aursár

品詞
名詞
意味
祖先
発音
[aurˈsar]
読み
アウルサール
分野
人・親族

意味

  1. 祖先

    亡くなって天へ昇った、家の先祖。

    fóndaro ráimaros, léunim þeláis aursárar.

    読み:フォンダロ ライマロス、レウニン セライス アウルサーラル。

    fóndar-oráimar-os,léun-imþel-áisaursár-ar.
    源-<〜よ>ライマル-<属格>申す-<私が>名前-<〜たちを>祖先-<〜らの>

    「ライマルの源よ、祖先たちの名を申し上げます。」

    系譜読みが系譜を唱えはじめるときの決まった呼びかけ。呼格は日常では使わず、古い詩と系譜の唱えにだけ残っている。重性の fóndar は呼格で fóndaro になる。léun- は「言う」の謙譲の補充形で、祖先に対して自分を低めている。

    luuménde ilána aursáres sélvanan.

    読み:ルーメンデ イラーナ アウルサーレス セルヴァナン。

    luum-énd-eilánaaursár-essélvan-an.
    ご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)>祖先の星<主格>祖先-<属格>セルヴァン-<対格>

    「祖先の星が、セルヴァンを見守ってくださいますように。」

    祀りの席で唱える祈りの句。祖先の星は目上なので、「見る」の尊敬の補充形 lúum- を願望法で使う。強勢は -énd- に移り、3人称単数・軽性の語尾は -e になる。

    na lúuman aursárai séndo, lúin tóro nébro es orénos.

    読み:ナ ルーマン アウルサーライ センド、ルーイン トーロ ネーブロ エス オレーノス。

    nalúum-anaursár-aiséndo,lúintór-onébroesorén-os.
    <〜ない>ご覧になる-<彼らが>祖先-<〜たちが>この世<対格>とき来る-<(重いものが)>霧<主格>から縁-<属格>

    「縁から霧が上がってくるとき、祖先はこの世をご覧にならない。」

    霧期を恐れる理由を語る言い方。ここでの séndo は話し手のいる場所ではなく、上(天)と下(干潟・地の底)のあいだにある、人の生きる「中の世界」を指す。祖先には「見る」の尊敬の補充形 lúum- を使う。祖先は数えないので、複数はひとまとまりの「方々」の意味になる。

    lúuman aursárai séndo es élvares.

    読み:ルーマン アウルサーライ センド エス エルヴァレス。

    lúum-anaursár-aiséndoesélvar-es.
    ご覧になる-<彼らが>祖先-<〜たちが>この世<対格>から天-<属格>

    「祖先は天からこの世をご覧になる。」

    祖先祀りの詞の一句。上の世界 élvar と、中の世界 séndo が対になる。祖先の行いには尊敬の補充形 lúum- を使う。séndo は重性なので、対格も主格と同じ形になる。

    ésa ómbra lúumen aursárar.

    読み:エーサ オンブラ ルーメン アウルサーラル。

    és-aómbralúum-enaursár-ar.
    いる-<(軽いものが)>すべて<主格>ご覧になる-<〜した・〜された>祖先-<〜らの>

    「すべては、ご先祖さまがご覧になっている。」

    祖先祀りや戒めの場で使う、改まった言い方。「見る」の尊敬の補充形 lúum- の分詞に、行為者を表す複数属格 aursárar を添えている。祖先は数えないので、複数はひとまとまりの「方々」を表す。

    lóima lourvirár þeláis aursárar an fóndaros.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール セライス アウルサーラル アン フォンダロス。

    lóim-alourvirárþel-áisaursár-aranfóndar-os.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み名前-<〜たちを>祖先-<〜らの>上手源-<属格>

    「系譜読みは、源から祖先たちの名を唱えていく。」

    婚姻の取り決めや祖先祀りで、系譜を読み上げる場面を言う文。lourvirár は lóur「瀬」+vír-「言う」+-ár「〜する人」からできた語で、軽性の子音語幹。an+属格で「上手から」。系譜は源から一瀬ずつ下へ向かって唱えるので、起点を an fóndaros で示す。

    lúin áura álmar, émbelimor aursárais.

    読み:ルーイン アウラ アルマル、エンベリモル アウルサーライス。

    lúináur-aálmar,émbel-imoraursár-ais.
    とき昇る-<(軽いものが)>白月祀る-<我々が>祖先-<〜たちを>

    「白月が昇ると、私たちは祖先を祀る。」

    白月の満月の夜に祖先を祀る習わしを言う文。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。aursár は人を指すので軽性の子音語幹で、複数対格は -ais。祖先は「数えない」ものなので、数詞をつけず複数でひとまとまりに言う。

    fíndan aursárai viráis gléinais.

