小説
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囲む
人や物が、あるもののまわりを四方から輪になって取り巻くこと。炉や火、獲物、話の中心になる人などについて言う。
houméran endríñai elþán
読み:ホウメーラン エンドリーニャイ エルサーン
| houmér-an | endríñ-ai | elþ-án |
| 囲む-<彼らが> | 子ども-<〜たちが> | 火-<対格> |
「子どもたちが火を囲む。」
日常場面。elþá「火」は軽性a語幹で、単数対格は elþán。主語 endríñai は「子どもたち」の複数主格。
houméran dráunai hervíñan
読み:ホウメーラン ドラウナイ ヘルヴィーニャン
| houmér-an | dráun-ai | hervíñ-an |
| 囲む-<彼らが> | 狼-<〜たちが> | 小鹿-<対格> |
「狼たちが小鹿を囲む。」
獣が獲物を四方から取り巻く場面。dráun「狼」は軽性の子音語幹で、複数主格は dráunai。hervíña「小鹿」は軽性a語幹で、単数対格は hervíñan。
炉ばたに集う
本来の意味。家の者や客が炉のまわりに座ること。目的語の hóum を省いて、家族がそろうことも言う。
houméran endríñai si torárai ó
読み:ホウメーラン エンドリーニャイ シ トラーライ オー
| houmér-an | endríñ-ai | si | torár-ai | ó |
| 囲む-<彼らが> | 子ども-<〜たちが> | と | 客-<〜たちが> | <3人称単数・重性・対格> |
「子どもたちと客たちは、炉を囲んで炉ばたに集う。」
本来は目的語 hóum「炉」を伴う他動詞用法。目的語を省略しないため、3人称重性の対格 ó を残す。
(星盤で)囲んで取る
星盤で、相手の石のまわりを自分の石で隙間なく取り巻くこと。二つの石で挟む klámb- と対になる手。
houmér món só!
読み:ホウメール モーン ソー!
| houmér | món | só |
| 囲む<命令法><あなたが> | 石<対格> | この<重性> |
「この石を囲め!」
星盤の手を指示する言い方。klámb-「挟む」が線の上で両側から押さえる手なのに対し、houmer- は輪にして取り巻く手。
何かのまわりを四方からぐるりと取り巻くこと。もとは「炉(hóum)を囲む」、つまり家の者が炉ばたに輪になって座ることを言う語で、そこから、人や物が一つのものを輪になって取り巻くこと全般に広がった。囲まれるものを対格の目的語にとる(houmérimor elþán「我々は火を囲む」)。盤上遊戯の星盤では、相手の石のまわりを自分の石で隙間なく取り巻いて取ることを言い、二つの石で一列に挟んで取る klámb-「挟む」と対になる用語になっている。klámb- が線の上で両側から押さえる手なのに対して、houmér- は輪で閉じこめる手で、仕上がるまでに手数がかかるが、決まれば逃げ道がないとされる。もとが炉ばたの語なので、人が集まって輪になる場面では温かい響きがある。ただし、目上の人を囲むと言うと、上座を空けずに取り巻くことになるので無作法に聞こえる。改まった場では、目上の人については「おそばに控える」の言い方を使う。
他動詞。囲まれるものを対格でとる。-ér- による派生動詞なので強勢は -ér- にあり、強勢をもつ法の接尾辞がつくとそちらに移る(仮定法2単 houmeríres「もし(お前が)囲むなら」、推量法 houmeréla)。完了語幹は houméer-(-ér- の e を長くする)。命令法2単は houmér!。分詞は houméren「囲まれた」。
hóum「炉」に、名詞から動詞を作る -ér- がついた語。字義は「炉をする」で、炉ばたに輪になって座ることから「囲む」の意味になった。強勢は -ér- に移る。
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