小説
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商人
買い売りによって利を立てる人。とくに値切や帳場のやりとりで、売買を営む者を普通に呼ぶ語。
géla vándar es snáuros só du orén.
読み:ゲーラ ヴァンダル エス スナウロス ソー ドゥ オレーン。
| gél-a | vándar | es | snáur-os | só | du | orén. |
| 行く-<(軽いものが)> | 商人<主格> | から | 町-<属格> | この<重性> | 下手 | 縁<対格> |
「商人はこの町を下って縁へ行く。」
移動の動詞 gél- に、起点の es+属格、下向きの方向の du+対格を続ける。商人は人なので動詞の一致は軽性 -a。snáur の属格は重性 -os。du orén は「下手へ、縁へ」の定型句。
ruunléima lisár grúndo vándarei.
読み:ルーンレーマ リサール グルンド ヴァンダレイ。
| ruunléim-a | lisár | grúndo | vándar-ei. |
| 返す-<(軽いものが)> | 書記<主格> | 掛け<対格> | 商人-<与格> |
「書記は商人に掛けを返す。」
grúndo「掛け・負債」のような抽象的な借り・負い目を返す用法。物の返却と同じく、返されるものを対格、相手を与える格にとる。帳簿・商取引の場面を想定する。
noumosénau vándarau.
読み:ノウモセーナウ ヴァンダラウ。
| noumosén-au | vándar-au |
| 顔を見合わせる-<双数> | 商人-<双数> |
「二人の商人が顔を見合わせた。」
市での売買にふつうある場面。主語が双数なので動詞も双数。単に互いを見るだけでなく、やや直接的に互いの顔を見合わせることを指す。
guníþa vándar fáron.
読み:グニーサ ヴァンダル ファーロン。
| gun-íþ-a | vándar | fáron |
| 集まる-<〜させる>-<(軽いものが)> | 商人<主格> | 荷<対格> |
「商人は荷を集める。」
使い役語形guníþ-により、人や物を一つにまとめる意を作る。vándar「商人」は人を指す軽性語なので、動詞は3人称単数軽性の-a。
vánda vándar frélo sakonén só.
読み:ヴァンダ ヴァンダル フレーロ サコネーン ソー。
| vánd-a | vándar | frélo | sakonén | só |
| 量る-<(軽いものが)> | 商人<主格> | 魚<対格> | 塩漬けの | この<重性> |
「商人はこの塩漬けの魚を量る。」
市で、塩蔵品としての魚の重さを量る場面。主語 vándar は -ár 由来の軽性なので、動詞は 3人称単数・軽性の vánda。目的語 frélo は重性で、対格が主格と同形。目的語名詞句は「名詞-形容詞-指示詞」の順に並び、sakonén は「塩漬けの」の意。
du nebroþaló, na rímba vándar grúndo.
読み:ドゥ ネブロサロー、ナ リンバ ヴァンダル グルンド。
| du | nebroþaló, | na | rímb-a | vándar | grúndo. |
| 下手 | 霧明け<対格> | <〜ない> | 数える-<(軽いものが)> | 商人<主格> | 掛け<対格> |
「霧明けまでは、商人は掛け勘定を数えない。」
帳簿・市の記述で、霧明けを期限として、それまで掛け勘定を数えないことを言う文。du+対格は時間上の「〜まで」を表す。nebroþalóは重性名詞で、単数主格・対格は同形。主語のvándarは軽性なので動詞は3人称単数軽性の-aをとり、grúndoは重性名詞の単数対格で無標識。
ké prambéra vándar sáko?
読み:ケー プランベーラ ヴァンダル サーコ?
| ké | prambér-a | vándar | sáko |
| <〜か> | 値踏みする-<(軽いものが)> | 商人<主格> | 塩<対格> |
「商人は塩を値踏みしているか。」
市の会話でのはい/いいえの問い。ké は文頭に立つ。答えは動詞の反復で、この問いには prambéra のように返す。
bréuna vándar grúndul faronárei
読み:ブレウナ ヴァンダル グルンドゥル ファロナーレイ
| bréun-a | vándar | grúnd-ul | faron-ár-ei |
| 積む-<(軽いものが)> | 商人<主格> | 掛け-<〜たちを> | 荷-<〜する人>-<与格> |
「商人は運び人に借りを積む。」
市や仕事の場面で、荷を扱う商人が運び人に債務負担を負わせる文。受け手 faronárei は faronár の与格。主語 vándar は人・軽性なので動詞も軽性の bréuna。比喩用法では、grúndo の「掛け・借り」を重さのある負担として積み重ねる。
秤商人
秤・分銅・値札を扱う商い人。荷の重さや量を確かめて売る立場をさして言う言い方。
量る荷を売り買いする人、転じて商人一般を指す語。本来は分銅や秤を使って荷を量る者を表し、そこから売買を営む人を広く指すようになった。運び人・職人・役人とは区別され、取引の現場で値と数を担当する商い人のニュアンスが強い。縁商人のような特定の証札を必ずしも含みません。
軽性・子音語幹(行為者名詞)。行為者名詞なので、原則として人を軽性で受ける。
vánd-「量る」+-ár「〜する人」。本来は分銅で荷を量る人、すなわち秤商人を指し、商人一般に転じた。
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