    読み:フィンダン アウルサーライ ヴィライス グレーナイス。

    fínd-anaursár-aivir-áisgléin-ais.
    聞く-<彼らが>祖先-<〜たちが>言葉-<〜たちを>清い-<軽性・〜ら(古い母音交替)・対格>

    「祖先たちは、清い言葉を聞き届ける。」

    整った言葉は息となって上へ昇り、天の祖先に届くという信仰を表す、格言のような一句。主語の複数主格 aursárai に合わせて、動詞は3人称複数の -an をとる。形容詞 gléin は、修飾する viráis に合わせて軽性・複数・対格の -ais で一致する。

    émbelau véiranau aursárais.

    読み:エンベラウ ヴェーラナウ アウルサーライス。

    émbel-auvéiran-auaursár-ais.
    祀る-<双数>夫婦-<双数>祖先-<〜たちを>

    「夫婦は祖先を祀る。」

    双数の véiranau は、数詞 dáu をつけなくても「ひと組の夫婦」を表す。夫婦は、双数がとくに好まれる組み合わせの一つ。双数の動詞の語尾 -au は、人称も性も区別しない。

    lúin áura endríña an þráin, léuna aursárail.

    読み:ルーイン アウラ エンドリーニャ アン スライン、レウナ アウルサーライル。

    lúináur-aendríñaanþráin,léun-aaursár-ail.
    とき昇る-<(軽いものが)>未成年の者<主格>上手峰<対格>申す-<(軽いものが)>祖先-<〜らに>

    「未成年の者は峰に登ると、祖先に言葉を申し上げる。」

    成人の儀の次第を述べる書き言葉の文。主節では主語を言っていないが、動詞の語尾から、lúin の節と同じ者が主語だとわかる。祖先に向けた言葉なので、謙譲の補充形 léun- を使う。この儀を終えると成名が与えられ、endríña ではなくなる。

    lúin áura álmar, émbelimor aursárais.

    読み:ルーイン アウラ アルマル、エンベリモル アウルサーライス。

    lúináur-aálmar,émbel-imoraursár-ais.
    とき昇る-<(軽いものが)>白月<主格>祀る-<我々が>祖先-<〜たちを>

    「白月が昇ると、我々は祖先を祀る。」

    家々の祖先祀りを説明する文。白月は見守る祖先のまなざしの象徴とされ、満ちた夜に祖先を祀る。lúin の節は主節の前に置く。月は軽性なので、動詞は -a で受ける。

    hóina selvá an élvaran, an aursárais.

    読み:ホイナ セルヴァー アン エルヴァラン、アン アウルサーライス。

    hóin-aselváanélvar-an,anaursár-ais.
    帰る-<(軽いものが)>息<主格>上手天-<対格>上手祖先-<〜たちを>

    「息は天へ、祖先たちのもとへ帰っていく。」

    死と魂についての教えを説く書物によく出る文。前置詞句を二つ並べて、天と祖先が同じ場所であることを示している。魂が天へ行くことを、「行く」ではなく hóin-「帰る」で言うのが決まった言い方である。

    lúin brúuma réina, ésa fléura du aursárail.

    読み:ルーイン ブルーマ レーナ、エーサ フレウラ ドゥ アウルサーライル。

    lúinbrúum-aréina,és-afléuraduaursár-ail.
    とき落ちる-<(軽いものが)>雨<主格>いる-<(軽いものが)>天の屋根<主格>下手祖先-<〜らに>

    「雨が降るときも、天の屋根は祖先の方々の下にある。」

    雨期に星が見えなくても不安に思わなくてよい、と説くときの決まった言い方。du+与格で「〜の下手に」。天の屋根が祖先の下にあるということは、祖先は屋根の上にいて、変わらず下界を聞いているということになる。

    an éndrail snélo, du aursárail fléura.

    読み:アン エンドライル スネーロ、ドゥ アウルサーライル フレウラ。

    anéndr-ailsnélo,duaursár-ailfléura.
    上手人-<〜らに>屋根<主格>下手祖先-<〜らに>天の屋根<主格>

    「人の上には家の屋根、祖先の下には天の屋根。」

    雨期の詩合わせでよく引かれる、動詞のない詩句。an と du、家の屋根(重性の snélo)と天の屋根(軽性の fléura)を対にしている。人は家の屋根の下に、祖先は天の屋根の上にいる、という縦の並びを詠んでいる。

    ésa réina aursárar, dúmarimor.

    読み:エーサ レーナ アウルサーラル、ドゥーマリモル。

    és-aréinaaursár-ar,dúmar-imor.
    いる-<(軽いものが)>上からの恵み<主格>祖先-<〜らの>いただく-<我々が>

    「祖先の方々の恵みがここにある。いただきます。」

    雑穀の食事の前に、家の者がそろって唱える言葉。雨で実った穀物を「雨」と呼んで、上から返されてきた恵みとして言う。dúmar- は「食べる」の謙譲の補充形。

    éso kreinándo aursárar þráinuls.

