小説
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喜ぶ
うれしく思う。理由は与格か es+属格で示す。
ausáila aldár sé.
読み:アウサイラ アルダール セー。
| au-sáil-a | aldár | sé. |
| <お〜になる・御〜>-喜ぶ-<(軽いものが)> | 王 | この<軽性> |
「この座(朕)は、喜ばしく思う。」
詩合わせや献上の席で、王が返しとして言う短い言葉。王の自称の文では、補充形のない動詞にも尊敬の接頭辞 au- をつける。au- は s- の前では形が変わらない。
lúin tóra dulóur téir lóurul némes, sáilim.
読み:ルーイン トーラ ドゥロール テール ロールル ネーメス、サイリン。
| lúin | tór-a | dulóur | téir | lóur-ul | ném-es, | sáil-im. |
| とき | 来る-<(軽いものが)> | 下の世代の血族<主格> | 三 | 瀬-<〜たちを> | <私>-<属格> | 喜ぶ-<私が> |
「曾孫が来ると、私はうれしい。」
「三瀬下」で曾孫を言う。三の後ろなので、瀬は複数の lóurul になる。lúin の節は主節の前に置く。主節の主語は動詞の語尾 -im でわかるので、代名詞は言わない。
lúin ésa líndra ível, sáila nourá némes.
読み:ルーイン エーサ リンドラ イーヴェル、サイラ ノウラー ネーメス。
| lúin | és-a | líndra | ível, | sáil-a | nourá | ném-es. |
| とき | いる-<(軽いものが)> | 金の落葉樹<主格> | 新しい | 喜ぶ-<(軽いものが)> | 心<主格> | <私>-<属格> |
「新しい年を迎えて、わが心は喜びにあふれます。」
手紙の冒頭に添える季節の句の型。「金の落葉樹が新しくなるとき」で「新年を迎えるとき」の意味になる。年の始まりと、金の落葉樹が色づく乾風期の初めが重なることから生まれた詩語。
sáila houmár sáindarei sé.
読み:サイラ ホウマール サインダレイ セー。
| sáil-a | houmár | sáindar-ei | sé. |
| 喜ぶ-<(軽いものが)> | 家の主<主格> | 証文-<与格> | この<軽性> |
「家の主はこの証文を喜んでいる。」
喜ぶ理由は与格で示す。書かれた言葉が重い国なので、取り決めが証文に残ったことは喜ばれる。指示詞 sé は名詞句の終わりに置く。
sáilimor sílarei.
読み:サイリモル シーラレイ。
| sáil-imor | sílar-ei. |
| 喜ぶ-<我々が> | 月-<与格> |
「我らは月を喜ぶ。」
雨期の夜、雲の切れ間から月がのぞいたときの言い方。祖先が屋根の上から覗いているしるしとして喜ばれる。理由は与格で示す。
lúin gléna ólmar ombríl sáun, sáilimor.
読み:ルーイン グレーナ オルマル オンブリール サウン、サイリモル。
| lúin | glén-a | ólmar | ombríl | sáun, | sáil-imor. |
| とき | 答える-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 句<対格> | 吉い<重性><対格> | 喜ぶ-<我々が> |
「「年長の方が吉い句を返すと、我々は喜ぶ。」」
詩の挨拶で、目下の者が先に詠み、目上の者がうまく句を返したときのことを言う文。返しの句がうまく続くと、その出会いは吉とされる。sáun は軽性・対格の ombrílan に一致して sáunan になる。
áura hóurna an élvaran, sáilimor.
読み:アウラ ホールナ アン エルヴァラン、サイリモル。
| áur-a | hóurna | an | élvar-an, | sáil-imor. |
| 昇る-<(軽いものが)> | 送りの煙<主格> | 上手 | 天-<対格> | 喜ぶ-<我々が> |
「送りの煙が天へ昇っていく。我らは喜ぶ。」
火葬に立ち会う人々の言葉。煙がまっすぐ高く昇るほど、魂がよく昇ったとされる。煙は軽いものなので、動詞は軽性の -a で一致する。
sáilo mérvo só.
読み:サイロ メルヴォ ソー。
| sáil-o | mérvo | só. |
| 喜ぶ-<(重いものが)> | 村の人々<主格> | この<重性> |
「この村の人々は喜んでいる。」
mérvo は村そのものではなく、村の住人をひとまとまりの集合として指す用法。動詞は文法上は重性の単数で受けるが、住人が人であることを強く意識する話者は軽性の形を使うこともある。指示詞 só は grammatical に重性名詞句を閉じる。
嘉する
祖先や目上の人が、捧げられた言葉や行いをよしとして喜ぶ。
ausailéndan aursárai lisímei sé.
読み:アウサイレンダン アウルサーライ リシーメイ セー。
| au-sail-énd-an | aursár-ai | lis-ím-ei | sé. |
| <お〜になる・御〜>-嘉する-<〜しますように>-<彼らが> | 祖先-<〜たちが> | 書く-<〜の技・〜さ>-<与格> | この<軽性> |
「ご祖先がこの手跡を嘉したまいますように。」
願いを書いた紙を燃やして祖先に届けるときの決まり文句。高い者が主語なので尊敬の au- をつけ、願望法で言う。強勢は -énd- に移る。嘉する対象は与格。
ausáila aldár áuren es lisímes sélvanes.
読み:アウサイラ アルダール アウレン エス リシーメス セルヴァネス。
| au-sáil-a | aldár | áur-en | es | lis-ím-es | sélvan-es. |
| <お〜になる・御〜>-嘉する-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | から | 書く-<〜の技・〜さ>-<属格> | セルヴァン-<属格> |
「高き座は、セルヴァンの書法を嘉された。」
年代記の地の文に見える直説法の文。時制がないので、過去の出来事も直説法で言う。理由を es+属格で示している。
喜ぶ、うれしく思うことを表す。喜びは心が軽くなって上へ昇ることとされ、整った言葉や詩を捧げられた祖先が「喜ぶ」と言うのにもこの語を使う。喜ぶ理由は与格か es+属格で示す。詩の挨拶で返しの句がうまく続いたときの決まり文句 sáilim「うれしく存じます」でもよく耳にする。
完了語根 sáils-。理由は与格または es+属格。尊敬 ausáil-、謙譲 dusáil-。
古高原語 *sáil- から
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