小説
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更ける
夜が深まる。晩の時間帯が更けのほうへ移っていくことを表す。
kréuna dóulin nóra
読み:クレウナ ドーリン ノーラ
| kréun-a | dóulin | nóra |
| 更ける-<(軽いものが)> | もう | 夜<主格> |
「夜がもう更けている。」
日常用法の文。相の副詞 dóulin は動詞の直後に置かれ、主語の前に現れる。時制のない文で、話者の場面で現在進行として理解される。夜 nóra は軽性なので、動詞は軽性の3人称単数語尾 -a をとる。
kréuna nóra, salóur áura selvá
読み:クレウナ ノーラ、サロール アウラ セルヴァー
| kréun-a | nóra, | salóur | áur-a | selvá |
| 更ける-<(軽いものが)> | 夜<主格> | しかし | 昇る-<(軽いものが)> | 息<主格> |
「夜は更ける。しかし、息は昇る。」
詩文・儀礼語のような対句。逆接の salóur は第二節頭に立つ。夜 nóra も息 selvá も軽性の主語として扱われ、動詞はいずれも軽性の3人称単数語尾 -a をとる。夜の「更ける」と息の「昇る」を上下の対として並べる型である。
沈む(深い方へ)
字義どおり、水や光が深いほうへ沈んでいく様子。夜の比喩以前に、物理的な「沈む」の意味ももつ。
kréuno ílmo un dulún
読み:クレウノ イルモ ウン ドゥルーン
| kréun-o | ílmo | un | dulún |
| 沈む-<(重いものが)> | 水<主格> | 中に | 底<対格> |
「水が底へ沈む。」
物理的な「沈む」の文。前置詞 un に名詞の対格を続けて「〜の中へ」「〜へ」を表す。水は重性なので、動詞は重性の3人称単数語尾 -o をとる。字義的な「深いほうへ沈む」として、夜の比喩から独立して用いる例。
kréuno rúndo un snúlvo
読み:クレウノ ルンド ウン スヌルヴォ
| kréun-o | rúndo | un | snúlvo |
| 沈む-<(重いものが)> | 走り水<主格> | 中に | 穴<対格> |
「走り水が穴の中へ沈む。」
自然描写・地形記述の文。rúndo は「走り水」を表し、重性 o 語幹の名詞として扱われる。un + 対格で穴の中への方向を示す。kréun- の物理的意味「深いほうへ沈む」の用例。
夜が深まることを表す自動詞。夜(nóra)や時間帯を主語に取る。特定の時刻を指すのではなく、晩の時間帯が更けのほうへ移っていく過程を、「夜が深いほうへ沈んでいく」現象として述べる。日常的にも詩的にも用いられ、宮廷の改まった言葉でも森の村のくだけた言葉でも通じる。夜は重いものとして扱われるため、3人称単数の動詞は重性の形(-o)をとる。
自動詞。完了語幹は kréoun-(u→ou)。3人称単数で性が区別される(kréuna/kréuno)。時制の語形はないため、夜が深まっている状態も、深まっていく過程も同じ形で言う。
古高原語 *kréun- から。もとは「(水が)深いほうへ沈む」の意。夜が深まることへの転義が古くから定着している。
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