    読み:エーソ クレイナンド アウルサーラル スライヌルス。

    és-okreinándoaursár-arþráin-uls.
    いる-<(重いものが)>納骨所<主格>祖先-<〜らの>峰-<〜らに>

    「祖先たちの納骨所は北の高みにある。」

    複数形 þráinul(ここでは与格 þráinuls)は、峰々の連なる北の山地全体を地名のように指す。納骨所 kreinándo は重性の o 語幹なので、動詞は -o で一致する。骨を谷底や崖下に埋めず、天に近い高みに納めるという葬送の慣習を述べた文。

    bróla lisár virán aursárail.

    読み:ブローラ リサール ヴィラーン アウルサーライル。

    bról-alis-árvir-ánaursár-ail.
    詩を作る-<(軽いものが)>書く-<〜する人>言葉-<対格>祖先-<〜らに>

    「書記が祖先に捧げる詩を作る。」

    祖先に詩を捧げる習わしを言う文。virá を目的語にとると「詩を作る」の意味になる。捧げる相手は与格で示す。

    léimsan aursárai sárvo ré mé duliþésa fáron du dálor.

    読み:レーンサン アウルサーライ サルヴォ レー メー ドゥリセーサ ファーロン ドゥ ダーロル。

    léims-anaursár-aisárvorémédul-iþ-és-afárondudálor.
    据える<〜し終えた>-<彼らが>祖先-<〜たちが>禁忌<対格><〜と(節)><禁止・願いの打ち消し>下る-<〜させる>-<〜すべし>-<(軽いものが)>荷<対格>下手下の国<対格>

    「祖先たちは、下の国へ荷を落としてはならぬという禁忌を定めた。」

    ré の後ろの節は当為法を保ち、mé で否定している。主語を言わない当為法は「人は〜すべし」の意味で、軽性の -a をとる。強勢は -és- に移る。崖から物を落としてはいけない、という禁忌のいわれを語る文。

    lúin émbelimor aursárais, flúunimor nóumo.

    読み:ルーイン エンベリモル アウルサーライス、フルーニモル ノーモ。

    lúinémbel-imoraursár-ais,flúun-imornóumo.
    とき祀る-<我々が>祖先-<〜たちを>清める-<我々が>顔<対格>

    「祖先を祀るとき、我々は顔を清める。」

    lúin の節を主節の前に置いている。祀りのための清めは、ふつう軒で集めた雨水で行う。体の部分 nóumo「顔」は重性o語幹なので、対格も同じ形になる。

    élþan elþái aursárar élvarei, áurau dáu sílarau.

    読み:エルサン エルサイ アウルサーラル エルヴァレイ、アウラウ ダウ シーララウ。

    élþ-anelþ-áiaursár-arélvar-ei,áur-audáusílar-au.
    灯る-<彼らが>火-<〜たちが>祖先-<〜らの>天-<与格>昇る-<双数>二月-<双数>

    「天に祖先たちの火が灯り、二つの月が昇る。」

    詩の言い回し。星を祖先の炉の火と見る考え方から、星を「祖先たちの火」と言い換え、élþ-「灯る」を使っている。星を数えない言い方なので禁忌には当たらない。月は星ではないので、数詞 dáu をつけて双数で言える。

    lúin hóina sílar, lísimor viráis aursárail.

    読み:ルーイン ホイナ シーラル、リーシモル ヴィライス アウルサーライル。

    lúinhóin-asílar,lís-imorvir-áisaursár-ail.
    とき巡ってくる-<(軽いものが)>月<主格>書く-<我々が>言葉-<〜たちを>祖先-<〜らに>

    「白月がまた巡ってくると、我々は祖先たちに言葉を書く。」

    白月の満月の夜に祖先を祀る習わしを言う文。白月が一巡りしてまた満ちることに hóin- を使う。lúin の節は主節の前に置く。受け手の祖先たちは複数与格 -ail で示す。

    fíndan aursárai viráis némores an élvarei.

    読み:フィンダン アウルサーライ ヴィライス ネーモレス アン エルヴァレイ。

    fínd-anaursár-aivir-áisnémor-esanélvar-ei.
    聞く-<彼らが>祖先-<〜たちが>言葉-<〜たちを><我々>-<属格>上手天-<与格>

    「祖先たちは天の上で、我々の言葉を聞いている。」

    信仰を説く言い方。言葉は息なので上へ昇り、天にいる祖先の耳に届く、という考えを表している。時制がないので、いつでも成り立つ事柄として直説法で言う。an+与格で「上手の側で」。

    hálimor aursáran nadúlenan fóndar.

    読み:ハーリモル アウルサーラン ナドゥーレナン フォンダル。

    hál-imoraursár-anna-dúl-en-anfóndar.
    呼ぶ-<我々が>祖先-<対格><〜ない>-下る-<〜した・〜された>-<軽性・対格>源<対格>

    「我々は、下りぬ祖先を「源」と呼ぶ。」

    二つの対格をとる用法。一つ目の対格が呼ばれるもの、二つ目の対格がその呼び名を表す。fóndar は重性なので、対格も主格と同じ形になる。分詞 nadúlenan は aursáran(軽性・単数・対格)に一致している。家系を川の流れとみる世界観で、始祖のことを説明するときの言い方。

    ésa þelá aursáres lísen rólanei.

