fláin

品詞
形容詞
意味
軽い
発音
[ˈflain]
読み
フライン
分野
性質・状態

意味

  1. 軽い

    物の重さが少ないこと。比較では fláin du 〜 の形で「より重い」の婉曲な言い換えにも使う。

    éso gandér fláin du kelárei.

    読み:エーソ ガンデール フライン ドゥ ケラーレイ。

    és-ogandérfláindukel-ár-ei.
    いる-<(重いものが)>硬木<主格>軽い〜より劣って伐る-<〜する人>-<与格>

    「硬木は軽さでは樵に及ばない(樵より重い)。」

    du+与格で、性質の程度が劣ることを表す。下向きの性質を an で比べると皮肉に響くので、改まった話し方では反対の軽い性質を du で比べて言い換える。意味は gróm an kelárei と同じになる。

    faronérim fáron fláin.

    読み:ファロネーリン ファーロン フライン。

    faronér-imfáronfláin.
    担ぐ-<私が>荷<対格>軽い

    「私は軽い荷を担ぐ。」

    崖道でよく聞く言い方。荷は重性で主格と対格が同じ形なので、形容詞も重性・対格の形(語尾なし)になる。

    éso fáron némes fláin.

    読み:エーソ ファーロン ネーメス フライン。

    és-ofáronném-esfláin.
    いる-<(重いものが)>荷<主格>私-<属格>軽い

    「私の荷は軽い。」

    「AはBだ」の文で、繋辞 és- を文頭に置いている。荷 fáron は重性なので、繋辞は -o をとる。形容詞 fláin は重性・主格の形で、語尾はつかない。

    éso ómbo lisáres fláin.

    読み:エーソ オンボ リサーレス フライン。

    és-oómbolis-ár-esfláin.
    いる-<(重いものが)>指<主格>書く-<〜する人>-<属格>軽い

    「書記の指は軽やかだ。」

    書法の上手な人をほめる言い方。指は体の部分なので重性で、繋辞も述語の形容詞も重性の形になる。重いはずの体の部分が「軽い」と言われるところに、ほめる響きがある。

    gróm kréin, fláin selvá.

    読み:グローン クレーン、フライン セルヴァー。

    grómkréin,fláinselvá.
    重い骨<主格>軽い息<主格>

    「骨は重く、息は軽い。」

    諺。繋辞 és- を落として述語の形容詞を先に置く、格言の語順になっている。体(骨)は下へ沈み、息(魂)は上へ昇るという世界観を言い表す。弔いの席でも引かれる。

    gróm frélo, fláin aurá.

    読み:グローン フレーロ、フライン アウラー。

    grómfrélo,fláinaurá
    重い魚<主格>軽い縁鷲<主格>

    「重きは魚、軽きは縁鷲。」

    「重いものは下へ、軽いものは上へ」という世界観を言い表す格言。諺では繋辞 és- を落とし、述語の形容詞を先に置く。水に沈む魚は重性、空を昇る鷲は軽性で、両者が文法の性でも対になっている。

    gléin nourá, fláin selvá.

    読み:グレーン ノウラー、フライン セルヴァー。

    gléinnourá,fláinselvá.
    清い心軽い息

    「清きは心、軽きは息。」

    諺。繋辞を落とし、形容詞を先に出す格言の語順。心が清ければ息(言葉)は軽く昇る、という教え。

    gróm hémbro, fláin selvá.

    読み:グローン ヘンブロ、フライン セルヴァー。

    grómhémbro,fláinselvá.
    重い恥<主格>軽い息<主格>

    「重きは恥、軽きは息。」

    諺。繋辞を落とし、述語の形容詞を先に置くのは格言の形。恥は人を重くして下へ引くものとされ、重性名詞になる。

    gróm grúndo, fláin selvá.

    読み:グローン グルンド、フライン セルヴァー。

    grómgrúndo,fláinselvá.
    重い負い目<主格>軽い息<主格>

    「重きは負い目、軽きは息。」

    諺。繋辞を落とし、述語の形容詞を先に置いているので、格言だとわかる。負い目は人を「重く」して下へ引くものとされる。形容詞は主語に一致するが、どちらも単数の主格なので語尾はつかない。

    dulénde fláin, faronár!

