grém-

品詞
動詞(他動詞)
意味
恐れる
発音
[ˈgrem]
読み
グレム
分野
知覚・感情・思考・発話

意味

  1. 恐れる

    危険や不吉なものをこわがる。対象は属格でとる。

    mé grém dáloros!

    読み:メー グレーン ダーロロス!

    mégrémdálor-os!
    <禁止・願いの打ち消し>恐れる<命令法><あなたが>下の国-<属格>

    「下の国をこわがるな。」

    禁止は mé+命令法で言う。命令法の2人称単数は語幹そのまま。下向きの話し方で、崖道の年長者が若い者を励ますときなどに使う。

    gréma lisár ausenáres.

    読み:グレーマ リサール アウセナーレス。

    grém-alis-árau-sen-ár-es.
    恐れる-<(軽いものが)>書く-<〜する人・主格><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>-<属格>

    「書記は目付殿をこわがっている。」

    grém- は恐れる対象を対格ではなく属格でとる。目上の人を指す名詞には、目的語になっても au- をつけたままにする。

    grémim virár klérar senáres.

    読み:グレーミン ヴィラール クレーラル セナーレス。

    grém-imvir-árklér-arsen-ár-es.
    恐れる-<私が>言葉-<〜らの>よそよそしい-<軽性・〜ら(古い母音交替)・属格>見る-<〜する人>-<属格>

    「「私は目付のよそよそしい言葉が怖い。」」

    人の態度の冷たさを言う転義。言葉 virá は軽性なので、形容詞も軽性・複数・対格の -ais で一致する。所有者を表す属格 senáres は、形容詞の後ろに置く。

    néulimor þáilan élvares, grémimor nébros.

    読み:ネウリモル サイラン エルヴァレス、グレーミモル ネーブロス。

    néul-imorþáil-anélvar-es,grém-imornébr-os.
    好む-<我々が>澄み-<対格>天-<属格>恐れる-<我々が>霧-<属格>

    「「我々は空の澄みを好み、霧を恐れる。」」

    þáil を名詞として使い、軽性の対格 -an をつけている。二つの主節を読点で区切って並べた文。澄んだ空と霧を、上と下の対として語る高原らしい言い方。

    nagróm. mé grém, endríña.

    読み:ナグローン。メー グレーン、エンドリーニャ。

    nagróm.mégrém,endríña.
    気にするな<禁止・願いの打ち消し>恐れる<命令法><あなたが>子ども

    「気にするな。怖がらなくていい、坊や。」

    器を割った子どもなどをなだめる言い方。禁止は mé+命令法で言い、命令法の2人称単数は、語幹をそのまま使う。目下の者への下向きの話し方である。

  2. 畏れる

    祖先・星・王など、高いものをかしこみ敬う。

    gremésa aursárar si aldáres áurenes.

    読み:グレメーサ アウルサーラル シ アルダーレス アウレネス。

    grem-és-aaursár-arsialdár-esáur-en-es.
    畏れる-<〜すべし>-<(軽いものが)>祖先-<〜らの>と座-<属格>昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格>

    「人は祖先と高き座を畏れるべし。」

    教えの書や詞に見える当為法の文。主語を言わないので「人は」という一般の主語になり、軽性の形をとる。強勢が -és- に移るので、語根の ´ は消える。畏れる対象は属格でとり、分詞 áurenes も aldáres の属格に一致する。

    lúin sénan éndrai sílarau, gréman aursárar.

    読み:ルーイン セーナン エンドライ シーララウ、グレーマン アウルサーラル。

    lúinsén-anéndr-aisílar-au,grém-anaursár-ar.
    とき見る-<彼らが>人-<〜たちが>月-<双数>畏れる-<彼らが>祖先-<〜らの>

    「人は二つの月を仰ぐとき、祖先を畏れかしこむ。」

    lúin の節は主節の前に置く。月は星ではないので双数で言える。後半の主節では主語を言っていないが、動詞の語尾から前半と同じ人々だとわかる。畏れる対象は属格でとる。

解説

恐れる・畏れることを表す。高原では恐れを「重くなること」と感じるので、恐れる対象は対格ではなく属格でとる(「〜から重くなる」):grémim nébros「私は霧を恐れる」。危険への恐怖にも、祖先や星への畏敬にも使う。畏敬の意味では、恐れる側が軽く澄んでいなければならないという含みがあり、詞の中では「祖先を畏れよ」が決まった句になっている。

文法

完了語根 gréem-。恐れる対象は属格(または es+属格)。尊敬 augrém-、謙譲 dugrém-。

語源

形容詞 gróm「重い」と同じ語根の母音交替形。

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