flaindél

品詞
名詞
意味
版の木
発音
[flainˈdel]
読み
フラインデル
分野
動物・植物

意味

  1. 版の木

    版木に使う、淡い黄色の材をもつ広葉樹。

    ké ésa flaindél kélen sé káil?

    読み:ケー エーサ フラインデール ケーレン セー カイル?

    kéés-aflaindélkél-ensékáil?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>版の木<主格>伐る-<〜した・〜された>この<軽性>乾いた

    「この伐った版の木は乾いているか。」

    版木の工房で交わされる、くだけた問い。版木は、伐ってから数年寝かせて乾かす。伐った木はふつう一致が重性に移るが、版の木は例外で、伐ったあとも軽性のままである。そのため、繋辞は ésa、分詞 kélen は軽性・単数・主格(語尾なし)、指示詞は軽性の sé になる。伐った脂の木なら kélenoi(重性)のように重性の形で一致するので、比べるとわかりやすい。

    tilésa lisáis flaindélei, mé tilésa gandér.

    読み:ティレーサ リサイス フラインデーレイ、メー ティレーサ ガンデール。

    til-és-alis-áisflaindél-ei,métil-és-agandér.
    彫る-<〜すべし>-<(軽いものが)>字-<〜たちを>版の木-<与格>,<禁止・願いの打ち消し>彫る-<〜すべし>-<(軽いものが)>硬木<対格>

    「字は版の木に彫るべし。硬木は彫らぬこと。」

    彫り師の作法を説く教えの言葉で、法典や碑文と同じ当為法を使う。主語を言わないので「人は〜すべし」の意味になり、動詞は軽性の -a をとる。flaindél は軽性の子音語幹なので与格は -ei。後半の gandér は重性なので、主格と対格が同じ形のまま目的語になる。言葉は上へ昇るもので、版の木はそれを載せる木、硬木は下へ行く木なので彫らない、という考えを述べた文。

    þóran planélai bróusai or flaindélail.

    読み:ソーラン プラネーライ ブローサイ オル フラインデーライル。

    þór-anplanél-aibróus-aiorflaindél-ail.
    立つ-<彼らが>白樹皮の木-<〜たちが>多い-<〜たちが>日の出側版の木-<〜らに>

    「版の木々の日の出側に、白樹皮の木がたくさん立っている。」

    森の道案内や土地の説明に使う言い方。方角は絶対方位で言い、or+与格で「〜の日の出側に」を表す。生えている木は軽性なので、planél の複数主格は -ai になり、形容詞 bróus も軽性の複数主格 -ai で一致する。版の木も軽性なので、複数与格は -ail になる。

    nóira flaindél.

    読み:ノイラ フラインデール。

    nóir-aflaindél.
    寝る-<(軽いものが)>版の木<主格>

    「版の木は寝かせてある。」

    版木にする材を、数年乾かしている状態を言う。版の木は伐ったあとも軽性のままなので、動詞は軽性の -a をとる。ほかの伐った材なら、重性の -o で一致する。

    tílim lisáis flaindélei náumei.

    読み:ティーリン リサイス フラインデーレイ ナウメイ。

    tíl-imlis-áisflaindél-eináum-ei.
    彫る-<私が>字-<〜たちを>版の木-<与格>柔らかい-<軽性・与格>

    「柔らかな版の木に字を彫る。」

    彫り師の仕事を言う文。版の木は伐って寝かせたあとも軽性のままなので、形容詞は軽性の与格 -ei で一致する。伐った脂の木なら重性の -oi で一致するので、その違いが比べどころになる。

    éso gandér krán an flaindélei, na tílim gandér.

    読み:エーソ ガンデール クラーン アン フラインデーレイ、ナ ティーリン ガンデール。

    és-ogandérkránanflaindél-ei,natíl-imgandér.
    いる-<(重いものが)>硬木<主格>硬い上手版の木-<与格><〜ない>彫る-<私が>硬木<対格>

    「硬木は版の木より硬い。硬木は彫らない。」

    彫り師の言葉。性質の程度がまさることは「an+与格」(〜の上手に)で言う。主語の gandér は重性なので、繋辞は és-o になり、形容詞 krán も重性・主格の形(語尾なし)になる。後半の gandér は目的語で、重性なので主格と同じ形。硬木を彫らないのは、硬すぎるからでもあり、禁忌だからでもある。

解説

森の帯の北側の乾いた斜面に育つ広葉樹で、淡い黄色の材をもつ。木目が細かく均一で狂いにくく、水に浮く。都の木版の版木はこの木で作る。言葉を載せて上へ昇る木とされ、伐って寝かせたあとも軽性のまま一致する例外の語。沈む木である硬木 gandér と対になる。

文法

軽性・子音語幹(②型)。対 flaindélan、属 flaindéles、複 flaindélai。伐った材も軽性で一致する。

語源

fláin「軽い」+木の名に使われた古い語尾 *-déla。古い脱落で語末の母音が落ちた(綴り〈flaindela〉)。

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