    読み:ドゥレンデ フライン、ファロナール!

    duléndefláin,faronár!
    道中ご無事で軽い運び人

    「運び人よ、道中ご無事で。」

    崖道の上り口で、荷を担いで下りていく運び人を見送るときの言い方。dulénde はもとは dúl-「下る」の願望法で、fláin「軽く」を添えるのが決まった形。「足取りも魂も軽いまま下りられるように」という含みがある。

    dulénde fláin! hóin an glünlúinei.

    読み:ドゥレンデ フライン!ホイン アン グリュンルーイネイ。

    duléndefláin!hóinanglünlúin-ei.
    道中ご無事で軽い帰る<命令法><あなたが>上手凍りの頃-<与格>

    「道中ご無事で。凍りの頃の前に帰ってこいよ。」

    縁の市へ下りる家族を見送るときの、くだけた言い方。後半は命令法2人称単数(むき出しの語幹)で、目下や身内への言い方になる。an+与格「〜の上手で」は時間では「〜の前に」を表す。凍りの頃には崖道が凍るので、その前に帰れという意味。

    nagróm. éso fáron fláin.

    読み:ナグローン。エーソ ファーロン フライン。

    nagróm.és-ofáronfláin.
    どういたしましている-<(重いものが)>荷<主格>軽い

    「どういたしまして。荷は軽かったよ。」

    荷を担いでもらった礼への返事。「重くない」の nagróm に「荷は軽い」と重ねて、相手の気づかいを打ち消している。荷 fáron は重性なので、繋辞は -o、述語の形容詞 fláin は重性・主格の形(語尾なし)になる。

    éso fleló só fláin

    読み:エーソ フレロー ソー フライン

    és-oflelósófláin
    いる-<(重いものが)>素焼き<主格>この<重性>軽い

    「この素焼きは軽い。」

    日常で釉をかけない土器を評す文。fleló は仕上げの性質を指す語だが、仕上げを施した器をまとめて指す名詞としても働く。重性o語幹名詞として扱われ、指示詞は重性の só を取る。

    ésa snéla fláin.

    読み:エーサ スネーラ フライン。

    és-asnélafláin.
    いる-<(軽いものが)>布<主格>軽い

    「布は軽い。」

    「布は軽い」の判断文。繋辞 és- は3人称単数・軽性の語尾 -a をとる。

    ésa vandíña fláin

    読み:エーサ ヴァンディーニャ フライン

    és-avandíñafláin
    いる-<(軽いものが)>小分銅<主格>軽い

    「小分銅は軽い。」

    主語 vandíña は軽性a語幹の単数主格。存在動詞は軽性の ésa。述語形容詞 fláin は主語に一致し、軽性単数主格は無表記。

  2. 上品な

    人や言葉が礼にかない、上品であることをほめて言う。

    selvána aurél virán fláinan.

    読み:セルヴァーナ アウレール ヴィラーン フライナン。

    selván-aaurélvir-ánfláin-an.
    おっしゃる-<(軽いものが)>あの方<主格>言葉-<対格>上品な-<軽性・対格>

    「あの方は上品なお言葉をおっしゃる。」

    目上の人をほめる言い方。selván- は「言う」の尊敬の補充形。fláin は「軽い」から転じて、礼にかなった上品さを表す。軽い言葉ほど上へ昇る、という考え方がもとになっている。

    nóurim ré ésa lisár té fláin.

    読み:ノーリン レー エーサ リサール テー フライン。

    nóur-imréés-alis-ártéfláin.
    思う-<私が><〜と(節)>いる-<(軽いものが)>書く-<〜する人>あの<軽性>上品な

    「あの書記は上品だと思う。」

    ré は「〜と」の節を導き、その節は主節の後ろに置く。ré の後ろの節も動詞で始まる。指示詞 té は強勢をもち、名詞句の終わりの目印になる。

解説

重さが少ないことを表す形容詞。軽いものは上へ昇るという世界観から、人や言葉について言えば上品、礼にかなった、というほめ言葉になる。改まった話し方では、下向きの性質を an で比べて皮肉に響くのを避けるため、「より重い」と言う代わりに fláin du 〜「軽さで〜に劣る」と言い換える(éso gandér fláin du lónei)。

文法

形容詞。名詞の後ろに置き、一致する。

語源

古高原語 *fláin から。動詞から派生した分詞ではなく、本来の形容詞。

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