þelá

品詞
名詞(軽性・a語幹)
意味
名前
発音
[θeˈla]
読み
セラー
分野
知覚・感情・思考・発話

意味

  1. 名前

    人やものを指して呼ぶ名。

    ésa þelá selvá éndres.

    読み:エーサ セラー セルヴァー エンドレス。

    és-aþeláselváéndr-es.
    いる-<(軽いものが)>名前<主格>息<主格>人-<属格>

    「名前は、その人の息そのものである。」

    書物や師の教えに出てくる格言ふうの文。名前は息の形だと考えられているので、目上の人の名、死後一年の名、霧の中の名を口にしない禁忌の理由として引かれる。書くことは息を使わないので、禁忌に当たらない。

    toríro nébro, mé vír þelán! ésa þelá selvá, fíndo dálor.

    読み:トリーロ ネーブロ、メー ヴィール セラーン!エーサ セラー セルヴァー、フィンド ダーロル。

    tor-ír-onébro,mévírþel-án!és-aþeláselvá,fínd-odálor.
    来る-<もし〜なら>-<(重いものが)>霧<主格><禁止・願いの打ち消し>言う<命令法><あなたが>名前-<対格>いる-<(軽いものが)>名前<主格>息<主格>聞く-<(重いものが)>下の国<主格>

    「霧が来たら名を呼ぶな。名は息だ、下の国が聞きつける。」

    霧期の禁忌を子どもに教える言い方。口に出した名前を selvá「息」としてとらえている。条件の節は動詞を仮定法にするだけで作る。dálor は重性なので、動詞 fínd- は重性の -o をとる。

    pó ésa þelá táses?

    読み:ポー エーサ セラー ターセス?

    póés-aþelátás-es?
    何<主格>いる-<(軽いものが)>名前<主格><あなた>-<属格>

    「お前の名は何だ。」

    見張りの番人などが、素性の知れない者に使う、ぶっきらぼうな下向きの問い。疑問詞 pó を文頭に出した繋辞の文で、繋辞は主語の þelá(軽性)に一致している。改まった場では、相手に名乗らせる形(pán þéles?「何と名乗る」)や推量法を使う。霧の中では、名前を尋ねること自体が避けられる。

    ésa þelá aursáres lísen rólanei.

    読み:エーサ セラー アウルサーレス リーセン ローラネイ。

    és-aþeláaursár-eslís-enrólan-ei.
    いる-<(軽いものが)>名前<主格>祖先-<属格>書く-<〜した・〜された>巻-<与格>

    「祖先の名は巻物に書かれている。」

    家の習わしを述べる文。「és-+主語+分詞」で結果の状態を表し、受け身にあたる意味になる。書くことは息を使わないので、口にしてはならない名前でも書き留めてよい。場所は前置詞なしの与格で表す。

    funelér þelá, ende.

    読み:フネレール セラー、エンデ。

    funelérþelá,ende.
    書き留める<命令法><あなたが>名前どうぞ

    「名前を書き留めてくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹で、目的語は格語尾の落ちた形 þelá を使い、ende を添える。命令法と同じ形だが、市では無礼にならない。口にしてはいけない名前でも書くことは許されるので、名前は書き留めて伝えることが多い。

  2. 名声

    家や人の評判。「名が昇る」は名声が高まること。

    lúin pándan viráis éles, áura þelá éles.

    読み:ルーイン パンダン ヴィライス エーレス、アウラ セラー エーレス。

    lúinpánd-anvir-áisél-es,áur-aþeláél-es.
    とき刷る-<彼らが>言葉-<〜たちを><3人称単数・軽性>-<属格>昇る-<(軽いものが)>名声<主格><3人称単数・軽性>-<属格>

    「その人の言葉が版木で刷られると、その人の名声は高まる。」

    詩合わせで勝った詩が刷られて広まることを言う文。「名が昇る」は、名声が高まるという意味の決まった言い方。前半の pándan は主語を言わない3人称複数で、「人々が刷る」という受け身に近い意味になる。

    mé dulénde þelá némores!

    読み:メー ドゥレンデ セラー ネーモレス!

    médul-énd-eþelánémor-es!
    <禁止・願いの打ち消し>下る-<〜しますように>-<(軽いものが)>名声<主格><我々>-<属格>

    「我が家の名が落ちることのないように。」

    家の年長者が若い者を戒めるときの言い方。「名が下る」は評判が落ちるという意味で、「名が昇る」の反対にあたる。願望法の文なので mé で否定する。強勢は願望法の -énd- に移る。

解説

人・もの・土地の名前。高原では名前はその人の息の形そのものとされ、軽性で、上へ昇るものに数えられる。そのため、目上の人の名、王の名、死後一年の死者の名、霧の中の名を声に出すことは禁じられる。いっぽう書くことは息を使わないので禁じられない。人は一生のうちに幼名・成名・流名・座名・昇名と名を変えるが、それらをまとめて言う総称がこの語である。

文法

軽性・a語幹(þelá/þelán/þelés/þeléi…)。「〜の名」は属格を後ろに置く(þelá sélvanes「セルヴァンの名」)。

語源

þél-「名乗る」+ -á「〜するもの(軽)」。

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