    読み:エーサ セラー アウルサーレス リーセン ローラネイ。

    és-aþeláaursár-eslís-enrólan-ei.
    いる-<(軽いものが)>名前<主格>祖先-<属格>書く-<〜した・〜された>巻-<与格>

    「祖先の名は巻物に書かれている。」

    家の習わしを述べる文。「és-+主語+分詞」で結果の状態を表し、受け身にあたる意味になる。書くことは息を使わないので、口にしてはならない名前でも書き留めてよい。場所は前置詞なしの与格で表す。

    lúin áura álmar, ésa aurþelá aursáres lóimen.

    読み:ルーイン アウラ アルマル、エーサ アウルセラー アウルサーレス ロイメン。

    lúináur-aálmar,és-aaurþeláaursár-eslóim-en.
    とき昇る-<(軽いものが)>白月<主格>いる-<(軽いものが)>昇名<主格>祖先-<属格>唱える-<〜した・〜された>

    「白月が昇ると、祖先の昇名が唱えられる。」

    祖先祀りの場面。生前の名前は二度と声に出さないので、祖先を口にするときはかならず昇名を使う。時を表す lúin の節は、ふつう主節の前に置く。後半は「és-+主語+分詞」で、受け身にあたる意味を表している。

    lúin áura sílar, nóurimor aursárais.

    読み:ルーイン アウラ シーラル、ノーリモル アウルサーライス。

    lúináur-asílar,nóur-imoraursár-ais.
    とき昇る-<(軽いものが)>月<主格>思い慕う-<我々が>祖先-<〜たちを>

    「月が昇るとき、我々は祖先を偲ぶ。」

    祖先祀りの場の言い方。白月は見守る祖先のまなざしの象徴とされ、満月の夜には祖先を祀る。

    néulan aursárai viráis séurilais.

    読み:ネウラン アウルサーライ ヴィライス セウリライス。

    néul-anaursár-aivir-áisséuril-ais.
    好む-<彼らが>祖先-<〜たちが>言葉-<〜たちを>美しい-<軽性・〜ら(古い母音交替)・対格>

    「祖先は美しい言葉を好む。」

    整った言葉は昇って祖先に届く、という信仰を言う教えの文。形容詞 séuril は、修飾する virá(軽性)の複数対格に一致して -ais をとる。

    gremésa aursárar si aldáres áurenes.

    読み:グレメーサ アウルサーラル シ アルダーレス アウレネス。

    grem-és-aaursár-arsialdár-esáur-en-es.
    畏れる-<〜すべし>-<(軽いものが)>祖先-<〜らの>と座-<属格>昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格>

    「人は祖先と高き座を畏れるべし。」

    教えの書や詞に見える当為法の文。主語を言わないので「人は」という一般の主語になり、軽性の形をとる。強勢が -és- に移るので、語根の ´ は消える。畏れる対象は属格でとり、分詞 áurenes も aldáres の属格に一致する。

    lúin sénan éndrai sílarau, gréman aursárar.

    読み:ルーイン セーナン エンドライ シーララウ、グレーマン アウルサーラル。

    lúinsén-anéndr-aisílar-au,grém-anaursár-ar.
    とき見る-<彼らが>人-<〜たちが>月-<双数>畏れる-<彼らが>祖先-<〜らの>

    「人は二つの月を仰ぐとき、祖先を畏れかしこむ。」

    lúin の節は主節の前に置く。月は星ではないので双数で言える。後半の主節では主語を言っていないが、動詞の語尾から前半と同じ人々だとわかる。畏れる対象は属格でとる。

    ausailéndan aursárai lisímei sé.

    読み:アウサイレンダン アウルサーライ リシーメイ セー。

    au-sail-énd-anaursár-ailis-ím-eisé.
    <お〜になる・御〜>-嘉する-<〜しますように>-<彼らが>祖先-<〜たちが>書く-<〜の技・〜さ>-<与格>この<軽性>

    「ご祖先がこの手跡を嘉したまいますように。」

    願いを書いた紙を燃やして祖先に届けるときの決まり文句。高い者が主語なので尊敬の au- をつけ、願望法で言う。強勢は -énd- に移る。嘉する対象は与格。

    þóndim aursárail ré na vírim lúdro.

    読み:ソンディン アウルサーライル レー ナ ヴィーリン ルードロ。

    þónd-imaursár-ailrénavír-imlúdro.
    誓う-<私が>祖先-<〜らに><〜と(節)><〜ない>言う-<私が>嘘<対格>

    「私は祖先に、嘘は言わないと誓う。」

    星の見える晴れた夜に立てる誓いの基本の形。誓う相手は与格で示し(aursárail「祖先たちに」)、誓う中身は ré の節で後ろに置く。ré の節は元の文の法をそのまま保つので、ここでは直説法の否定 na vírim になる。時制はないので、「言わない」は文脈から未来のことと読む。

    viríres lúdro, gruunélan aursárai tásei.

