vóil-

品詞
動詞(他動詞)
意味
読む
辞書形
vóila
発音
[ˈvoila]
読み
ボイラ
分野
文字・書物・学び

意味

  1. 読む

    帳簿・証文・手紙などの書かれた字を、黙って、または声に出して読むこと。

    vóilim sáindaran gléinan.

    読み:ヴォイリン サインダラン グレーナン。

    vóil-imsáindar-angléin-an.
    読む-<私が>証文-<対格>清らかな-<軽性・対格>

    「清らかな書きぶりの証文を読む。」

    言葉や書きぶりが整っていることをほめる用法。証文 sáindar は軽性の子音語幹なので、形容詞は軽性・対格の -an で一致する。書きぶりで書き手の教養を測る習わしをふまえた言い方。

    vóila lourvirár þeláis brélar sélvanes.

    読み:ヴォイラ ロウルヴィラール セライス ブレーラル セルヴァネス。

    vóil-alourvirárþel-áisbrél-arsélvan-es.
    読む-<(軽いものが)>系譜読み<主格>名前-<〜たちを>きょうだい-<〜らの>セルヴァン-<属格>

    「系譜読みが、セルヴァンのきょうだいたちの名を読み上げる。」

    婚姻の取り決めで、系譜の巻を読み交わす場面の文。名詞の後ろに属格を二つ重ねて、「名前・きょうだいたちの・セルヴァンの」の順に並べる。書かれた名前を読むことは禁忌に当たらない。

    na vóila naþrenár té lisáis némores.

    読み:ナ ヴォイラ ナスレナール テー リサイス ネーモレス。

    navóil-anaþrenártélis-áisnémor-es.
    <〜ない>読む-<(軽いものが)>異邦人<主格>あの<軽性>字-<〜たちを><我々>-<属格>

    「あの異邦人は我々の字を読めない。」

    日常の会話。時制も「できる」の語形もないので、「読まない」と「読めない」は文脈で決まる。na は動詞の直前に置く。名詞句は「名詞+指示詞」「名詞+属格」の順。

    lúin vóila endríña lisáis fóndelais, glóuma.

    読み:ルーイン ヴォイラ エンドリーニャ リサイス フォンデライス、グローマ。

    lúinvóil-aendríñalis-áisfóndel-ais,glóum-a.
    とき読む-<(軽いものが)>子ども<主格>字-<〜たちを>古い-<〜たちを>惑う-<(軽いものが)>

    「子どもは古い字を読むと戸惑う。」

    主節の主語は、lúin の節の主語と同じなので言わない。軽性の動詞の語尾 -a で受けている。

    vóilsim viráis fóumais ambréles.

    読み:ヴォイルシン ヴィライス フォーマイス アンブレーレス。

    vóils-imvir-áisfóum-aisambrél-es.
    読む<〜し終えた>-<私が>言葉-<〜たちを>親身な-<軽性・〜ら(古い母音交替)・対格>兄・姉-<属格>

    「兄(姉)の心のこもった言葉を読み終えた。」

    手紙に書かれた言葉について言う文。語根 vóil- は二重母音をもつので、完了相は母音を変えず、-s- を足して vóils- にする。言葉は軽性なので、形容詞も軽性・複数・対格になる。

    vóila senár férmalais kéumos.

    読み:ヴォイラ セナール フェルマライス ケウモス。

    vóil-asen-árférmal-aiskéum-os.
    読む-<(軽いものが)>見る-<〜する人・主格>法の条-<〜たちを>碑-<属格>

    「目付は碑に刻まれた条々を読み上げる。」

    縁の市で揉め事を裁く前に、目付が度量衡の碑の条々を読み上げる場面の文。複数形の férmalais は、一つひとつの決まりを並べた「条々」を指す。属格 kéumos は名詞の後ろに置く。

    voilélan éndrai dulúines sóndelan sé.

    読み:ヴォイレーラン エンドライ ドゥルーイネス ソンデラン セー。

    voil-él-anéndr-aidulúin-essóndel-ansé.
    読む-<〜だろう>-<彼らが>人-<〜たちが>行く末-<属格>書物-<対格>この<軽性>

    「行く末の人々が、この書物を読むだろう。」

    書物の序や詩に見られる言い回し。属格 dulúines を「人々」の後ろに置いて「後の世の人々」と言う。名詞句の中では、名詞のすぐ後ろに属格、そのあとに指示詞 sé が来る。

    ké vóiles sáindaran anóreles?

    読み:ケー ヴォイレス サインダラン アノーレレス?

    kévóil-essáindar-ananórel-es?
    <〜か>読む-<あなたが>証文-<対格>昨日-<属格>

    「昨日の証文は読んだか。」

    同じ段か目下の相手への、くだけた問い。属格の anóreles を名詞の後ろに置いて、「昨日の〜」を表す。目上の人には ké を使わず、推量法で尋ねる。

    póso? na vóilim lisáis.

    読み:ポーソ?ナ ヴォイリン リサイス。

    póso?navóil-imlis-áis.
    これは何だ<〜ない>読む-<私が>字-<〜たちを>

    「これは何だ? 字が読めないんだ。」

    字の書かれた荷札や木札を示して尋ねる言い方。下向きかくだけた場で使う問いで、目上の人には使わない。高原語には「〜できる」を表す専用の形がないので、「字を読まない」で「読めない」の意味を表す。

    ké vóiles lisáis?

