小説
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指さす
指で人や物の方向を示す。
áura ilána, mé ombér!
読み:アウラ イラーナ、メー オンベール!
| áur-a | ilána, | mé | ombér! |
| 昇る-<(軽いものが)> | 星<主格> | <禁止・願いの打ち消し> | 指さす<命令法><あなたが> |
「星が昇る。指さすな。」
親が子に言い聞かせる禁止の決まり文句。昇ってくる一つの星を言うので単数の ilána を使う。禁止は「mé+命令法」で言う。星は祖先の炉の火とされ、指さすことは禁忌である。
mé ombér ausenáran!
読み:メー オンベール アウセナーラン!
| mé | ombér | au-sen-ár-an! |
| <禁止・願いの打ち消し> | 指さす<命令法><あなたが> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>-<対格> |
「目付殿を指さすな!」
親が子どもをたしなめるときの禁止。「mé+命令法」で禁止を表し、mé は強勢をもつ。ombér- は ómbo「指」に -ér- がついた動詞で、命令法2人称単数は語幹そのままになる。目上の人に指を突きつけるのは、星を指さすのと同じ理屈で無礼とされる。目付は目上なので、目的語でも au- をつけたままにする。
pón ombéres? ombérim fáron só.
読み:ポーン オンベーレス?オンベーリン ファーロン ソー。
| pón | ombér-es? | ombér-im | fáron | só. |
| 何<対格> | 指さす-<あなたが> | 指さす-<私が> | 荷<対格> | この<重性> |
「「何を指さしている?」「この荷を指さしている。」」
二人の発話。高原語には「はい」がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて答える。ombér- は ómbo「指」に -ér- がついてできた動詞。物を指さすのは禁忌に当たらない。
áura ilána, mé ombér, lamér.
読み:アウラ イラーナ、メー オンベール、ラメール。
| áur-a | ilána, | mé | ombér, | lamér. |
| 昇る-<(軽いものが)> | 灯<主格> | <禁止・願いの打ち消し> | 指さす<命令法><あなたが> | 掌を差し上げる<命令法><あなたが> |
「星が昇る。指さすな、掌を差し上げよ。」
星を指さすのは禁忌なので、手のひらを上に向けて目の高さより上へ差し上げ、視線で方向を示すよう子どもに教える言い方。ilána は軽性なので、動詞は -a をとる。lamér- は lámo「掌」に -ér- がついてできた動詞で、命令形は語幹そのままの lamér。
ombéra endríña aurán te áura an dún.
読み:オンベーラ エンドリーニャ アウラーン テ アウラ アン ドゥーン。
| ombér-a | endríña | aur-án | te | áur-a | an | dún. |
| 指さす-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | 縁鷲-<対格> | <関係節> | 昇る-<(軽いものが)> | 上手 | 丘<対格> |
「子どもが、丘の上手へ昇っていく縁鷲を指さす。」
鳥を指さすのはかまわない。指さすのが禁じられているのは、星と目上の人。aurá は語尾に強勢のあるa語幹なので、対格は aurán。関係節は te で始まり、主語の抜けた穴は空けたままにする。dún「丘」は重性なので、an の後ろの対格も主格と同じ形になる。
dúla dulána, mé ombérir!
読み:ドゥーラ ドゥラーナ、メー オンベーリル!
| dúl-a | dulána, | mé | ombér-ir! |
| 下る-<(軽いものが)> | 流れ星<主格> | <禁止・願いの打ち消し> | 指さす-<皆で〜せよ> |
「流れ星だ。皆、指をさすな!」
夜空を見上げた場面での、日常の叫び。流れ星は上から何かが下りてくるしるしとして警戒され、星を指さすことも禁忌とされる。そのため、流れ星を見た人はまず指さしを止めさせる。禁止は「mé+命令法」。dulána は星を指す語なので、数詞や双数をつけて数えることはしない。
mé ombér selmán!
読み:メー オンベール セルマーン!
| mé | ombér | selm-án! |
| <禁止・願いの打ち消し> | 指さす<命令法><あなたが> | 太陽-<対格> |
「太陽を指さすな。」
太陽をじかに指さすのは粗末な振る舞いとされるため、子どもや身内に注意する際によく言う文。禁止は否定小辞 mé を動詞の前に置き、命令法の動詞を続ける。目的語の selmán は、軽性a語幹の語根 selm- に単数対格の語尾 -án を付けた形で、形態素境界は selm-án と切る。
名指しする
人を名指しして咎める。
ombéra senár faronáran ré dulíþa fáron es orénos.
読み:オンベーラ セナール ファロナーラン レー ドゥリーサ ファーロン エス オレーノス。
| ombér-a | senár | faronár-an | ré | dul-íþ-a | fáron | es | orén-os. |
| 名指しする-<(軽いものが)> | 目付<主格> | 運び人-<対格> | <〜と(節)> | 下る-<〜させる>-<(軽いものが)> | 荷<対格> | から | 縁-<属格> |
「目付は、縁から荷を落としたと運び人を名指しで咎める。」
人を名指しして咎める意味。ré の後ろの節で、何を咎めたかを言う。縁の市の目付が揉め事を裁く場面の言い方。
mé omberénde ausenár néman.
読み:メー オンベレンデ アウセナール ネーマン。
| mé | omber-énd-e | au-senár | ném-an. |
| <禁止・願いの打ち消し> | 名指しする-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-目付 | <私>-<対格> |
「目付殿、どうか私を名指しなさいませぬよう。」
上向きの話し方。相手を2人称で呼ばず、ausenár「目付殿」を3人称の主語にする。命令法ではなく願望法を使い、mé で否定して「〜なさいませぬよう」と願う。願望法では3人称単数・軽性の語尾が -e になる。
指で指し示す。人や物を指すふつうの所作だが、星や目上の人を指さすことは禁じられる(mé ombéres ilánais!「星を指さすな」)。比喩で、人を名指しして責める意味にもなる。
動詞・他動詞。完了語根 ombéer-。
ómbo「指」+名詞から動詞を作る -ér-。
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