    読み:ヴィリーレス ルードロ、グルーネーラン アウルサーライ ターセイ。

    vir-ír-eslúdro,gruun-él-anaursár-aitás-ei.
    言う-<もし〜なら>-<あなたが>嘘<対格>怒る-<〜だろう>-<彼らが>祖先-<〜たちが><あなた>-<与格>

    「嘘をつけば、ご先祖様がお前にお怒りになるだろう。」

    年長者が子どもを戒めるときの言い方。条件は接続詞を使わず、仮定法で表す。帰結の部分は推量法になる。法の接尾辞 -ír-・-él- は強勢をもつので、語根の ´ は消える(grúun- → gruunélan)。

    lóima lourvirár þeláis aursárar fóndelar.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール セライス アウルサーラル フォンデラル。

    lóim-alourvirárþel-áisaursár-arfóndel-ar.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み<主格>名前-<〜たちを>祖先-<〜らの>源に近い-<軽性・〜ら(古い母音交替)・属格>

    「系譜読みは、源に近い祖先たちの名を唱える。」

    祖先祀りで系譜を唱える場面の文。系譜について fóndel と言うと、始祖から下った瀬の数が少ないことを表す。古い詩の言い方で、改まった響きがある。形容詞は aursár の複数属格に合わせて -ar になる。

    fóndel aursár, gléin selvá éles.

    読み:フォンデル アウルサール、グレーン セルヴァー エーレス。

    fóndelaursár,gléinselváél-es.
    源に近い祖先<主格>清い息<主格><3人称単数・軽性>-<属格>

    「源に近きは祖、清きはその息。」

    諺や詩の形。繋辞を落とし、述語の形容詞を先に置く。ふつうの名詞句は「名詞–形容詞」の順なので、形容詞が先頭に来ると、格言や詩句だとわかる。

    lúin áura sílar, ansénan aursárais.

    読み:ルーイン アウラ シーラル、アンセーナン アウルサーライス。

    lúináur-asílar,ansén-anaursár-ais.
    とき昇る-<(軽いものが)>月<主格>思い出す-<彼らが>祖先-<〜たちを>

    「月が昇ると、人々は祖先を思い出す。」

    祖先祀りの習わしを述べる文。月 sílar は軽性なので、動詞は3単・軽性の -a。主節の主語を言わない3人称複数 ansénan は、「人々は」という一般の主語を表す。

    lóimimor viráis aursárail.

    読み:ロイミモル ヴィライス アウルサーライル。

    lóim-imorvir-áisaursár-ail.
    詠む-<我々が>言葉-<〜たちを>祖先-<〜らに>

    「我々は祖先たちに詩句を詠む。」

    都の暮らしと祖先祀りを語る文。整った言葉は祖先への捧げものとされる。1人称複数の語尾 -imor には強勢がなく、強勢は語根に残る。受け手の祖先は複数与格で言う。

    lóimsa endríña virán an aursárais.

    読み:ロインサ エンドリーニャ ヴィラーン アン アウルサーライス。

    lóims-aendríñavir-ánanaursár-ais.
    詠む<〜し終えた>-<(軽いものが)>子ども<主格>言葉-<対格>上手祖先-<〜たちを>

    「子どもは祖先たちへ向けて、句を詠み終えた。」

    成人の儀を終えたことを伝える文。語根 lóim- は二重母音をもつので、完了相は -s- を足して lóims- にする。「an+対格」で、祖先のいる上方へ向けることを表す。

    ansóina lourvirár þeláis aursárar an fóndaros.

    読み:アンソイナ ロウルヴィラール セライス アウルサーラル アン フォンダロス。

    ansóin-alourvirárþel-áisaursár-aranfóndar-os.
    覚えている<〜し終えた>-<(軽いものが)>系譜読み<主格>名前-<〜たちを>祖先-<〜らの>上手源-<属格>

    「「系譜読みは、源から続く祖先たちの名を覚えている。」」

    ansén- は「思い出す」のほか、「記憶にとどめている」という状態も表す。時制がないので、未完了の形のままで、いつも覚えているという意味になる。系譜読みの務めを説明する文。

    na fíndan aursárai virán múran.

    読み:ナ フィンダン アウルサーライ ヴィラーン ムーラン。

    nafínd-anaursár-aivir-ánmúr-an.
    <〜ない>聞く-<彼らが>祖先-<〜たちが>言葉-<対格>崩れた-<軽性・対格>

    「祖先は崩れた言葉を聞き入れない。」

    宮廷や家で、言葉づかいを戒めるときの言い方。virá「言葉」は軽性なので、形容詞は軽性・対格の -an をとって múran となる。崩れた言葉は重く、上へ昇らないという信仰が背景にある。

    áura elþá aursáres an élvaran.