    読み:ケー ヴォイレス リサイス?

    kévóil-eslis-áis?
    <〜か>読む-<あなたが>字-<〜たちを>

    「お前は字が読めるか。」

    はい・いいえで答える下向きの問い。「〜できる」にあたる専用の形はなく、直説法で「字を読むか」と尋ねて読み書きの力を問う。答えは動詞を繰り返して vóilim、または na vóilim と言う。

    ké vóiles sáindaran sé?

    読み:ケー ヴォイレス サインダラン セー?

    kévóil-essáindar-ansé?
    <〜か>読む-<あなたが>証文-<対格>この<軽性>

    「お前、この証文が読めるか?」

    下向きの問い。はい・いいえで答える問いは、文のいちばん前に ké を置いて作る。答えるときは動詞を繰り返して vóilim(読める)、na vóilim(読めない)と言う。目上の人には ké も2人称も使わない。

    ké vóiles kéumo só?

    読み:ケー ヴォイレス ケウモ ソー?

    kévóil-eskéumosó?
    <〜か>読む-<あなたが>碑<対格>この<重性>

    「この碑を読めるか。」

    古い字形の碑を前にした、くだけた問い。「〜できる」にあたる語形はなく、直説法のまま「読むか」で能力も尋ねる。kéumo は重性の o語幹なので、対格も主格と同じ形で、指示詞は só を使う。

    vóila krambár þóvo.

    読み:ヴォイラ クランバール ソーヴォ。

    vóil-akrambárþóvo.
    読む-<(軽いものが)>狩人<主格>影<対格>

    「狩人は影を読む。」

    実用的・日常の場面。狩人・牧人が影の長さで日暮れまでの時を読む言い方。主語 krambár は人を含む行為者名詞で軽性なので、動詞 vóil- は 3人称単数・軽性の語尾 -a で受ける。þóvo は重性 o 語幹であり、単数対格は主格と同形。

    vóilim plíndo es kumborhóumos.

    読み:ヴォイリン プリンド エス クンボルホーモス。

    vóil-implíndoeskumborhóum-os
    読む-<私が>荷札<対格>からクンボルホウム-<属格>

    「私はクンボルホウムからの荷札を読む。」

    帳場や市での読み上げの場面。es「〜から」+属格で、荷札 plíndo の産地・送り元を示す。固有名詞 kumborhóum は重性語として属格 -os を受ける。plíndo は重性単数で、対格は主格と同形の無標。

    vóilim monsnembán.

    読み:ヴォイリン モンスネンバーン。

    vóil-immonsnemb-án.
    読む-<私が>写し-<対格>

    「写しを読む。」

    書物や資料として写しを読む場面。monsnembá の「写し」の意味。対格のみで用いる。

    ké vóilin þíles sóndelan un þailviréi?

    読み:ケー ヴォイリン シーレス ソンデラン ウン サイルヴィレー?

    kévóil-inþíl-essóndel-anunþailvir-éi?
    <〜か>読む-<〜して・〜く>分かる-<あなたが>書物-<対格>内に高原語(雅称)-<与格>

    「書物を高原語(雅称)で読めるか。」

    学び舎で能力を尋ねる文。副動詞+þíl-「分かる」で、やり方を身につけていてできることを問う。ここでのþailviráは、都の改まった言葉としてだけでなく、高原語全体を雅に呼ぶ名として使う。

  2. 見分ける

    焼印や荷札のしるしの形を見て、何を示すかを読みとること。

    vóila faronár símbo gandéros, na vóila lisáis.

    読み:ヴォイラ ファロナール シンボ ガンデーロス、ナ ヴォイラ リサイス。

    vóil-afaron-ársímbogandér-os,navóil-alis-áis.
    見分ける-<(軽いものが)>荷-<〜する人>印<対格>硬木-<属格><〜ない>読む-<(軽いものが)>字-<〜たちを>

    「運び人は硬木の焼印は見分けるが、字は読めない。」

    同じ vóil- が、前半では焼印の形を見分ける意味で、後半では文字を読む意味で使われている。丸太の木口の焼印は何百本にも同じ形で押されているので、文字を知らない者もその形を覚える。

    pórin vóilimor símbo só?

    読み:ポーリン ヴォイリモル シンボ ソー?

    pórinvóil-imorsímbosó?
    どのように見分ける-<我々が>印<対格>この<重性>

    「この印は、どう見分ければいいのか。」

    荷札や焼印のしるしの読み方を仲間に尋ねる言い方。疑問詞 pórin は動詞の前に置く。símbo は重性なので、指示詞も重性の só を使う。

解説

書かれた字を目で追って意味をとることを表す他動詞。黙読にも音読にも使う。ただし詞や系譜のように韻律に乗せて声に出すときは lóim-「唱える」を使い、vóil- は帳簿・証文・手紙など実用の文を読む語として感じられる。

文法

完了語根 vóils-(二重母音の語根なので -s- を足す)。分詞 vóilen「読まれた」。命令2単 vóil!

語源

古高原語 *vóil- から

語幹の異形

説明に出てくる語

高原語辞典

高原語辞典

左の一覧から語を選ぶか、上の検索欄に日本語またはローマ字を入れてください。

高原語入門

左の目次から課を選んでください。

高原語の文法書

左の一覧から選んでください。

資料集

高原語で書かれた読み物です。左の一覧から選んでください。

小説

左の目次から話を選んでください。

語彙の候補

小説・世界設定・翻訳から見つけた「辞書にない語」の候補です(uv run conlang dict-grow 名前 で作られます)。登録する語を選んでください。同義語として複数選べます。

作ってほしい語を依頼する