小説
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泥
水を含んだ粘りのある土。砂や乾いた土とちがい、まとわりつき、沈み、踏みぬく土を指す。
þréulo krúndo un orénoi
読み:スレウロ クルンド ウン オレーノイ
| þréul-o | krúndo | un | orén-oi |
| 積もる-<(重いものが)> | 泥<主格> | 内に | 縁-<与格> |
「縁に泥が積もっている。」
重性の名詞 krúndo「泥」が主語なので、動詞は 3 人称単数重性 -o をとる。un+与格で場所を示す。縁 orén の与格は orén-oi。
klúno gólvo un krúndoi.
読み:クルーノ ゴルヴォ ウン クルンドイ。
| klún-o | gólvo | un | krúnd-oi. |
| 埋もれる-<(重いものが)> | 旧道<主格> | 内に | 泥-<与格> |
「旧道は泥に埋もれている。」
記録文。主語はgólvo「旧道」。泥の中に沈んで、道の痕跡が取り出せなくなっている状態を示す。主語が重性o語幹なので動詞は-oで受け取る。
monþálau krúndo si kailíña.
読み:モンサーラウ クルンド シ カイリーニャ。
| monþál-au | krúndo | si | kailíña. |
| 石固まる-<双数> | 泥<主格> | と | 藁<主格> |
「泥と藁が固まる。」
炉の継ぎ目や壁の下地のように、泥と藁を混ぜて乾かしたものがかたく締まる場面。単数の名詞二語を si で結ぶと動詞は双数になる。
félo krúndo ílmo.
読み:フェーロ クルンド イルモ。
| fél-o | krúndo | ílmo |
| 潮を引き戻す-<(重いものが)> | 泥<主格> | 水<対格> |
「潮泥が水を引く(潮が引く)。」
干潟語原義の「潮を引き戻す」に対応する言い方。krúndo は「泥」だが、fél と組むと潮が引き込む泥を指し、潮が引く意になる。krúndo・ílmo とも重性で、動詞は 3 人称単数・重性 -o。宮廷では使われないが、縁の肩や縁では潮の動きを語る語として残る。
泥地・ぬかるみ
泥そのものから、地面そのものを指す拡張。道、縁の湿地、崖下へ通うぬかるみを言う。
mé tróm krúndo!
読み:メー トローン クルンド!
| mé | tróm | krúndo |
| <禁止・願いの打ち消し> | 踏む<命令法><あなたが> | 泥地<対格> |
「ぬかるみを踏むな。」
禁止の用法で、否定の mé と命令法の語幹 tróm を使う。重性の krúndo は主格単数と対格単数が同形だが、ここでは踏まれる地面としての「泥地」を示す。
ráuma endríña krúndoi.
読み:ラウマ エンドリーニャ クルンドイ。
| ráum-a | endríña | krúnd-oi |
| 歩く-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | 泥地-<与格> |
「子どもがぬかるみを歩いている。」
ráum-「歩く」では、歩く道・舞台は裸の与格で示す。un を添えた前置詞句にはしない。
高原の標準語で、水を含んで粘りのある土を指す基本語。砂・石・乾いた土と区別され、縁の湿地、ぬかるんだ道、干潟側の土など、重く湿った地面をさす語として使う。水そのものではなく、地に溜まって沈んだ土という含みがある。上の国では「下からのもの」として低く見る地面を示す語になり、干潟側への蔑称の語根としても使われることがある。
púlan faronárai krúndo.
読み:プーラン ファロナーライ クルンド。
| púl-an | faron-ár-ai | krúndo. |
| 軽く叩く-<彼らが> | 運ぶ-<〜する人>-<〜たちが> | 荷担ぎ歌<対格> |
「運び人たちは荷担ぎ歌(の拍子)を軽く打つ。」
荷運びの拍子に軽く打つ用法。目的語の krúndo は重性o語幹の単数対格で、主格 krúndo と同形である。軽性の対格語尾 -án を添えるのは誤り。ここでは歌そのものより、その歌に付随する拍子を受ける比喩的用法。主体 faronárai は複数軽性なので、動詞は性を区別しない3人称複数 -an をとる。
lúndim krúndo.
読み:ルンディン クルンド。
| lúnd-im | krúndo |
| 口ずさむ-<私が> | 荷担ぎ歌<対格> |
「荷担ぎ歌を口ずさんでいる。」
krúndo は重性o語幹で、単数対格は主格 krúndo と同形。荷担ぎ歌を目的語にとるときも krúndo の形を変える。意味3では、詞を正確に唱える lóim- と異なり、節をなぞるだけのニュアンスを含む。
fíndim kraselván, lúndin krúndo.
読み:フィンディン クラセルヴァーン、ルンディン クルンド。
| fínd-im | kraselv-án, | lúnd-in | krúndo. |
| 聞く-<私が> | 裂けた声-<対格>, | 歌う-<〜して・〜く> | 荷担ぎ歌<対格> |
「荷担ぎ歌を歌いながら、裂けた声を聞く。」
荷担ぎ歌を歌い続ける日常場面。主節と副動詞の主語は同じ一人称。krúndo は重性o語幹の単数対格で、主格 krúndo に同じ。
重性o語幹。単独形 krúndo、斜格語幹 krúnd-。
古高原語 *krundó- から。基本語。
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