    読み:アウラ エルサー アウルサーレス アン エルヴァラン。

    áur-aelþáaursár-esanélvar-an.
    昇る-<(軽いものが)>火<主格>祖先-<属格>上手天-<対格>

    「祖先の火(星)が天へ昇っていく。」

    詩の一句。星を、昇っていった祖先の炉の火とみて elþá と言う。一つの祖先の火を指しているので単数で、数詞はつけない。an+対格で「上手へ」。

    lúuma elþá aursáres némoran.

    読み:ルーマ エルサー アウルサーレス ネーモラン。

    lúum-aelþáaursár-esnémor-an.
    ご覧になる-<(軽いものが)>火<主格>祖先-<属格><我々>-<対格>

    「祖先の火(星)が、我々をご覧になっている。」

    白月の満月の夜に祖先を祀るときなどの、祀りの言葉。祖先の火(星)は目上のものなので、「見る」の尊敬の補充形 lúum- で受ける。

    lúin áura álmar, embeléimor aursárais.

    読み:ルーイン アウラ アルマル、エンベレーモル アウルサーライス。

    lúináur-aálmar,embel-é-imoraursár-ais.
    とき昇る-<(軽いものが)>白月<主格>祀る-<〜だろう>-<我々が>祖先-<〜たちを>

    「白月が昇ったら、我々は祖先を祀ろう。」

    満月の夜に祖先を祀る習わしについての、家の中の会話。lúin の節は主節の前に置く。推量法の -él- は、1人称の語尾 -imor の前で l が落ちて -é- になる。強勢が接尾辞に移るので、語根の ´ は消える。

    émbelau ráuvan si kelár aursárais.

    読み:エンベラウ ラウヴァン シ ケラール アウルサーライス。

    émbel-auráuvansikel-áraursár-ais.
    祀る-<双数>森の巫<主格>と伐る-<〜する人・主格>祖先-<〜たちを>

    「森の巫と樵が祖先を祀る。」

    祖先を祀る祭祀を述べる文。単数の名詞を si で二つ並べているので、動詞は双数の -au になる。双数の動詞は人称も性も区別しない。

    dulémbelim virán aursárail.

    読み:ドゥレンベリン ヴィラーン アウルサーライル。

    dul-émbel-imvir-ánaursár-ail.
    <〜させていただく>-捧げる-<私が>言葉-<対格>祖先-<〜らに>

    「ご先祖さまに、言葉を捧げさせていただきます。」

    祖先を祀る場で詩を捧げるときの前置き。謙譲の du- は母音の前で dul- になる。捧げる相手は与格で表す。

    lúin hóinan faronárai, émbelan virán aursárail.

    読み:ルーイン ホイナン ファロナーライ、エンベラン ヴィラーン アウルサーライル。

    lúinhóin-anfaron-ár-ai,émbel-anvir-ánaursár-ail.
    とき帰る-<彼らが>荷-<〜する人>-<〜たちが>捧げる-<彼らが>言葉-<対格>祖先-<〜らに>

    「運び人たちは帰ってくると、祖先に言葉を捧げる。」

    崖道から戻った者が、改まった言葉を祖先に捧げる習わしを説明する文。後半の主語は前半と同じなので言わない。

    áura aurvirá an aursárais.

    読み:アウラ アウルヴィラー アン アウルサーライス。

    áur-aaurviráanaursár-ais.
    昇る-<(軽いものが)>祈り<主格>上手祖先-<〜たちを>

    「祈りは祖先のもとへ昇る。」

    祈りについての決まった言い方で、葬送や祭祀の場で唱える。aurvirá は言葉に属するので軽性になり、動詞は軽性の -a をとる。an+対格で「上手へ」。

    élþa aurvirá, áura virá an aursárais.

    読み:エルサ アウルヴィラー、アウラ ヴィラー アン アウルサーライス。

    élþ-aaurvirá,áur-aviráanaursár-ais.
    燃える-<(軽いものが)>祈りの紙<主格>昇る-<(軽いものが)>言葉<主格>上手祖先-<〜たちを>

    「祈りの紙が燃え、その言葉は祖先のもとへ昇っていく。」

    願いを書いた紙を燃やす習わしを述べる文。紙は言葉を載せて昇るものなので軽性で、動詞は軽性の -a をとる。動詞で始まる節を二つ、読点で区切って並べている。

    lúin éso nébro, na áura þondá, na fíndan aursárai élan.

    読み:ルーイン エーソ ネーブロ、ナ アウラ ソンダー、ナ フィンダン アウルサーライ エーラン。

    lúinés-onébro,naáur-aþondá,nafínd-anaursár-aiél-an.
    ときいる-<(重いものが)>霧<主格><〜ない>昇る-<(軽いものが)>誓い<主格><〜ない>聞く-<彼らが>祖先-<〜たちが><3人称単数・軽性>-<対格>

    「霧が出ているときには、誓いは昇らない。祖先にはそれが聞こえない。」

    霧の夜に立てた誓いは無効だという教えを述べる文。霧 nébro は重性なので éso、þondá は軽性なので動詞は -a で一致する。後半では、その誓いを軽性の代名詞の対格 élan で受けている。

    lúin gélim an kreinándo, áura mélna némes an aursárais.

