小説
左の目次から話を選んでください。
ライマル
氏族の始祖の名、またその源から流れ下る家系の名。
duþélim sélvanan, an fóndaros ráimaros dúlenan dáumbar téir lóurul, dúlenan fáir þrénul.
読み:ドゥセーリン セルヴァナン、アン フォンダロス ライマロス ドゥーレナン ダウンバル テール ロールル、ドゥーレナン ファイル スレーヌル。
| du-þél-im | sélvan-an, | an | fóndar-os | ráimar-os | dúl-en-an | dáumbar | téir | lóur-ul, | dúl-en-an | fáir | þrén-ul |
| <〜させていただく>-名乗る-<私が> | セルヴァン-<対格> | 上手 | 源-<属格> | ライマル-<属格> | 下る-<〜した・〜された>-<軽性・対格> | 二十 | 三 | 瀬-<〜たちを> | 下る-<〜した・〜された>-<軽性・対格> | 四 | 段-<〜たちを> |
「ライマルの源から二十三瀬下りた、四段下りの者、セルヴァンと名乗らせていただきます。」
改まった場での名乗り。固有名も小文字で書く。分詞 dúlenan は二度とも、名前の sélvanan(軽性・単数・対格)に一致している。lóurul と þrénul は道のりの対格。瀬と段は語が違うので、どちらが世代でどちらが身分かがすぐにわかる。
tóra sélvan ráimaros es dáloros.
読み:トーラ セルヴァン ライマロス エス ダーロロス。
| tór-a | sélvan | ráimar-os | es | dálor-os. |
| 来る-<(軽いものが)> | セルヴァン<主格> | ライマル-<属格> | から | 下の国-<属格> |
「ライマル家のセルヴァンが下の国から来た。」
名+家名の属格のフルネーム。名は人なので動詞は軽性の -a で受け、家名は源の名なので重性の属格 -os になる。
ké éses an fóndaros ráimaros? ésim.
読み:ケー エーセス アン フォンダロス ライマロス?エーシン。
| ké | és-es | an | fóndar-os | ráimar-os? | és-im. |
| <〜か> | いる-<あなたが> | 上手 | 源-<属格> | ライマル-<属格> | いる-<私が> |
「「お前はライマルの源の流れか?」「そうだ。」」
二人の発話。同じ段か目下の相手に、どの家系の者かを尋ねている。ké と2人称を使っているので、目上の人には使えない。高原語には「はい」にあたる語がないので、動詞を1人称に言い換えて ésim と答える。氏族の名 ráimar は重性で、属格 ráimaros の形で fóndar の後ろに置く。
fóndaro ráimaros, léunim þeláis aursárar.
読み:フォンダロ ライマロス、レウニン セライス アウルサーラル。
| fóndar-o | ráimar-os, | léun-im | þel-áis | aursár-ar. |
| 源-<〜よ> | ライマル-<属格> | 申す-<私が> | 名前-<〜たちを> | 祖先-<〜らの> |
「ライマルの源よ、祖先たちの名を申し上げます。」
系譜読みが系譜を唱えはじめるときの決まった呼びかけ。呼格は日常では使わず、古い詩と系譜の唱えにだけ残っている。重性の fóndar は呼格で fóndaro になる。léun- は「言う」の謙譲の補充形で、祖先に対して自分を低めている。
ésa sélvan dúlen dáumbar lóurul an fóndaros ráimaros.
読み:エーサ セルヴァン ドゥーレン ダウンバル ロールル アン フォンダロス ライマロス。
| és-a | sélvan | dúl-en | dáumbar | lóur-ul | an | fóndar-os | ráimar-os. |
| いる-<(軽いものが)> | セルヴァン<主格> | 下る-<〜した・〜された> | 二十 | 瀬-<〜たちを> | 上手 | 源-<属格> | ライマル-<属格> |
「セルヴァンは、ライマルの源から二十瀬下った者である。」
ある人の世代を、第三者として述べる改まった文。序数を使わず、「分詞 dúlen+数詞+瀬の複数対格(道のりの対格)」で言う。分詞は主語 sélvan(軽性・単数・主格)に一致するので、語尾がつかない。瀬の数が多いのは誉れとされる。
áura ilána ráimaros an álmarei.
