þónd-

品詞
動詞(他動詞)
意味
誓う
発音
[ˈθond]
読み
ソンド
分野
知覚・感情・思考・発話

意味

  1. 誓う

    祖先や星に向けて、決まった詞で誓いを立てる。

    lúin éso nébro, mé þondésa þondán.

    読み:ルーイン エーソ ネーブロ、メー ソンデーサ ソンダーン。

    lúinés-onébro,méþond-és-aþond-án.
    ときいる-<(重いものが)>霧期<主格><禁止・願いの打ち消し>誓う-<〜すべし>-<(軽いものが)>誓い-<対格>

    「霧期のあいだは、誓いを立てぬこと。」

    法典や碑文に見られる、当為法を使った禁止。主語を言わないので一般の人が主語になり、動詞は軽性の形をとる。霧の夜の誓いは祖先に届かず無効とされる。その信仰を定めとして書いた文。

    lúin tóro nébro, na þónda fíñel.

    読み:ルーイン トーロ ネーブロ、ナ ソンダ フィーニェル。

    lúintór-onébro,naþónd-afíñel.
    とき来る-<(重いものが)>霧<主格><〜ない>誓う-<(軽いものが)>用心深い者<主格>

    「霧が来たら、用心深い者は誓わない。」

    霧の中で結んだ約束は重んじられない、という考えを踏まえた諺。霧 nébro は重性なので、動詞は -o をとる。主語の fíñel は特定の人ではなく、「用心深い者は誰でも」という一般の人を指す。

    þóndim aursárail ré na vírim lúdro.

    読み:ソンディン アウルサーライル レー ナ ヴィーリン ルードロ。

    þónd-imaursár-ailrénavír-imlúdro.
    誓う-<私が>祖先-<〜らに><〜と(節)><〜ない>言う-<私が>嘘<対格>

    「私は祖先に、嘘は言わないと誓う。」

    星の見える晴れた夜に立てる誓いの基本の形。誓う相手は与格で示し(aursárail「祖先たちに」)、誓う中身は ré の節で後ろに置く。ré の節は元の文の法をそのまま保つので、ここでは直説法の否定 na vírim になる。時制はないので、「言わない」は文脈から未来のことと読む。

    lúin éso nébro, mé þondésa þondán.

    読み:ルーイン エーソ ネーブロ、メー ソンデーサ ソンダーン。

    lúinés-onébro,méþond-és-aþond-án.
    ときいる-<(重いものが)>霧<主格><禁止・願いの打ち消し>誓う-<〜すべし>-<(軽いものが)>誓い-<対格>

    「霧が出ているときには、誓いを立てぬこと。」

    言い伝えや法典に出てくる禁止の言い方。霧の夜の誓いは祖先に届かず無効だ、という信仰を表している。前半は lúin「〜とき」の節で、主語の霧 nébro が重性なので、繋辞は és-o になる。後半は当為法の文で、mé で否定する。主語を言わないので「人は」という一般の主語になり、軽性の -a をとる。強勢は -és- に移るので、語根の ´ は消える。目的語の þondá「誓い」は、þónd- に -á がついた派生名詞。

    lúin ésa élvar þáil, þondésa.

    読み:ルーイン エーサ エルヴァル サイル、ソンデーサ。

    lúinés-aélvarþáil,þond-és-a.
    ときいる-<(軽いものが)>天<主格>晴れた誓う-<〜すべし>-<(軽いものが)>

    「誓いは、空の晴れたときに立てるべし。」

    主語のない当為法は「人は〜すべし」という一般の主語を表し、軽性の形をとる。祖先が見ている、星の見える晴れた夜の誓いだけが重いとされ、霧の夜の誓いは無効とされる。

    þúnda þundár þondán.

    読み:スンダ スンダール ソンダーン。

    þúnd-aþund-árþond-án.
    裁く-<(軽いものが)>裁く-<〜する人・主格>誓い-<対格>

    「法官が約束を裁く。」

    kráilin maranlóur, þóndim.

    読み:クライリン マランロール、ソンディン。

    kráil-inmaranlóur,þónd-im.
    持つ-<〜して・〜く>親指<対格>誓う-<私が>

    「親指を握り、私は誓う。」

    儀礼的な所作。副動詞-inのkráilinは主節þóndimと同一主語の「〜しながら」を表す。maranlóurは重性名詞で主格と対格が同形だが、kráil-が他動詞であるため、その直後の語を目的語として読む。

    þóndim þílin

    読み:ソンディン シーリン

    þónd-imþílin
    誓う-<私が>承知して

    「承知して誓う。」

    儀礼・契約での宣誓文。 þílin は「故意に」よりも、行為者が事実を心得ていることに焦点を当てる古い用法。主語は人称語尾に含めて省略できる。

解説

誓う、誓いを立てることを表す。大事な誓いは、星の見える晴れた夜に、韻律のある決まった詞で立てる。雨期の夜の誓いは有効とされるが、霧の夜の誓いは祖先に届かず無効とされる。誓う相手(祖先・星)は与格、誓う内容は ré+願望法の節で示す。

文法

完了語根 þóond-。命令2単は nd が削られて þón!。尊敬 auþónd-、謙譲 duþónd-。

語源

þór-「立つ」と同源とされる(「言葉を立てる」の意)。

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