    読み:ルーイン ゲーリン アン クレイナンド、アウラ メルナ ネーメス アン アウルサーライス。

    lúingél-imankreinándo,áur-amélnaném-esanaursár-ais.
    とき行く-<私が>上手納骨所<対格>昇る-<(軽いものが)>詩<主格><私>-<属格>上手祖先-<〜たちを>

    「納骨所へ上るときには、私の詩が祖先の方々のもとへ昇っていく。」

    成人の儀や祖先祀りで聖地に登る人の言葉。移動の動詞 gél- には方向の前置詞をかならず添えるので、an「上手へ」で上りの道だとわかる。詩は息なので軽く、祖先への捧げものとして上へ昇る。祖先は複数対格 -ais で表す。

    tóran ólmarai an aurándo, émbelan aursárais.

    読み:トーラン オルマライ アン アウランド、エンベラン アウルサーライス。

    tór-anólmar-aianaurándo,émbel-anaursár-ais.
    来る-<彼らが>年長者-<〜たちが>上手社<対格>祀る-<彼らが>祖先-<〜たちを>

    「年長者たちは上手の社へやって来て、祖先を祀る。」

    儀礼について述べる文。白月の満月の夜の祖先祀りなどで使う言い方。aurándo は áur-「昇る」+-ándo「〜する所」から来た語で、「昇る所」を表す。重性o語幹なので、対格は主格と同じ形になる。an+対格で「上手へ」を表す。後半の節は主語を言わず、動詞の語尾から前半と同じ年長者たちが主語だとわかる。

    lúin áura álmar or dún, émbelan ólmarai aursárais.

    読み:ルーイン アウラ アルマル オル ドゥーン、エンベラン オルマライ アウルサーライス。

    lúináur-aálmarordún,émbel-anólmar-aiaursár-ais.
    とき昇る-<(軽いものが)>白月<主格>日の出側丘<対格>祀る-<彼らが>年長者-<〜たちが>祖先-<〜たちを>

    「白月が丘の日の出側に昇ると、年長者たちは祖先を祀る。」

    天体の位置を言う決まった言い方。星や月は指さしてはいけないので、よく知られた目印と方向の前置詞で位置を示す。or+対格で「〜の日の出側へ」を表す。lúin で始まる時の節は主節の前に置く。

    émbelan ólmarai aursárais órunei.

    読み:エンベラン オルマライ アウルサーライス オールネイ。

    émbel-anólmar-aiaursár-aisórun-ei.
    祀る-<彼らが>年長者-<〜たちが>祖先-<〜たちを>日の出-<与格>

    「年長者たちは日の出の時刻に祖先を祀る。」

    時刻を言う文。前置詞のない与格 órunei で、「日の出の時刻に」「明け方に」を表す。年代記で、出来事が明け方に起きたことを書くときにも、この与格を使う。

    drénimor an ánoran ré embeléndimor aursárais.

    読み:ドレーニモル アン アーノラン レー エンベレンディモル アウルサーライス。

    drén-imoranánor-anréembel-énd-imoraursár-ais.
    参る-<我々が>上手上手・北-<対格><〜と(節)>祀る-<〜しますように>-<我々が>祖先-<〜たちを>

    「我々は、祖先を祀るために北の高みへ参る。」

    北の高みの納骨所へ向かうときの言い方。drén- は「行く」の謙譲の補充形で、聖地に向かう行いを低めて言う。ré+願望法で目的を表す。an ánoran は「上手の北の地へ」で、前置詞と名詞が同じ方向を重ねて表している。

    lóima lourvirár þeláis aursárar trúinar.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール セライス アウルサーラル トルーイナル。

    lóim-alourvirárþel-áisaursár-artrúin-ar.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み<主格>名前-<〜たちを>祖先-<〜らの>近しい-<〜らの>

    「系譜読みは、近しい祖先たちの名を唱える。」

    祖先を祀る場の文。trúin は、瀬の数が少ない(世代の近い)祖先を言っている。形容詞は修飾する aursárar(軽性・複数・属格)に一致して trúinar になる。名詞句の語順は「名詞–属格–形容詞」ではなく、「祖先-の・近しい-の」と属格の名詞の後ろに形容詞が続く。

    aurénde mélna an aursárais.

    読み:アウレンデ メルナ アン アウルサーライス。

    aur-énd-emélnaanaursár-ais
    昇る-<〜しますように>-<(軽いものが)>詩<主格>上手祖先-<〜たちを>

    「この詩が、ご先祖様がたのもとへ昇りますように。」

    崖道から都へ帰った人などが、祖先に詩を捧げるときの言葉。主語 mélna は軽性なので、願望法の3人称単数は -e になる。an+対格で「上手へ」。

    émbela ólmar houmíño aursárail.

