小説
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下手・南
低いほうの土地。南の縁と、その先の方角。
dúlan faronárai du dúror.
読み:ドゥーラン ファロナーライ ドゥ ドゥーロル。
| dúl-an | faronár-ai | du | dúror. |
| 下る-<彼らが> | 運び人-<〜たちが> | 下手 | 下手・南<対格> |
「運び人たちは南の縁へと下りていく。」
dúror は重性の子音語幹で、主格と対格が同じ形になる。du+対格で「下手へ」。高原では南は低い土地なので、崖道を下る動きと南へ向かう動きが同じ言い方になる。
tóro duléumo húmel es dúroros.
読み:トーロ ドゥレウモ フーメル エス ドゥーロロス。
| tór-o | duléumo | húmel | es | dúror-os. |
| 来る-<(重いものが)> | 下の風<主格> | 湿った | から | 下手・南-<属格> |
「南から湿った下の風が這い上がってくる。」
霧期の前ぶれを言う文。duléumo は重性o語幹なので、動詞は重性の -o をとり、形容詞 húmel も重性・主格の形(語尾なし)になる。下から来る風は病を運ぶ重いものとされる。
klámbau ánor si dúror lisáran.
読み:クランバウ アーノル シ ドゥーロル リサーラン。
| klámb-au | ánor | si | dúror | lisár-an |
| 板挟みにする-<双数> | 上手 | と | 下手 | 書記-<対格> |
「上手と下手が書記を板挟みにする。」
比喩的な用い方。単数名詞 ánor と dúror を si で主語にすると、動詞は双数 -au。人を指す lisár は軽性なので、対格は -an。
下座
家や宮廷で、南側の低い座。
dúlim du dúror.
読み:ドゥーリン ドゥ ドゥーロル。
| dúl-im | du | dúror. |
| 下る-<私が> | 下手 | 下座<対格> |
「私は下座へ下がります。」
目上の人の前で、自分から下座に移るときの言い方。du+対格で「下手へ」を表す。dúror は重性なので、主格と対格が同じ形になる。炉の南側の低い座が下座。
mé duliþésa ólmaran du dúror.
読み:メー ドゥリセーサ オルマラン ドゥ ドゥーロル。
| mé | dul-iþ-és-a | ólmar-an | du | dúror. |
| <禁止・願いの打ち消し> | 下る-<〜させる>-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 年長者-<対格> | 下手 | 下座<対格> |
「年長者を下座へ下げてはならない。」
作法の書に見られる当為法の文。当為法は mé で否定する。主語を言わないので一般の人が主語になり、軽性の -a をとる。強勢は -és- に移る。
下手(しもて)、南の方、低いほうを指す名詞。南の縁の方角や、その先の下の国の方角を言う。家の中では、炉の南側の下座を指す。ánor と違って重性なのは、下へ行くものの側に属するからである。暦の「下の十日」は ombrén dúroros と言う。日本語話者には du の音が「ズ」と聞こえる。
重性・子音語幹(③型)。主格と対格が同じ形。属格 dúroros、与格 dúroroi。
前置詞 du に、ánor と同じ古い方向名詞の語尾 *-or がついたもの。母音のあいだに r が入った。
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