読み:アウラ イラーナ ライマロス アン アルマレイ。
| áur-a | ilána | ráimar-os | an | álmar-ei. |
| 昇る-<(軽いものが)> | 祖先の星<主格> | ライマル-<属格> | 上手 | 白月-<与格> |
「ライマルの星が、白月の上手に昇る。」
祖先の星は、単数の ilána の後ろに祖先の名を属格で添えて呼ぶ(名前のある一つの星なので、単数で指してよい)。星の位置は指さずに、「an+与格」で白月との位置関係として言う。系譜読みや星読みが、夜の時刻や祖先の祀りについて語るときの言い方。
dúlim dáumbar téir lóurul an fóndaros ráimaros.
読み:ドゥーリン ダウンバル テール ロールル アン フォンダロス ライマロス。
| dúl-im | dáumbar | téir | lóur-ul | an | fóndar-os | ráimar-os. |
| 下る-<私が> | 二十 | 三 | 世代-<〜たちを> | 上手 | 源-<属格> | ライマル-<属格> |
「私はライマルの源から二十三瀬下った者だ。」
自分の世代を言う、ふつうの話し方の文。改まった名乗りでは謙譲の動詞と分詞 dúlenan を使うが、ここでは直説法の動詞 dúlim を使う。lóurul は道のりの対格で、「何世代下ったか」を表す。身分の段 þrén と語が違うので、世代の話だとすぐにわかる。
lóima lourvirár þeláis an fóndaros ráimaros.
読み:ロイマ ロウルヴィラール セライス アン フォンダロス ライマロス。
| lóim-a | lourvirár | þel-áis | an | fóndar-os | ráimar-os. |
| 唱える-<(軽いものが)> | 系譜読み | 名前-<〜たちを> | 〜から | 源-<属格> | ライマル-<属格> |
「系譜読みが、ライマルの源から名を唱えていく。」
婚姻や祖先祀りで系譜を唱える場面の文。an+属格は「上手から」の出どころを表す。系譜は源から下へ流れるものなので、始祖からの起点は es ではなく an で言うのが改まった言い方になる。
ké éses es ráunos ráimaros? ésim.
読み:ケー エーセス エス ラウノス ライマロス?エーシン。
| ké | és-es | es | ráun-os | ráimar-os? | és-im. |
| <〜か> | いる-<あなたが> | から | 流れ-<属格> | ライマル-<属格> | いる-<私が> |
「「お前はライマルの流れの者か?」「そうだ。」」
二人の発話。「〜の流れの者である」を、és-+es+流れの属格で「〜の流れから出ている」と言う。答えには「はい」にあたる語を使わない。動詞を自分の人称(1人称単数 ésim)に変えて繰り返す。2人称と ké を使っているので、同じ段か下の者への問いになる。
éso fóndar ráimaros þéul ráunos némes.
読み:エーソ フォンダル ライマロス セウル ラウノス ネーメス。
| és-o | fóndar | ráimar-os | þéul | ráun-os | ném-es. |
| いる-<(重いものが)> | 源<主格> | ライマル-<属格> | 清い始まり<主格> | 流れ-<属格> | <私>-<属格> |
「ライマルの源こそ、我が流れの清き始まりである。」
系譜読みが家系を唱えるときの言い方。系譜を川の流れにたとえ、始祖を「まだ濁っていない湧き水」と言い表している。主語の fóndar が重性なので、繋辞は -o をとる。þéul はここでは比喩の意味で、名詞の述語になっている。
duþélim sélvanan, an fóndaros móros ráimaros dúlenan téir lóurul.
読み:ドゥセーリン セルヴァナン、アン フォンダロス モーロス ライマロス ドゥーレナン テール ロールル。
| du-þél-im | sélvan-an, | an | fóndar-os | mór-os | ráimar-os | dúl-en-an | téir | lóur-ul. |
| <〜させていただく>-名乗る-<私が> | セルヴァン-<対格> | 上手 | 源-<属格> | 偉大な-<重性・属格> | ライマル-<属格> | 下る-<〜した・〜された>-<軽性・対格> | 三 | 瀬-<〜たちを> |
「偉大なるライマルの源から三瀬下りた、セルヴァンと名乗らせていただきます。」
改まった場での名乗り。名詞句の中は「名詞–形容詞–属格」の順に並び、形容詞は重性の fóndar に合わせて属格 -os になる。mór を家や氏族に使うと、その勢いが大きいことを誇る言い方になる。目上の人自身を mór と言うことはしない。
lóima lourvirár lóurul an fóndaros ráimaros.
