séir-

品詞
動詞(他動詞)
意味
待つ
辞書形
séira
発音
[ˈseira]
読み
セーラ
分野
基本動作

意味

  1. 待つ

    人や物事が来るのを待つ(séiran ombára ilánais「十の灯(が昇るの)を待つ」)。

    séir! na ésa selvá némei.

    読み:セール!ナ エーサ セルヴァー ネーメイ。

    séir!naés-aselváném-ei.
    待つ<命令法><あなたが><〜ない>いる-<(軽いものが)>息<主格><私>-<与格>

    「待ってくれ、息が切れた。」

    坂道や崖道を上るときの、くだけた言い方。所有は「持つ」という動詞を使わず「ある+持ち主の与格」で言うので、「私には息がない」が「息が切れた」の意味になる。動詞は持たれている物 selvá(軽性)に一致する。

    séirim tásan, lúin áura sílar.

    読み:セーリン ターサン、ルーイン アウラ シーラル。

    séir-imtás-an,lúináur-asílar.
    待つ-<私が><あなた>-<対格>とき昇る-<(軽いものが)>月<主格>

    「月が昇るころ、お前を待っている。」

    同じ段の者どうしの、くだけた言い方。tás は②型の語尾で格変化し、対格は tásan になる。lúin は「〜とき」の節を導き、節の中も動詞で始まる。目上の人には tás を使わず、役職名などを3人称で言う。

    té, séir! na sénim nóumo táses.

    読み:テー、セール!ナ セーニン ノーモ ターセス。

    té,séir!nasén-imnóumotás-es.
    そこの方待つ<命令法><あなたが><〜ない>見る-<私が>顔<対格><あなた>-<属格>

    「そこの方、待て!顔が見えない。」

    霧の濃い道で、正体のわからない相手を呼び止める言い方。呼びかけの té は文の頭に置くこともでき、そのときは読点で区切る。目上の人かもしれない相手には、命令法の séir ではなく、決まり文句の seirénde「しばしお待ちを」を使う。

    séiran faronárai társan.

    読み:セーラン ファロナーライ タルサン。

    séir-anfaronár-aitárs-an.
    待つ-<彼らが>運び人-<〜たちが>お前たち-<対格>

    「運び人たちがお前たちを待っている。」

    語順は「動詞–主語–目的語」。társ の対格は、子音語幹と同じく -an をつけて társan とする。2人称複数の代名詞なので下向きか並びの話し方で、目上の人たちには使わない。

    toréndes an gráun dúnos, séirim tásan.

    読み:トレンデス アン グラウン ドゥーノス、セーリン ターサン。

    tor-énd-esangráundún-os,séir-imtás-an.
    来る-<〜しますように>-<あなたが>上手上端<対格>丘-<属格>待つ-<私が><あなた>-<対格>

    「丘のてっぺんまで来てくれないか。待っているから。」

    同じ段の者どうしの約束の言い方。同じ段の相手なので、命令法ではなく願望法の2人称を使う。gráun に丘 dún の属格を添えて、「丘のてっぺん」と言う。坂の多い都では、待ち合わせの場所によく使われる言い方である。

    pán séires? séirim séulinan.

    読み:パーン セーレス?セーリン セウリナン。

    pánséir-es?séir-imséulin-an.
    誰<対格>待つ-<あなたが>待つ-<私が>友-<対格>

    「「誰を待っている?」「友を待っている。」」

    日常のやりとり。疑問詞の対格 pán を文頭に出す。答えでは、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返す。

    séira lisár senáran du aldárei.

    読み:セーラ リサール セナーラン ドゥ アルダーレイ。

    séir-alis-ársen-ár-andualdár-ei.
    待つ-<(軽いものが)>書く-<〜する人>見る-<〜する人>-<対格>下手座-<与格>

    「書記は上座の手前で目付を待つ。」

    日常の文。待つ相手は対格で示す。senár「目付」は軽性の子音語幹なので、対格は -an になる。du+与格で「〜の下手で」と言い、目上の座より低い位置で待っていることを表す。

    séir! nóurim selúin.

    読み:セール!ノーリン セルーイン。

    séir!nóur-imselúin.
    待つ<命令法><あなたが>思案する-<私が>今

    「待て、今考えているところだ。」

    目的語をとらないと「あれこれ考える」の意味になる。命令法を使っているので、下向きか、くだけた場での言い方。

    séirimor órelan sáunan ré liséndimor sáindaran.

    読み:セーリモル オーレラン サウナン レー リセンディモル サインダラン。

    séir-imorórel-ansáun-anrélis-énd-imorsáindar-an.
    待つ-<我々が>日-<対格>吉い-<軽性・対格><〜と(節)>書く-<〜しますように>-<我々が>証文-<対格>

    「証文を書くために、我々は吉い日を待つ。」

    大事な取り決めを結ぶ日取りについて言う文。この意味の sáun は、日取りや兆しの縁起が良いことを表す。「〜するように」という目的は、ré+願望法で表す。願望法の -énd- は強勢をもつ。

    ké tóra ráuvan? na tóra. séiran kelárai.