    読み:エンベラ オルマル ホウミーニョ アウルサーライル。

    émbel-aólmarhoumíñoaursár-ail.
    祀る-<(軽いものが)>年長者<主格>椀<対格>祖先-<〜らに>

    「年長の方は、(恵みの)椀を祖先に供する。」

    祖先祀りの場面。houmíño は供えられる食物そのものを指す詩的用法。aursár(「昇った者=祖先」)は複合名詞として1語の語根で、複数与格語尾 -ail が付く。動詞は主語の年長者(人・軽性)に一致。炉の北側の座から火のうえへ置く行為の婉曲な言い方。

    hoummanénde aursár sáko hóumoi.

    読み:ホウンマネンデ アウルサール サーコ ホーモイ。

    houmman-énd-eaursársákohóum-oi
    与える-<〜しますように>-<(軽いものが)>祖先<主格>塩<対格>炉-<与格>

    「祖霊が炉に塩を授けますように。」

    儀礼的な祈願。願望法3人称単数・軽で、祖霊を主語に立てる。単なる物資の移動ではなく、共同体の存続を祈る含みを持つ。

    aurselvéra selvá aursárar.

    読み:アウルセルヴェーラ セルヴァー アウルサーラル。

    aurselvér-aselváaursár-ar.
    息が白む-<(軽いものが)>息<主格>祖先-<〜らの>

    「祖先の息は、天の息になる。」

    詩・祀りの詞の一節。祖先の息は昇るものとして軽性の主語になる。所属複数は名詞の複数属格 aursár-ar を名詞の後ろに置く。

    mé gromvirésa aursárais.

    読み:メー グロンヴィレーサ アウルサーライス。

    mégromvir-és-aaursár-ais.
    <禁止・願いの打ち消し>人を重として呼ぶ-<〜すべし>-<(軽いものが)>祖先-<〜たちを>

    「「祖先たちを重として呼んではならない。」」

    法典・儀礼の禁止定。mé + 当為法は、主語を言わないかぎり一般の人が主語として表され、法文では「〜してはならない」と解される。語根に -és- が付くと強勢が移るので、gromvír- の語根の ´ は消える。祖先は人籍であり、これを重扱いに呼ぶことは禁じられる。

    buldúlan aursárai éndrais

    読み:ブルドゥーラン アウルサーライ エンドライス

    buldúl-anaursár-aiéndr-ais
    根を下ろす-<彼らが>祖先-<〜たちが>人-<〜たちを>

    「祖先たちが、人々の根となる。」

    儀礼や系譜の唱えに用いる句。主語 aursárai は軽性複数で、動詞は 3人称複数 -an をとる。目的語 éndrais は軽性複数の対格。人数を表すには数詞や双数を避け、複数形だけで表す。比喩的な主語が人を支える基盤になるという意味。

    méira andaulóura soilkrélvo aursárei.

    読み:メーラ アンダウローラ ソイルクレルヴォ アウルサーレイ。

    méir-aandaulóurasoilkrélvoaursár-ei.
    与える-<(軽いものが)>祖母<主格>髪留め<対格>祖先-<与格>

    「祖母が祖先に髪留めを渡す。」

    祀りの場面。主語のandaulóuraは人なので軽性・3人称単数-a。受け手は与格aursárei。soilkrélvoは対格だが重性のため無標識。

    noumovíran aursárai, na víran aursárai

    読み:ノウモヴィーラン アウルサーライ、ナ ヴィーラン アウルサーライ

    noumo-vír-anaursár-ai,navír-anaursár-ai
    顔-言う-<彼らが>祖先-<〜たちが><〜ない>言う-<彼らが>祖先-<〜たちが>

    「祖先たちは顔で通じ合い、口には語らない。」

    儀礼・系譜の読み上げなどで祖先どうしの通じを述べる、改まった定型句。主語 aursárai「祖先たち」が複数なので動詞は3複の -an をとる。第二節で vír-「言う」の否定を並べ、無言の合図が発語と同格に扱われることを示す。

    ésa dralsnéla aursáres trúum

    読み:エーサ ドラルスネーラ アウルサーレス トルーン

    és-adralsnélaaursár-estrúum
    いる-<(軽いものが)>首布<主格>祖先-<属格>古びた

    「祖先の首布は古びている。」

    書物や家系の記録のような文脈に合う、古い装具を指す文。dralsnéla に属格 aursáres を直後に置いて所有を表す。述語の trúum は物の古びた状態を表す。

解説

亡くなって上へ昇り、天にいる祖先。星は祖先の炉の火と考えられている。生きている年上の親族(anlóur)とは区別される。祖先を指すときは高める語形を添えるのが礼儀で、数詞では数えない(複数 aursárai は「祖先の方々」というひとまとまりの意味)。

文法

名詞(軽性・子音語幹、-ár に強勢)。複 aursárai。数詞・双数はつけない

語源

áurs-(áur-「昇る」の完了語根)+ -ár「〜する人」。「昇りきった者」の意。

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