、墨を石で何度もこすりつけて徹底的に溶く、灰を何度もかき回して燠を完全に起こす、など、一回で終わらない・力を入れて繰り返す攪拌の行為に用いられる。都の改まった言葉ではあまり使わず、縁の人々や職人(墨を練る書生、餅を作る農家、炉番)の言葉に多い。干潟の「泥を搅す」の語感を残しているため、都の人の耳には「泥の言葉の混じった言い方」に聞こえ、縁の市の取引言葉ではむしろ自然に溶け込む。
他動詞。直説法3単:kekéla(軽性主語)/kekélo(重性主語)。
干潟語 *këqël-「混ぜる・泥を搅す」からの借用。ë→e、q→k、ł→l の音替わり。干潟語の第2音節の高音が高原語の強勢に対応。
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