読み:ロイマ ロウルヴィラール ロールル アン フォンダロス ライマロス。
| lóim-a | lourvirár | lóur-ul | an | fóndar-os | ráimar-os. |
| 唱える-<(軽いものが)> | 系譜読み<主格> | 瀬-<〜たちを> | 上手 | 源-<属格> | ライマル-<属格> |
「系譜読みが、ライマルの源から一瀬ずつ系譜を唱える。」
婚姻の取り決めの場面。lóurul は重性の複数対格で、唱える世代の連なりを目的語にしている。系譜は十拍の韻律に乗せて唱える。
dúla lourlisá an fóndaros ráimaros dáumbar téir lóurul.
読み:ドゥーラ ロウルリサー アン フォンダロス ライマロス ダウンバル テール ロールル。
| dúl-a | lourlisá | an | fóndar-os | ráimar-os | dáumbar | téir | lóur-ul. |
| 下る-<(軽いものが)> | 系譜の巻<主格> | 上手 | 源-<属格> | ライマル-<属格> | 二十 | 三 | 瀬-<〜たちを> |
「系譜の巻は、ライマルの源から二十三瀬を下っていく。」
系譜の巻に書かれた流れが、源から一瀬ずつ下っていくことを言う文。系譜読みが唱えはじめるときの言い方でもある。an+属格で「上手から」。lóurul は道のりの対格で、自動詞 dul- もこの格をとれる。巻は紙なので軽性で、動詞は -a をとる。
raunérimor ráun ráimaros.
読み:ラウネーリモル ラウン ライマロス。
| raunér-imor | ráun | ráimar-os. |
| 従う-<我々が> | 流れ<対格> | ライマル-<属格> |
「私たちはライマルの流れ(家系)に従う。」
意味2の書物・系譜の唱え。抽象的な流れや家系を追う用法。目的語 ráun は重性語幹とされ、対格に語尾が付かない。属格 ráimaros は家名「ライマル」の属格。1人称複数動詞では人称が語尾に出、主語代名詞は省ける。
lóima ólmar þelán ráimaros, duói lóima ólmar þelán gléinaros.
読み:ロイマ オルマル セラーン ライマロス、ドゥオイ ロイマ オルマル セラーン グレーナロス。
| lóim-a | ólmar | þel-án | ráimar-os, | duói | lóim-a | ólmar | þel-án | gléinar-os. |
| 唱える-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 名前-<対格> | ライマル-<属格> | その次に | 唱える-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 名前-<対格> | グレイナル-<属格> |
「年長者がライマルの名を唱え、その次に、グレイナルの名を唱える。」
系譜の名を一瀬ずつ唱える儀礼の場面。duóiは名と名を結び、前の名を上手、次の名を下手に置く。名は属格で「〜の名」とする。主語は年長者。
prénda líura ráun bréles es ráunos ráimaros.
読み:プレンダ リーウラ ラウン ブレーレス エス ラウノス ライマロス。
| prénd-a | líura | ráun | brél-es | es | ráun-os | ráimar-os. |
| 移る-<(軽いものが)> | 女<主格> | 流れ<対格> | 兄弟-<属格> | から | 流れ-<属格> | ライマル-<属格> |
「その女はライマルの流れから離れて、きょうだいの流れへ移った。」
記録文・儀式の文を想定する。意味2は離縁して元の家の流れへ戻る場合にも使う。行き先となる家系の流れを直接目的語に置き、離れていく家系を es と属格で表す。前置詞句では頭名詞「流れ」も属格になる。
ある氏族の源(始祖)の名。系譜では an fóndaros ráimaros「ライマルの源から」の形で、名乗りの起点になる。源は重性なので、源の名も重性で変化する。
固有名詞・重性・子音語幹。属 ráimaros、呼格 ráimaro。
語源不明
左の一覧から語を選ぶか、上の検索欄に日本語またはローマ字を入れてください。
左の目次から課を選んでください。
左の一覧から選んでください。
高原語で書かれた読み物です。左の一覧から選んでください。
左の目次から話を選んでください。
小説・世界設定・翻訳から見つけた「辞書にない語」の候補です(uv run conlang dict-grow 名前 で作られます)。登録する語を選んでください。同義語として複数選べます。