小説
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クランボーラ
旧道の、上から二つ目の岩棚。「崖山羊の棚」。
ké sénes krambóra?
読み:ケー セーネス クランボーラ?
| ké | sén-es | krambóra? |
| <〜か> | 見る-<あなたが> | クランボーラ<対格> |
「クランボーラが見えるか?」
旧道の上から二つ目の岩棚を尋ねる日常会話。ké を文頭に置いてはい/いいえの問いを作る。sén-「見る」の2人称単数形。krambóra は旧地名 *-óra の土地名として重性扱いとし、対格は主格と同形で語尾が立たない。funelór 周辺では語末 a を発音し、他では krambór とも言う。
lúin áurau sílarau, gélau némor dáun du krambóra.
読み:ルーイン アウラウ シーララウ、ゲーラウ ネーモル ダウン ドゥ クランボーラ。
| lúin | áur-au | sílar-au, | gél-au | némor | dáun | du | krambóra. |
| とき | 昇る-<双数> | 月-<双数> | 行く-<双数> | <我々> | 二人 | 下手 | クランボーラ<対格> |
「二つの月が昇ると、我ら二人はクランボーラへ下っていく。」
道筋や季節を記す書物的な文。lúin 節は読点で主節と区切る。双数の動詞 áurau・gélau は人称を表さないが、主節の némor が加わって話し手を含む二人であることがわかる。du + 対格で下手・南方向への動きを示す。krambóra は固有名詞として、対格でも語尾が立たない。
旧道の上から二つ目の岩棚。崖山羊がよく群れることからの名。今も崖山羊が行き来する。旧道の岩棚の名はどれも古い場所の接尾辞 *-óra を含む。荷担ぎ歌と funelór の年長者の言い方では語末の a まで言う。
固有名詞。重性(岩棚は地上の石なので)。綴りは〈krambora〉。 属 krambóros、与 krambóroi。
krámbo「崖山羊」+古い場所の接尾辞 *-óra。「崖山羊の棚」。*-óra は地名にだけ残る(funelór と同じ)。
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