kumbór

品詞
名詞
意味
青銅
発音
[kumˈbor]
読み
クンボール
分野
生活・道具・衣食住

意味

  1. 青銅

    銅と錫の合金。

    sén kumbór só, ende. pómbar?

    読み:セーン クンボール ソー、エンデ。ポンバル?

    sénkumbórsó,ende.pómbar?
    見る<命令法><あなたが>青銅この<重性>どうぞどれほど

    「この青銅を見てくれ、頼む。どれほどだ?」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹で使い、格語尾は落とす。最後の pómbar? は、目方や値を尋ねる決まった言い方で、これだけで使う。kumbór は金属なので重性になり、指示詞も重性の só をとる。

    lúin áurau sílarau, fluunésa kumbór.

    読み:ルーイン アウラウ シーララウ、フルーネーサ クンボール。

    lúináur-ausílar-au,fluun-és-akumbór.
    とき昇る-<双数>月-<双数>清める-<〜すべし>-<(軽いものが)>青銅<対格>

    「二つの月が昇るときには、青銅を清めるべし。」

    作法書や詞に見られる当為法の文。強勢は -és- に移り、語根の ´ は消える。主語を言わないので「人は〜すべし」の意味で、軽性の -a をとる。月は星ではないので双数で言える。二つの月が重なる夜は秩序が乱れる夜とされ、祀りの器を清める。

    áura tíula kumbóros an élvaran.

    読み:アウラ ティーウラ クンボーロス アン エルヴァラン。

    áur-atíulakumbór-osanélvar-an.
    昇る-<(軽いものが)>音<主格>青銅-<属格>上手天-<対格>

    「青銅の音は天へ昇る。」

    祭祀や鈴の護符について言う決まり文句。音は「上へ昇る軽いもの」なので tíula は軽性で、動詞も -a をとる。青銅 kumbór は重性なので、属格は -os になる。an+対格で「上手へ」。

    mé kráil kumbór fóum, endríña!

    読み:メー クライル クンボール フォーン、エンドリーニャ!

    mékráilkumbórfóum,endríña!
    <禁止・願いの打ち消し>手に持つ<命令法><あなたが>青銅<対格>暖かい子ども

    「熱い青銅を手に持つな、子どもよ!」

    火や鋳たばかりの金属について言うときは、fóum は「熱い」の意味になる。禁止は mé+命令法で表す。呼びかけは呼格を使わず、文の終わりに読点で区切って添える。

    luuménde aurél kumbór ámbel só.

    読み:ルーメンデ アウレール クンボール アンベル ソー。

    luum-énd-eaurélkumbórámbelsó.
    ご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)>あの方<主格>青銅<対格>金色のこの<重性>

    「あの方に、この金色の青銅をご覧いただきたく存じます。」

    上向きの依頼で、尊敬の補充形 lúum- の願望法を使う。青銅 kumbór は金属なので重性で、指示詞も重性の só になる。鋳物師の家の使いが器を差し出すような改まった場面の言い方。

    kráila kelár tálmo kumbóros.

    読み:クライラ ケラール タルモ クンボーロス。

    kráil-akel-ártálmokumbór-os.
    手に持つ-<(軽いものが)>伐る-<〜する人>斧<対格>青銅-<属格>

    「樵は青銅の斧を手に持つ。」

    tálmo は重性o語幹の名詞で、主格と対格が同じ形になる。この文で tálmo が目的語だとわかるのは、VSO の語順による。材料を表す属格 kumbóros は名詞の後ろに置く。主語の kelár は人なので軽性で、動詞は -a をとる。

    éso kumbór krán.

    読み:エーソ クンボール クラーン。

    és-okumbórkrán.
    いる-<(重いものが)>青銅<主格>硬い

    「青銅は硬い。」

    繋辞の文で、és- を文頭に置く。kumbór は金属なので重性で、繋辞は -o、述語の形容詞 krán は重性・単数・主格の形(語尾なし)になる。素材としての青銅を総称して言っている。

    sén kumbór, ende.

