anlúin

品詞
名詞
意味
昔
発音
[anˈluin]
読み
アンルーイン
分野
時間・空間・方向

意味

  1. 昔

    遠い過去の時代。源に近い古い時。

    dúlo ráun dúlen du dálor anlúin.

    読み:ドゥーロ ラウン ドゥーレン ドゥ ダーロル アンルーイン。

    dúl-oráundúl-endudáloranlúin.
    下る-<(重いものが)>水の落ちた流れ<主格>下る-<〜した・〜された>下手下の国<対格>昔

    「昔、水の落ちた流れが下の国へと下りていった。」

    約千二百年前の冷害で崖を下りた人々(干潟でいう縁の民)を、年代記や語りで遠回しに言う書き方。ráun dúlen は決まった言い回しで、分詞は規則どおり語根に -en をつけた形。ráun は重性なので、動詞も重性の -o で一致する。人を直接言わずに重性の名詞で言うところに、恥と悲しみがこもる。

    lóima ráuvan loimán anlúines.

    読み:ロイマ ラウヴァン ロイマーン アンルーイネス。

    lóim-aráuvanloim-ánanlúin-es.
    唱える-<(軽いものが)>森の巫<主格>詞-<対格>昔-<属格>

    「森の巫が、昔の詞を唱える。」

    伐り出しや葬送の儀礼の場面。属格 anlúines を名詞の後ろに置いて「昔の〜」と言う。an-「上手」を含む語で、時を源から流れ下る川と見るので、古い時代ほど「上手」、つまり源に近い時とされる。

    na ésa aldár áuren anlúinei.

    読み:ナ エーサ アルダール アウレン アンルーイネイ。

    naés-aaldáráur-enanlúin-ei.
    <〜ない>いる-<(軽いものが)>座<主格>昇る-<〜した・〜された>昔-<与格>

    「昔は、高き座はなかった。」

    統一より前の時代を語る、書物や語りの文。「昔に」のように時を言うときは与格 anlúinei を使う。否定の na は動詞の直前に置く。aldár áuren は「高き座」で、分詞 áuren は軽性・単数・主格に一致しているので語尾がつかない。

    anlúin, máinan éndrai hégro bóules.

    読み:アンルーイン、マイナン エンドライ ヘーグロ ボーレス。

    anlúin,máin-anéndr-aihégrobóul-es.
    昔食べる<〜し終えた>-<彼らが>人-<〜たちが>団子<対格>どんぐり-<属格>

    「昔、人々はどんぐり団子を食べた。」

    歴史的な過去は完遂相の直説法で表す。hégro bóules は熟語的にどんぐり団子を指す。

    þreléndim anlúin.

    読み:スレレンディン アンルーイン。

    þrel-énd-imanlúin
    振り返る-<〜しますように>-<私が>昔ADV

    「過ぎし日を顧みたし。」

    書物や儀礼で、語り手が自らかつてを顧みることを願う改まった表現。主語は語尾に含み、 anlúin は「昔」を表す時間詞として後置する。

  2. 以前に・先に

    副詞として、ある時より前に、の意味を表す。

    glóira aurél séndo anlúin.

    読み:グロイラ アウレール センド アンルーイン。

    glóir-aaurélséndoanlúin.
    お越しになる-<(軽いものが)>あの方<主格>ここ以前に

    「あの方は、以前にもここへお越しになった。」

    目上の人のことを第三者に話す文。主語の aurél「あの方」に合わせて、動詞は尊敬の補充形 glóir- を使う。副詞の anlúin も séndo「ここ」も、格語尾をつけずに文の後ろに並べる。

    sénim tásan anlúin.

    読み:セーニン ターサン アンルーイン。

    sén-imtás-ananlúin.
    見る-<私が><あなた>-<対格>以前に

    「お前には以前に会ったことがある。」

    くだけた日常の会話で、下向きか同じ段の相手に使う。高原語には時制がないので、動詞の形は「見る」と同じままでよい。過去のことだとわかるのは副詞 anlúin「以前に」があるからである。anlúin は格語尾をつけずに副詞として働き、文の後ろに置く。

解説

昔、以前。「上手の時」の意味で、時間の流れの上手、源に近いほうの時代を指す。系譜の始祖や古い氏族の時代を言うのに使い、尊い響きをもつ。冷害と「下りた者たち」の時代のことは正面からは言わず、anlúin lóuvan「遠い昔」とぼかして語ることが多い。

文法

軽性・子音語幹(②型)。副詞として「昔に・以前に」の意味にも使う。

語源

an「上手」と lúin「とき・頃」の複合語。

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