小説
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息を伏せ殺す
息を下へ伏せて立ち上らせないようにし、気づかれないように気配を断つ。
dulþól selván nébroi!
読み:ドゥルソール セルヴァーン ネーブロイ!
| dulþól | selv-án | nébr-oi! |
| 息を伏せ殺す<命令法><あなたが> | 息-<対格> | 霧-<与格> |
「霧の中では、息を伏せ殺せ。」
霧の中で気配を断つよう命じる、一人称への日常の命令文。命令の二人称単数はむき出しの語幹で言う。場所としての霧は前置詞を伴わない与格で表す。
dulþóla éndra selván nébroi.
読み:ドゥルソーラ エンドラ セルヴァーン ネーブロイ。
| dulþól-a | éndra | selv-án | nébr-oi. |
| 息を伏せ殺す-<(軽いものが)> | 人<主格> | 息-<対格> | 霧-<与格> |
「人は霧の中で息を伏せ殺す。」
習俗や一般の行為について記す直説法。総称的な主語「人」を軽性の単数として受け、無時制で習慣的な行為を表す。目的語の「息」と場所の与格が文の後半に続く。
「下る」と「息を止める」を複合した動詞。高原では息は本来上へ昇る軽いものと考えられるため、息を殺すとは息を下へ伏せて立ち上らせないこと、という発想をそのまま語形にしている。隠れる、気配を断つ、危険を避ける、人に見つからずに物音をたてる場面で日常に使われる。単に息を止める þól- と違い、息を下へ伏せて音・熱・匂い・息の立ち上りを外へもれぬようにする動作として定着している。
複合動詞。人主語で selván を目的語にとる。完了語根は dulþóol。
dul-「下る」+ þól-「息を止める」。息を上へ昇らせず、下へ伏せるという高原の息観を複合語に残す。
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