小説
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道中ご無事で
崖道を下る人を見送るときの挨拶。fláinin「軽く」を添えるのが決まった形。
dulénde fláin, faronár!
読み:ドゥレンデ フライン、ファロナール!
| dulénde | fláin, | faronár! |
| 道中ご無事で | 軽い | 運び人 |
「運び人よ、道中ご無事で。」
崖道の上り口で、荷を担いで下りていく運び人を見送るときの言い方。dulénde はもとは dúl-「下る」の願望法で、fláin「軽く」を添えるのが決まった形。「足取りも魂も軽いまま下りられるように」という含みがある。
dulénde fláin! hóin an glünlúinei.
読み:ドゥレンデ フライン!ホイン アン グリュンルーイネイ。
| dulénde | fláin! | hóin | an | glünlúin-ei. |
| 道中ご無事で | 軽い | 帰る<命令法><あなたが> | 上手 | 凍りの頃-<与格> |
「道中ご無事で。凍りの頃の前に帰ってこいよ。」
縁の市へ下りる家族を見送るときの、くだけた言い方。後半は命令法2人称単数(むき出しの語幹)で、目下や身内への言い方になる。an+与格「〜の上手で」は時間では「〜の前に」を表す。凍りの頃には崖道が凍るので、その前に帰れという意味。
崖道を下りていく人や、縁の市へ発つ人に向ける別れの挨拶。ふつう dulénde fláinin「軽く下りますように」と、形容詞を添えて言う。崖から落ちる死をもっとも恐れる文化なので、「重く(落ちて)ではなく、軽く(歩いて)下りよ」という願いがこもる。運び人や崖道の商人のあいだで交わされることが多い。上へ向かう人にはかわりに aurénde を使う。
dúl-「下る」の願望法・3人称単数・軽性の形が固まったもの。祝福・挨拶の決まり文句なので、目の前の相手に向けた言葉でも2人称の -es ではなく3人称の -e をとる(「その方が〜しますように」)。相手を2人称で直接指さないことで敬意を込める、相手を3人称で言う言い方。
dúl-「下る」+-énd-+-e。
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