小説
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待席(席あけ)
帰りを待つ者の席・寝床・壁の釘を、その人の分として空けておく作法。
na véilimor seiraldáran.
読み:ナ ヴェーリモル セイラルダーラン。
| na | véil-imor | seiraldár-an |
| <〜ない> | 忘れる-<我々が> | 待席-<対格> |
「我らは、待席の作法を忘れない。」
共同体で作法を守る言い方。na は直説法の否定。動詞語尾 -imor により 1 人称複数主語を明示し、主語代名詞は必要ない。seiraldár は「作法」として抽象用法で、対格 seiraldáran を取る。
待たれている席・寝床・釘
帰還を前提に空けて置かれた席・寝床・壁の釘そのもの。
ésa seiraldár toráres véun.
読み:エーサ セイラルダール トラーレス ヴェウン。
| és-a | seiraldár | torár-es | véun |
| いる-<(軽いものが)> | 待席<主格> | 客-<属格> | 空の |
「客の待席が空いている。」
家中の場の状況報告。存在・述語の文で、主語 seiraldár が軽性単数なので動詞は ésa。torár の属格 toráres が「誰の分の席か」を示す。形容詞 véun は属格より後ろにあるため、名詞句の外に出て述語と読む。
ké sénes seiraldáran némes?
読み:ケー セーネス セイラルダーラン ネーメス?
| ké | sén-es | seiraldár-an | ném-es |
| <〜か> | 見る-<あなたが> | 待席-<対格> | <私>-<属格> |
「私の待席が見えるか。」
日常会話で、目の前や見覚えの席を確かめる問い。ké が文頭に立つ。seiraldár は軽性単数で、目的語には -an が付く。所有表現は、対格の seiraldáran の後ろに 1 人称属格 némes を置く。
séir-「待つ」と aldár「座」による複合名詞。単に空席があるのではなく、帰りを待つ者の座・寝床・壁の釘を、その人の分として整え、空けたままにしておく作法およびその対象を指す。都では礼法・帳簿・儀礼の言葉として、人の段と席の位置を保つ「取り分けられた空位」として用いられ、家庭では帰還予定者・客人・行方知れずの者を前にした場の整えを表す。寝床を「敷いたままにする」や壁の釘に衣の位置だけを残すような行為も含む。
名詞。複合語。中心語 aldár が軽性子音語幹なので、軽性子音語幹。
séir-「待つ」+ aldár「座」。
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