小説
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年
十の灯の昇る日から、次に昇る日までのひとめぐり。
tóra tráimel ível, dulíþan kelárai gandér.
読み:トーラ トライメル イーヴェル、ドゥリーサン ケラーライ ガンデール。
| tór-a | tráimel | ível, | dul-íþ-an | kel-ár-ai | gandér. |
| 来る-<(軽いものが)> | 年<主格> | 新しい | 下る-<〜させる>-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 硬木<対格> |
「新しい年が来て、樵たちは硬木を下ろす。」
暦と仕事の流れを説明する文。年は乾風期の初めに始まり、硬木の最初の下ろしもこの時期に行われる。tráimel は軽性の子音語幹で、形容詞 ível はその後ろに置いて一致させる。主節は二つ並んでいるので、あいだに読点を打つ。
dulíþan kelárai dáumbar gandérul tráimelei sé.
読み:ドゥリーサン ケラーライ ダウンバル ガンデールル トライメレイ セー。
| dul-íþ-an | kel-ár-ai | dáumbar | gandér-ul | tráimel-ei | sé. |
| 下る-<〜させる>-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 二十 | 硬木-<〜たちを> | 年-<与格> | この<軽性> |
「この年、樵たちは硬木を二十本下ろした。」
年代記や森の司の記録に見られる書き方。「この年に」は、与格 tráimelei に指示詞 sé を添えて言う。九十九までの数詞は名詞の前に置き、三以上なら名詞を複数にする。重性の複数対格は -ul になる。
年齢・年数
数詞と組んで、生きてきた年の数や経った年月を表す。
ésa endríña sé nél tráimelar.
読み:エーサ エンドリーニャ セー ネール トライメラル。
| és-a | endríña | sé | nél | tráimel-ar. |
| いる-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | この<軽性> | 七 | 年齢・年数-<〜らの> |
「この子は七つだ。」
年齢は「数詞+tráimel の複数属格」で、「何年の(者)」として言う。目上の人は数で数えるのが失礼とされるので、この言い方はおもに子どもや目下の者、家畜などに使う。
dúlan téir tráimelai, na tóra séulin némes.
読み:ドゥーラン テール トライメライ、ナ トーラ セウリン ネーメス。
| dúl-an | téir | tráimel-ai, | na | tór-a | séulin | ném-es. |
| 下る-<彼らが> | 三 | 年齢・年数-<〜たちが> | <〜ない> | 来る-<(軽いものが)> | 友<主格> | <私>-<属格> |
「三年が過ぎたが、私の友は来ない。」
年月が経つことは、川の水が下るのにたとえて dúl-「下る」で言う。時制がないので、「過ぎた」ことは文脈から読みとる。三以上の数詞の後ろでは、名詞は複数になる(tráimelai)。動詞はこの複数の主語に一致して、3人称複数の -an をとる。
年。乾風期の初めの明け方に十の灯がはじめて見えた日から、次に見える日までをひとめぐりとする。年は二通りに数える。統一から数える統一紀年と、今の王が座についてから数える即位紀年である。数詞と組むと、二年は双数、三年以上は複数になる(téir tráimelai「三年」)。
軽性・子音語幹(②型)。複数 tráimelai、双数 tráimelau。
語源ははっきりしない。古い詩では「巡り」の意味で使われている。
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