    読み:セーン クンボール、エンデ。

    sénkumbór,ende.
    見る<命令法><あなたが>青銅どうぞ

    「青銅を見てくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。地金として売る青銅の質を確かめてもらうときの言い方。動詞は語幹をむき出しにした形で使い、最後に ende を添える。取引言葉では格の語尾が落ちる。ただし kumbór は重性なので、もともと主格と対格が同じ形である。

    lúuma aldár áuren meiró kumbóros.

    読み:ルーマ アルダール アウレン メイロー クンボーロス。

    lúum-aaldáráur-enmeirókumbór-os.
    ご覧になる-<(軽いものが)>座<主格>昇る-<〜した・〜された>貢ぎ物<対格>青銅-<属格>

    「高き座は青銅の貢ぎ物をご覧になった。」

    年代記のような書き言葉の文。lúum- は「見る」の尊敬の補充形。時制がないので「ご覧になる」とも「ご覧になった」とも読める。書き言葉では aldár áuren を上げ書きにする。

    þrándir kumbór só!

    読み:スランディル クンボール ソー!

    þránd-irkumbórsó
    打つ-<皆で〜せよ>青銅<対格>この<重性>

    「この青銅を打ち直せ。」

    作業場での指示。命令法複数では語幹 þránd- に -ir をつける。青銅は重性名詞で、対格は無標示。

    éso krailó ível kumbóros só.

    読み:エーソ クライロー イーヴェル クンボーロス ソー。

    és-okrailóívelkumbór-ossó.
    いる-<(重いものが)>持ち部<主格>新しい青銅-<属格>この<重性>

    「ここに、この新しい青銅の持ち部がある。」

    日常の道具の場面。存在の文 éso は、重性の主語 krailó に一致する。krailó は重性o語幹の単数主格で、対格も同じ形。形容詞 ível(新しい)と材料を示す属格 kumbór-os を伴い、重性の指示詞 só が名詞句を閉じる。意味2では、単なる取っ手ではなく、正式な持ち部を示す語として用いられる。

    lúin lóima ilanár virán, elþaséna senár kumbór.

    読み:ルーイン ロイマ イラナール ヴィラーン、エルサセーナ セナール クンボール。

    lúinlóim-ailanárvir-án,elþasén-asenárkumbór.
    とき唱える-<(軽いものが)>星読み<主格>言葉-<対格>,疵を確かめる-<(軽いものが)>目付<主格>青銅<対格>

    「星読みが詞を唱えるとき、目付は青銅を火に透かして疵を確かめる。」

    lúin は時の節を導き、節内も VSO。lóima は他動詞なので目的語枠を空けず、virán「ことば/詞」で埋める。lóima は主語 ilanár に一致し、elþaséna は senár に一致する。kumbór は重性なので対格語尾がない。

    prambéra lisár kumbór só

    読み:プランベーラ リサール クンボール ソー

    prambér-alisárkumbórsó
    品定めする-<(軽いものが)>書記<主格>青銅<対格>この<重性>

    「書記は、この青銅を品定めする。」

    主語は人なので動詞は軽性3人称単数。目的語の kumbór は重性名詞で、対格語尾をもたない。指示詞 só も重性単数で、名詞の後ろに置く。

    prálan trúndul si kumbórul.

    読み:プラーラン トルンドゥル シ クンボールル。

    prál-antrúnd-ulsikumbór-ul.
    ぶつかる-<彼らが>杭-<〜たちが>と青銅-<〜たちが>

    「杭と青銅の塊とがぶつかり合った。」

    ぶつかり合う意味では、物の複数や群れを si で並べて主語にする。複数主語には動詞の3人称複数語形 -an をつける。

    éso snelíño kumbóros só kórvoi.

