ombér-

品詞
動詞
意味
指さす
発音
[omˈber]
読み
オンベール
分野
身体

意味

  1. 指さす

    指で人や物の方向を示す。

    áura ilána, mé ombér!

    読み:アウラ イラーナ、メー オンベール!

    áur-ailána,méombér!
    昇る-<(軽いものが)>星<主格><禁止・願いの打ち消し>指さす<命令法><あなたが>

    「星が昇る。指さすな。」

    親が子に言い聞かせる禁止の決まり文句。昇ってくる一つの星を言うので単数の ilána を使う。禁止は「mé+命令法」で言う。星は祖先の炉の火とされ、指さすことは禁忌である。

    mé ombér ausenáran!

    読み:メー オンベール アウセナーラン!

    méombérau-sen-ár-an!
    <禁止・願いの打ち消し>指さす<命令法><あなたが><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>-<対格>

    「目付殿を指さすな!」

    親が子どもをたしなめるときの禁止。「mé+命令法」で禁止を表し、mé は強勢をもつ。ombér- は ómbo「指」に -ér- がついた動詞で、命令法2人称単数は語幹そのままになる。目上の人に指を突きつけるのは、星を指さすのと同じ理屈で無礼とされる。目付は目上なので、目的語でも au- をつけたままにする。

    pón ombéres? ombérim fáron só.

    読み:ポーン オンベーレス?オンベーリン ファーロン ソー。

    pónombér-es?ombér-imfáronsó.
    何<対格>指さす-<あなたが>指さす-<私が>荷<対格>この<重性>

    「「何を指さしている?」「この荷を指さしている。」」

    二人の発話。高原語には「はい」がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて答える。ombér- は ómbo「指」に -ér- がついてできた動詞。物を指さすのは禁忌に当たらない。

    áura ilána, mé ombér, lamér.

    読み:アウラ イラーナ、メー オンベール、ラメール。

    áur-ailána,méombér,lamér.
    昇る-<(軽いものが)>灯<主格><禁止・願いの打ち消し>指さす<命令法><あなたが>掌を差し上げる<命令法><あなたが>

    「星が昇る。指さすな、掌を差し上げよ。」

    星を指さすのは禁忌なので、手のひらを上に向けて目の高さより上へ差し上げ、視線で方向を示すよう子どもに教える言い方。ilána は軽性なので、動詞は -a をとる。lamér- は lámo「掌」に -ér- がついてできた動詞で、命令形は語幹そのままの lamér。

    ombéra endríña aurán te áura an dún.

    読み:オンベーラ エンドリーニャ アウラーン テ アウラ アン ドゥーン。

    ombér-aendríñaaur-ánteáur-aandún.
    指さす-<(軽いものが)>子ども<主格>縁鷲-<対格><関係節>昇る-<(軽いものが)>上手丘<対格>

    「子どもが、丘の上手へ昇っていく縁鷲を指さす。」

    鳥を指さすのはかまわない。指さすのが禁じられているのは、星と目上の人。aurá は語尾に強勢のあるa語幹なので、対格は aurán。関係節は te で始まり、主語の抜けた穴は空けたままにする。dún「丘」は重性なので、an の後ろの対格も主格と同じ形になる。

    dúla dulána, mé ombérir!

    読み:ドゥーラ ドゥラーナ、メー オンベーリル!

    dúl-adulána,méombér-ir!
    下る-<(軽いものが)>流れ星<主格><禁止・願いの打ち消し>指さす-<皆で〜せよ>

    「流れ星だ。皆、指をさすな!」

    夜空を見上げた場面での、日常の叫び。流れ星は上から何かが下りてくるしるしとして警戒され、星を指さすことも禁忌とされる。そのため、流れ星を見た人はまず指さしを止めさせる。禁止は「mé+命令法」。dulána は星を指す語なので、数詞や双数をつけて数えることはしない。

    mé ombér selmán!

    読み:メー オンベール セルマーン!

    méombérselm-án!
    <禁止・願いの打ち消し>指さす<命令法><あなたが>太陽-<対格>

    「太陽を指さすな。」

    太陽をじかに指さすのは粗末な振る舞いとされるため、子どもや身内に注意する際によく言う文。禁止は否定小辞 mé を動詞の前に置き、命令法の動詞を続ける。目的語の selmán は、軽性a語幹の語根 selm- に単数対格の語尾 -án を付けた形で、形態素境界は selm-án と切る。

  2. 名指しする

    人を名指しして咎める。

    ombéra senár faronáran ré dulíþa fáron es orénos.

    読み:オンベーラ セナール ファロナーラン レー ドゥリーサ ファーロン エス オレーノス。

    ombér-asenárfaronár-anrédul-íþ-afáronesorén-os.
    名指しする-<(軽いものが)>目付<主格>運び人-<対格><〜と(節)>下る-<〜させる>-<(軽いものが)>荷<対格>から縁-<属格>

    「目付は、縁から荷を落としたと運び人を名指しで咎める。」

    人を名指しして咎める意味。ré の後ろの節で、何を咎めたかを言う。縁の市の目付が揉め事を裁く場面の言い方。

    mé omberénde ausenár néman.

    読み:メー オンベレンデ アウセナール ネーマン。

    méomber-énd-eau-senárném-an.
    <禁止・願いの打ち消し>名指しする-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-目付<私>-<対格>

    「目付殿、どうか私を名指しなさいませぬよう。」

    上向きの話し方。相手を2人称で呼ばず、ausenár「目付殿」を3人称の主語にする。命令法ではなく願望法を使い、mé で否定して「〜なさいませぬよう」と願う。願望法では3人称単数・軽性の語尾が -e になる。

解説

指で指し示す。人や物を指すふつうの所作だが、星や目上の人を指さすことは禁じられる(mé ombéres ilánais!「星を指さすな」)。比喩で、人を名指しして責める意味にもなる。

文法

動詞・他動詞。完了語根 ombéer-。

語源

ómbo「指」+名詞から動詞を作る -ér-。

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