小説
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おーい
離れた所にいる人への呼びかけ。
hóu, faronár! dómim, drénim selúin.
読み:ホー、ファロナール!ドーミン、ドレーニン セルーイン。
| hóu, | faronár! | dómim, | drén-im | selúin. |
| おーい | 運び人 | はっ | 参る-<私が> | 今 |
「「おい、運び人!」「はっ、ただいま参ります。」」
二人の発話。呼ばれた目下の者が、目上の人のところへ行くことをへりくだって言う。drén- は gél-「行く」の謙譲の補充形で、規則どおりに du- をつけた形はない。呼びかけは呼格を使わず、職名をそのまま言う。
hóu, senár! tórau dáu faronárau.
読み:ホー、セナール!トーラウ ダウ ファロナーラウ。
| hóu, | senár! | tór-au | dáu | faronár-au. |
| おーい | 番人 | 来る-<双数> | 二 | 運び人-<双数> |
「おーい、番人!運び人が二人来るぞ。」
崖道の口でのくだけた呼びかけ。呼格は使わず、名詞をそのまま呼びかけに使う。dáu「二」の後ろの名詞は双数になり、動詞も双数で受ける。双数の動詞は人称と性を区別しない。
hóu! séir, faronár.
読み:ホー!セール、ファロナール。
| hóu! | séir, | faron-ár. |
| おーい | 待つ<命令法><あなたが> | 荷-<〜する人> |
「おーい!待て、運び人。」
崖道や市で、離れた所にいる運び人を呼び止める言い方。hóu は文頭で独立して叫ぶ。呼びかけの相手は呼格を使わず、役職や職の名を文末に読点で区切って添える。下向きの話し方なので命令法のむき出しの語幹 séir を使う。
hóu! ké dúles du orén?
読み:ホー!ケー ドゥーレス ドゥ オレーン?
| hóu! | ké | dúl-es | du | orén? |
| おーい | <〜か> | 下る-<あなたが> | 下手 | 縁<対格> |
「おーい!縁へ下りるのか?」
谷の向こうや坂の下にいる相手に、大声で行き先を確かめる言い方。はい・いいえの問いは文のいちばん前に ké を置くが、間投詞 hóu はさらにその前に、独立した叫びとして置く。目上の人には使わない、くだけた呼びかけ。
(霧の中の)おい
霧の中で、名前を呼ぶかわりに相手の注意を引く声。
hóu! ké éses? na sénim tásan.
読み:ホー!ケー エーセス?ナ セーニン ターサン。
| hóu! | ké | és-es? | na | sén-im | tás-an. |
| おい | <〜か> | いる-<あなたが> | <〜ない> | 見る-<私が> | <あなた>-<対格> |
「おい!いるのか?お前が見えない。」
霧期に、名前を呼ぶかわりに hóu で相手の注意を引く言い方。霧の中で名前を呼ぶと名前の主が下の国に引かれるとされるので、名前のかわりにこの声を使う。はい・いいえの問いは文のいちばん前の ké で作る。
hóu! mé hál þelán némes!
読み:ホー!メー ハール セラーン ネーメス!
| hóu! | mé | hál | þel-án | ném-es! |
| おい | <禁止・願いの打ち消し> | 呼ぶ<命令法><あなたが> | 名前-<対格> | <私>-<属格> |
「おい!俺の名を呼ぶな!」
霧の中で自分の名を呼ばれたときに、たしなめる言い方。禁止は「mé+命令法」。þelá は語尾に強勢のある軽性a語幹なので、対格は þelán になる。霧の中では hóu や té「そこの方」で呼びかけるのが決まりなので、hóu がそのまま禁忌を守った呼びかけになっている。
hóu, mé þréun.
読み:ホー、メー スレウン。
| hóu, | mé | þréun |
| おい | <禁止・願いの打ち消し> | よろける<命令法><あなたが> |
「おい、よろけるな。」
くだけた警告。禁止は mé+命令法で、命令法の2単は語幹のみ。不随意の動作を禁じる物言いなので、目上や改まった場では避けられる。
遠くの人に呼びかける声。峡谷の向こう岸や崖道の上下にいる人、霧の中の人を呼ぶときに使う。霧の中で名前を大声で呼ぶのは禁忌なので、霧期にはこの語と té「そこの方」が名前のかわりになる。目上の人に向けて使うのは無作法とされる。日本語話者には「ホー」と聞こえやすい。
hóu! þréela faronár.
読み:ホー!スレーラ ファロナール。
| hóu! | þréel-a | faronár |
| おい! | 振り返る<〜し終えた>-<(軽いものが)> | 運び人<主格> |
「おい!運び人が振り向いた。」
呼びかけに気づいて体を回す場面。完了相は語根 þrel- の e を ee に変えた þréel-。主語 faronár は人なので軽性、動詞は3人称単数・軽性 -a を受ける。gloss では呼びかけ hóu! を独立語として区切った。
活用しない。語末を長く引いて言うことが多い。
古高原語 *hóu から
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