小説
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立つ
立ち上がる、立っている。
þóra lóna áuren.
読み:ソーラ ローナ アウレン。
| þór-a | lóna | áur-en. |
| 立つ-<(軽いものが)> | 柱の木<主格> | 昇る-<〜した・〜された> |
「高い柱の木が立っている。」
生えている木は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。分詞 áuren も軽性・単数・主格の形で、一致の語尾はつかない。
þóran planélai bróusai or flaindélail.
読み:ソーラン プラネーライ ブローサイ オル フラインデーライル。
| þór-an | planél-ai | bróus-ai | or | flaindél-ail. |
| 立つ-<彼らが> | 白樹皮の木-<〜たちが> | 多い-<〜たちが> | 日の出側 | 版の木-<〜らに> |
「版の木々の日の出側に、白樹皮の木がたくさん立っている。」
森の道案内や土地の説明に使う言い方。方角は絶対方位で言い、or+与格で「〜の日の出側に」を表す。生えている木は軽性なので、planél の複数主格は -ai になり、形容詞 bróus も軽性の複数主格 -ai で一致する。版の木も軽性なので、複数与格は -ail になる。
þóra bóula mór or planélei.
読み:ソーラ ボーラ モール オル プラネーレイ。
| þór-a | bóula | mór | or | planél-ei. |
| 立つ-<(軽いものが)> | どんぐりの木<主格> | 大きい | 日の出側 | 白樹皮の木-<与格> |
「白樹皮の木の日の出側に、大きなどんぐりの木が立っている。」
日常の描写文。生えているどんぐりの木は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。形容詞 mór は名詞の後ろに置き、軽性・単数・主格の形(語尾なし)で一致する。
mé þór an aulisárei!
読み:メー ソール アン アウリサーレイ!
| mé | þór | an | au-lis-ár-ei! |
| <禁止・願いの打ち消し> | 立つ<命令法><あなたが> | 上手 | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人>-<与格> |
「書記の方より高い所に立ってはならぬ。」
禁止は mé+命令法で言う。an+与格は文字どおりには「〜の上手に」で、ここでは目上の人より高い位置を指す。目上の人より高い所に立つのは禁忌であり、子どもや目下の者へのしつけの言葉としてよく使われる。
lúin glóira ausenár, þóran faronárai.
読み:ルーイン グロイラ アウセナール、ソーラン ファロナーライ。
| lúin | glóir-a | au-sen-ár, | þór-an | faron-ár-ai. |
| とき | お越しになる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 立つ-<彼らが> | 荷-<〜する人>-<〜たちが> |
「目付殿がお越しになると、運び人たちは立ち上がる。」
lúin で始まる「〜とき」の節を主節の前に置いている。glóir- は「来る」の尊敬の補充形。þór- は「立っている」状態と「立ち上がる」動作の両方を表し、時制がないので、どちらの意味かは文脈で決まる。
þóro kéumo kéum an árnelei.
読み:ソーロ ケウモ ケウン アン アルネレイ。
| þór-o | kéumo | kéum | an | árnel-ei. |
| 立つ-<(重いものが)> | 碑<主格> | 灰色の | 上手 | 木-<与格> |
「木の上手(北側)に灰色の碑が立っている。」
碑は灰色の硬い石で作られる。an+与格で「〜の上手の側で」、つまり北側を表す。kéumo「碑」と kéum「灰色の」は音が似ているが別の語で、碑は重性o語幹。
lúin þóra faronár, þréuna.
読み:ルーイン ソーラ ファロナール、スレウナ。
| lúin | þór-a | faronár, | þréun-a |
| とき | 立つ-<(軽いものが)> | 運び人<主格> | よろける-<(軽いものが)> |
「運び人が立ち上がると、よろける。」
時間の節は lúin で導き、主節の前に置く。主節の主語は同一主語として省略。立ち上がり直後のふらつきを述べる、日常的な描写の文。
þóro húlmo.
読み:ソーロ フルモ。
| þór-o | húlmo. |
| 立つ-<(重いものが)> | 柵<主格> |
「柵が立っている。」
叙述文。柵は重性名詞なので、動詞は3人称単数・重性の語尾 -o をとる。
þór un þóvoi!
読み:ソール ウン ソーヴォイ!
| þór | un | þóv-oi! |
| 立つ<命令法><あなたが> | 内に | 陰-DAT. |
「陰に立て!」
会話の命令。同輩・目下に対する命令法。þór は語末に r が残る語幹命令形。un þóvoi は「陰の中に」。目上に対しては命令法ではなく願望法を使う。
þóro krunþrén só un kórvoi.
読み:ソーロ クルンスレーン ソー ウン コルヴォイ。
| þór-o | krunþrén | só | un | kórv-oi. |
| 立つ-<(重いものが)> | 棚<主格> | この<重性> | 内に | 倉-<与格> |
「この棚は倉に立っている。」
倉や家での物の配置を表す文。krunþrén は重性子音語幹の主格で無語尾。動詞 þór- は重性主語に合わせて3人称単数重性語尾 -o をとる。un+与格 kórvoi は「〜の中に」という静的な場所を示す。
(柱・碑が)立つ
柱や碑が据えられて立っている。主語が石や材木なら重性で一致する(þóro món「石が立っている」)。
þóro kéumo te léimsa brándal.
読み:ソーロ ケウモ テ レーンサ ブランダル。
| þór-o | kéumo | te | léims-a | brándal. |
| 立つ-<(重いものが)> | 碑<主格> | <関係節> | 据える<〜し終えた>-<(軽いものが)> | 司<主格> |
「司が据えた碑が立っている。」
石の碑 kéumo は重性o語幹なので、動詞は3人称単数・重性の -o をとる。関係節は無強勢の te の後ろに動詞を続けて作り、抜けた目的語の位置は空けたままにする。関係節の主語 brándal は人なので、動詞は軽性の -a になる。
þóro lóna kélen só.
読み:ソーロ ローナ ケーレン ソー。
| þór-o | lóna | kél-en | só. |
| 立つ-<(重いものが)> | 柱の木<主格> | 伐る-<〜した・〜された> | この<重性> |
「この、伐った柱の木の柱が立っている。」
lóna「柱の木」は、名詞としては軽性a語幹の語形のままである。けれども伐られて材になっているので、動詞は重性の þóro、分詞 kélen も重性・主格の形(語尾なし)、指示詞も重性の só で一致する。生えている木なら þóra lóna sé となる。
立ち上がること、立っていることを表す。高原では、目上の人より高い所に立つことは無礼とされる。坂道では、上るときは目上の人が先、下るときは目下の人が先を歩く。そのため、「誰より上に立つか」は日常の大事な関心事である。柱や碑が立っていることにも使う。
完了語根は þóor-(「立ち上がった・立ち止まった」)。使役形は þoríþ-「立てる」(碑や柱を立てる)。日本語話者には þ が「ス」や「ト」に聞こえ、「ソル」「トル」と聞きとられやすい。
古高原語から受け継いだ語。
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