    読み:エーソ スネリーニョ クンボーロス ソー コルヴォイ。

    és-osnelíñokumbór-ossókórv-oi.
    いる-<(重いものが)>蓋<主格>青銅-<属格>この<重性>倉-<与格>

    「この青銅の蓋が倉にある。」

    存在・在庫を記す場面のような文。青銅製の蓋を指すため、指示詞は重性の só、存在動詞も重性の éso になる。名詞句は「蓋+材料の属格+指示詞」の語順。

    éso dulsúm kumbóroi

    読み:エーソ ドゥルスーン クンボーロイ

    és-odulsúmkumbór-oi
    いる-<(重いものが)>錆<主格>青銅-<与格>

    「青銅に錆がある。」

    存在文。所在は裸与格 kumbóroi で示す。dulsúm は金属に沈殿する重いものとして重性名詞扱いになり、存在動詞は -o で受ける。語域は中性で、日常の検査にも記録にも使える。

    kráilim dulsúm kumbóros só

    読み:クライリン ドゥルスーン クンボーロス ソー

    kráil-imdulsúmkumbór-ossó
    手に持つ-<私が>錆<対格>青銅-<属格>この<重性>

    「この青銅の錆を手に取る。」

    目的語の dulsúm は重性単数で対格無標識。指示詞 só は中心名詞 dulsúm に一致し、名詞句の末尾に置く。属格 kumbóros は材料・由来を示す。

    un kumbóroi, snourwéinau dulsúm si þéum.

    読み:ウン クンボーロイ、スノウルウェーナウ ドゥルスーン シ セウン。

    unkumbór-oi,snourwéin-audulsúmsiþéum.
    内に青銅-<与格>現れる-<双数>錆<主格>と色づき<主格>

    「青銅では、錆と色づきとが現れる。」

    金属の表面に起る変化を語る文。前置詞句 un kumbóroi が文頭の場面の枠。二つの単数名詞を si で並べると動詞は双数。þéumo は見出し語 þéum に重性o語幹の語尾 -o が付いた単数主格で、形態素分離は þéum-o。

  2. 青銅器

    鋳造された器や鐘をまとめて指す。下ろし荷の品目名として使う。

    dulíþan faronárai kumbórul du orén.

    読み:ドゥリーサン ファロナーライ クンボールル ドゥ オレーン。

    dul-íþ-anfaron-ár-aikumbór-ulduorén.
    下る-<〜させる>-<彼らが>荷-<〜する人>-<〜たちが>青銅器-<〜たちを>下手縁<対格>

    「運び人たちが青銅器を縁へ下ろしていく。」

    下ろし荷の品目としての kumbór。器の一つ一つを指すときは、重性の複数 kumbórul(主格・対格が同じ形)を使う。使役の -íþ- は、後ろに強勢をもつ接辞がないので、自分で強勢をとる。

    méiran orenvandárai sáko, méirimor kumbórul.

    読み:メーラン オレンヴァンダーライ サーコ、メーリモル クンボールル。

    méir-anorenvandár-aisáko,méir-imorkumbór-ul.
    与える-<彼らが>縁商人-<〜たちが>塩<対格>与える-<我々が>青銅器-<〜たちを>

    「縁商人は塩を出し、我々は青銅器を出す。」

    取引の取り決めを述べる文。二つの主節を接続詞なしで並べ、読点で区切っている。上げ荷の塩と下ろし荷の青銅器を対にして言うのは、帳簿の見開きの書き方にも通じる言い回しである。

解説

銅と錫を合わせて鋳た青銅。器、鐘、分銅、斧の刃などを作る。地の底から掘り出した重い石を火で輝く金属に変えたものとして尊ばれるが、金属なので文法上は重性。鋳物師は kumborár と呼ばれる。

文法

重性・子音語幹。綴り〈kumboro〉。属 kumbóros、与 kumbóroi。

語源

古高原語 *kumbóro から。古い語末母音の脱落で -o が落ちた(綴りには残る)。鋳物師 kumborár は -ár「〜する人」を名詞につけた派生語。

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