小説
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灯を消す
蝋燭・松明の火を意図的に下げる(=消す)。昇るべき灯を地上に戻す、という意味合いを帯びる。
mé dulilán ilánan!
読み:メー ドゥリラーン イラーナン!
| mé | dulilán | ilán-an! |
| <禁止・願いの打ち消し> | 消す<命令法><あなたが> | 灯-<対格> |
「灯を消すな。」
親しい相手への強い禁止。mé に命令法単数のむき出しの語幹を続ける。禁止語 mé は強勢をもつ。
火を消す
炎を伏せる、重くして昇れなくする。
dulilána endríña elþán sé.
読み:ドゥリラーナ エンドリーニャ エルサーン セー。
| dulilán-a | endríña | elþ-án | sé. |
| 消す-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | 火-<対格> | この<軽性> |
「子どもはこの火を消している。」
炉場や家庭での日常文。人の子は軽性なので、3単の語尾は -a。
痕を消す
足跡・印を踏み消す・かき消す。地上に浮き出ているものを「下へ沈める」比喩。
na dulilána lisár símbo sáindares
読み:ナ ドゥリラーナ リサール シンボ サインダレス
| na | dulilán-a | lis-ár | símbo | sáindar-es |
| <〜ない> | 痕を消す-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | 印<対格> | 証文-<属格> |
「書記は証文の印を消さない」
記録・書物の文。否定の na を動詞の前に置く。主語は書記で、主語が軽性なので動詞は3人称単数軽性の -a で一致する。目的語の印が証文に属することを後置の属格で示す。
dulilánim tromó némes
読み:ドゥリラーニン トロモー ネーメス
| dulilán-im | tromó | ném-es |
| 痕を消す-<私が> | 足跡<対格> | <私>-<属格> |
「私は自分の足跡を消す。」
日常会話的な文。痕を消す用法では、灯や火を目的語にとる本来の用法と異なり、足跡・印などの痕跡を目的語に取る。主語の代名詞は語尾に含み、目的語の持ち主を後置の属格で示す。
灯 ilána「灯」を、昇るべきところから下へ下げる、という比喩から来た複合動詞。灯・火・光は軽性の、上へ昇るもの(selvá「息」の見える形)であり、それを消すことは「下へ下げる」こと、つまり重くして昇れなくすることである。蝋燭の火を消す、松明を伏せる、雪の足跡を踏み消す(地上の痕を「下へ沈める」)に使う。森の巫や縁の人々の言葉でよく使われ、都の改まった言葉では「息を伏せる」などの婉曲表現と並んで現れる。
他動詞(複合)。完了語幹は第二要素の a→ai 交替(duliláin-)。命令形は dulilán!。
dúl-「下る」+ilána「灯」
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