    読み:ケー トーラ ラウヴァン?ナ トーラ。セーラン ケラーライ。

    kétór-aráuvan?natór-a.séir-ankel-ár-ai.
    <〜か>来る-<(軽いものが)>森の巫<主格><〜ない>来る-<(軽いものが)>待つ-<彼らが>伐る-<〜する人>-<〜たちが>

    「「巫は来たか?」「まだ来ていない。樵たちが待っている。」」

    伐り出しの前の、森の村での日常のやりとり。二人の発話を一つにまとめている。儀式の詞を唱えずには硬木を伐れないので、樵たちは森の巫の到着を待つ。「はい/いいえ」にあたる語はなく、問いの動詞を繰り返して答える(否定なら na tóra)。時制がないので、tóra は「来た」とも「来ている」とも訳せる。

    tór, lúin tóra nóra! séirim tásan.

    読み:トール、ルーイン トーラ ノーラ!セーリン ターサン。

    tór,lúintór-anóra!séir-imtás-an.
    来る<命令法><あなたが>とき来る-<(軽いものが)>夜分<主格>待つ-<私が><あなた>-<対格>

    「晩になったら来い。待っているぞ。」

    親しい目下の相手への、くだけた誘い。lúin tóra nóra「夜分が来るとき」で「晩になったら」を表す。命令法の2人称単数は語幹そのままの tór。

    aurénde, séulin! séirim séndoi dórel.

    読み:アウレンデ、セウリン!セーリン センドイ ドーレル。

    aurénde,séulin!séir-imsénd-oidórel.
    さようなら友待つ-<私が>ここ-<与格>明日

    「「さようなら、友よ。明日ここで待っている。」」

    親しい者どうしの別れ際。別れの aurénde にも「相手の息が無事に昇るように」という願いがこもるが、日常ではただの「さようなら」として使う。séir- は直説法で、時制がないので、「明日待つ」という未来の予定もこの形で言える。

    hóu! séir, faronár.

    読み:ホー!セール、ファロナール。

    hóu!séir,faron-ár.
    おーい待つ<命令法><あなたが>荷-<〜する人>

    「おーい!待て、運び人。」

    崖道や市で、離れた所にいる運び人を呼び止める言い方。hóu は文頭で独立して叫ぶ。呼びかけの相手は呼格を使わず、役職や職の名を文末に読点で区切って添える。下向きの話し方なので命令法のむき出しの語幹 séir を使う。

    séira unlóur toráran.

    読み:セーラ ウンロール トラーラン。

    séir-aunlóurtor-ár-an.
    待つ-<(軽いものが)>まだ来る-<〜する人>-ACC.

    「客をまだ待っている。」

    séir- は他動詞で目的語を要するため、torár は主語ではなく目的語にする。軽性の -ár 名詞の単数対格は -an を取る。動詞 séira の -a は省略された三人称軽性主語の一致である。

    séira toráran fándoi.

    読み:セーラ トラーラン ファンドイ。

    séir-atorár-anfánd-oi
    待つ-<(軽いものが)>客-<対格>戸口-<与格>

    「戸口で客を待つ。」

    迎え場としての用法。場所を示す fándoi は与格。toráran は目的語の対格で、目的語の枠を埋める。主語は動詞語尾から読み取れる3人称単数・軽性で、省略している。

    séir þaló!

    読み:セール サロー!

    séirþaló
    待つ<命令法><あなたが>正午<対格>

    「正午を待て!」

    日常会話の命令。2人称単数の命令法は語幹のみで、語尾に人称標示がつかない。対象は正午の時点。重性o語幹なので対格は主格と同形。

  2. 控えて待つ

    目上の人の言葉や指図を、そばで控えて待つ。この意味では謙譲の duséir- を使うことが多い。

    duséiran lisárai aldáran áurenan.

    読み:ドゥセーラン リサーライ アルダーラン アウレナン。

    du-séir-anlis-ár-aialdár-anáur-en-an.
    <〜させていただく>-控えて待つ-<彼らが>書く-<〜する人>-<〜たちが>座-<対格>昇る-<〜した・〜された>-<軽性・対格>

    「書記たちは高き座(のお指図)を控えて待つ。」

    宮廷の記録の文体。王に仕える者の行いを、王に対して低めて謙譲の duséir- で書く。aldár áuren「高き座」は対格になり、分詞 áuren も軽性・対格の -an で一致する。

    duséirim aulisáran.

    読み:ドゥセーリン アウリサーラン。

    du-séir-imau-lis-ár-an.
    <〜させていただく>-控えて待つ-<私が><お〜になる・御〜>-書く-<〜する人>-<対格>

    「書記の方を、控えてお待ちしております。」

    上向きの改まった言い方。謙譲の du- をつけた duséir- で自分の行いを低め、待つ相手の役職名には尊敬の au- をつけて高める。「私が・目上の人を」という上下の関係が、動詞と名詞の両方に表れる。

解説

人や事柄が来るのを待つことを表す。待つ相手は対格で示す。高原の暦では、十の灯が昇る日や、霧が晴れて最初の星が見える夜を待つことが、大事な節目になっている。縁の市では、取引の精算を霧が来る前に済ませなければならないので、「霧まで待つ」ことは「約束を反故にする」に近い悪い響きをもつ。

文法

完了語根は séirs-。目上の人を待つことは謙譲の duséir- で言う。

語源

古高原語から受け継いだ語。

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