小説
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蝋燭
蜜蝋で作った蝋燭。
lúin tóro nébro, élþa kéira.
読み:ルーイン トーロ ネーブロ、エルサ ケーラ。
| lúin | tór-o | nébro, | élþ-a | kéira. |
| とき | 来る-<(重いものが)> | 霧<主格> | 燃える-<(軽いものが)> | 蝋燭<主格> |
「霧が来ると、蝋燭がともる。」
霧期の暮らしを述べる文。霧 nébro は重性なので、動詞は重性の -o をとる。蝋燭 kéira は軽性なので、動詞は軽性の -a をとる。lúin の節は主節の前に置く。
élþa kéira sé.
読み:エルサ ケーラ セー。
| élþ-a | kéira | sé. |
| 燃える-<(軽いものが)> | 蝋燭<主格> | この<軽性> |
「この蝋燭が燃えている。」
目の前の明かりを指して言う文。kéira は軽性なので、動詞は -a、指示詞は軽性の sé になる。指示詞は名詞の後ろに置く。蜜蝋の蝋燭は宮廷の明かりとして使われる。
蜜蝋
蝋燭の材料としての蝋そのもの。交易の品目名として帳簿に書かれる。
dúla kéira du orén.
読み:ドゥーラ ケーラ ドゥ オレーン。
| dúl-a | kéira | du | orén. |
| 下る-<(軽いものが)> | 蜜蝋<主格> | 下手 | 縁<対格> |
「蜜蝋が縁へ下りていく。」
交易の品としての蜜蝋が、下ろし荷として崖道を下っていく様子を述べる文。この意味の kéira は、蝋燭の形になっていない材料の蝋を指す。du+対格で「下手へ」の意味になる。
ésau kéira si méldo némei.
読み:エーサウ ケーラ シ メルド ネーメイ。
| és-au | kéira | si | méldo | ném-ei. |
| いる-<双数> | 蜜蝋<主格> | と | 蜜<主格> | <私>-<与格> |
「私には蜜蝋と蜜がある。」
商人が手元の品を言う所有の文。所有は「持つ」という動詞を使わず、「ある+持ち主の与格」で言う。単数のもの二つを si で並べたので、動詞は双数 ésau になる。蜜蝋と蜜は、下ろし荷として並んで扱われることが多い。
蜜蜂の蝋で作った蝋燭。宮廷の明かりであり、下ろし荷として干潟にも売られる。炎を上げて燃えるものなので軽性。庶民の明かりは脂の木の松明で、蝋燭は身分の高い家のものとされる。
軽性・a語幹(語根に強勢)。対 kéiran、属 kéires、複 kéirai。量の名詞は báron「本」。
古高原語 *kéira- から。基本の名詞で、派生・複合の構造は確認できない。
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