小説
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知る
事柄や道筋を知っている、知るようになる。ré の節で知っている内容を示す。
ráinsim.
読み:ラインシン。
| ráins-im. |
| 知る<〜し終えた>-<私が> |
「わかった(知るようになった)。」
状態を表す動詞の完了は、「〜するようになった」というなり始めを表す。
rainíþa ólmar loimán dulóurei téir lóurul.
読み:ライニーサ オルマル ロイマーン ドゥローレイ テール ロールル。
| rain-íþ-a | ólmar | loim-án | dulóur-ei | téir | lóur-ul. |
| 知る-<〜させる>-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 詞-<対格> | 下の世代の血族-<与格> | 三 | 瀬-<〜たちを> |
「年長者が曾孫に詞を教える。」
森の村などで、古い詞を年長者から三世代下へ受け継ぐ場面。語順は動詞–主語–目的語–与格。dulóur は与格 dulóurei になるが、後ろの téir lóurul は道のりの対格のまま変わらない。
rainíþa ólmar þeláis gandéros kelárail.
読み:ライニーサ オルマル セライス ガンデーロス ケラーライル。
| rain-íþ-a | ólmar | þel-áis | gandér-os | kel-ár-ail. |
| 知る-<〜させる>-<(軽いものが)> | 長老<主格> | 名前-<〜たちを> | 硬木-<属格> | 伐る-<〜する人>-<〜らに> |
「長老は樵たちに硬木の呼び名を教える。」
村の暮らしを述べる文。硬木は、心材の色、沈み方、樹齢、伐ったあとの状態で何通りにも呼び分けられ、その呼び名は村の長老が受け継いで伝える。rainíþ-「教える」は ráin-「知る」に使役の -íþ- がついた形で、教わる人を与格、教える内容を対格でとる。
ráina tókal árnelan, ráina kelár tókalan.
読み:ライナ トーカル アルネラン、ライナ ケラール トーカラン。
| ráin-a | tókal | árnel-an, | ráin-a | kel-ár | tókal-an |
| 知る-<(軽いものが)> | きつつき<主格> | 木-<対格> | 知る-<(軽いものが)> | 伐る-<〜する人・主格> | きつつき-<対格> |
「きつつきは木を知り、樵はきつつきを知る。」
樵のあいだの諺。きつつきの叩く音を聞き分けて、木の中が空洞か詰まっているかを知る習わしを言う。tókal は軽性の子音語幹で、対格は tókal-an。前半と後半はどちらも動詞で始まる VSO の文で、同じ形の文を二つ並べる対句になっている。
na ráinim ré éso sóumbo. mé mán ó!
読み:ナ ライニン レー エーソ ソーンボ。メー マーン オー!
| na | ráin-im | ré | és-o | sóumbo. | mé | mán | ó! |
| <〜ない> | 知る-<私が> | <〜と(節)> | いる-<(重いものが)> | 食べられるきのこ<主格> | <禁止・願いの打ち消し> | 食べる<命令法><あなたが> | <3人称単数・重性> |
「食べられるきのこかどうか、わからない。食べるな!」
年長者が目下の者に注意するときの言い方。ré で「〜と」の節を導く。禁止は「mé+命令法」で言い、mán- の2人称単数命令形はむき出しの語幹 mán。重性の代名詞 ó は主格と対格が同じ形。
rainíþa ólmar sóumbo kelárail.
読み:ライニーサ オルマル ソーンボ ケラーライル。
| rain-íþ-a | ólmar | sóumbo | kel-ár-ail. |
| 知る-<〜させる>-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | きのこ<対格> | 伐る-<〜する人>-<〜らに> |
「年長者が樵たちに、食べられるきのこを教える。」
きのこの見分け方は村の年長者が受け継ぐ知識で、この文はそれを伝える場面を表す。語順は動詞–主語–目的語–与格(受け手)。rainíþ-「教える」は ráin-「知る」に使役の -íþ- がついた語で、強勢は -íþ- に移る。
ésa þelíña némes ráinen ambrélar.
読み:エーサ セリーニャ ネーメス ライネン アンブレーラル。
| és-a | þelíña | ném-es | ráin-en | ambrél-ar. |
| いる-<(軽いものが)> | 幼名<主格> | <私>-<属格> | 知る-<〜した・〜された> | 兄・姉-<〜らの> |
「私の幼名は、兄や姉たちが知っている。」
幼名は家族とごく親しい者しか知らない名なので、それを知っていることが近しさのしるしになる。分詞の後ろの属格 ambrélar は「〜によって」の意味。ambrél は同じ流れの年上のきょうだいを指し、男女を区別しない。
ké ráines ré dúlan faronárai du orén dórel?
読み:ケー ライネス レー ドゥーラン ファロナーライ ドゥ オレーン ドーレル?
| ké | ráin-es | ré | dúl-an | faronár-ai | du | orén | dórel? |
| <〜か> | 知る-<あなたが> | <〜と(節)> | 下る-<彼らが> | 運び人-<〜たちが> | 下手 | 縁<対格> | 明日 |
「運び人たちが明日縁へ下りることを、お前は知っているか。」
知っている内容を ré の節で示す、日常の問い。ké は文のいちばん前に置く。ré の後ろの節も動詞で始まる。下向きか並びの相手に使う言い方。
na duráinim, ausenár.
読み:ナ ドゥライニン、アウセナール。
| na | du-ráin-im, | au-sen-ár. |
| <〜ない> | <〜させていただく>-知る-<私が> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> |
「存じません、目付殿。」
目上の人に問われて答える謙譲の言い方。du- は子音の前なので du のまま。「いいえ」にあたる語はないので、問いの動詞を自分の人称にして na で否定する。呼びかけは役職名を読点で区切り、文末に添える。
glóumim, na ráinim du pó gélim.
読み:グローミン、ナ ライニン ドゥ ポー ゲーリン。
| glóum-im, | na | ráin-im | du | pó | gél-im. |
| 惑う-<私が> | <〜ない> | 知る-<私が> | 下手 | 何<対格> | 行く-<私が> |
「迷ってしまった、下手のどこへ行けばいいのか分からない。」
道に迷ったときの言い方。「どこへ」は方向を決めて du pó のように言うしかない。
rainiþésan rainiþárai hémbro éndrail.
読み:ライニセーサン ライニサーライ ヘンブロ エンドライル。
| rain-iþ-és-an | rainiþár-ai | hémbro | éndr-ail. |
| 知る-<〜させる>-<〜すべし>-<彼らが> | 師-<〜たちが> | 恥じる心<対格> | 人-<〜らに> |
「師たちは、人々に恥を知る心を教えるべし。」
学び舎の心得を記した書の文。当為法の3人称複数。強勢は -és- に移る。教わる相手は与格の複数 -ail で示す。重性の hémbro は対格でも主格と同じ形。
na ráinimor fóndar éles, ésa él ível.
読み:ナ ライニモル フォンダル エーレス、エーサ エール イーヴェル。
| na | ráin-imor | fóndar | él-es, | és-a | él | ível. |
| <〜ない> | 知る-<我々が> | 源<対格> | <3人称単数・軽性>-<属格> | いる-<(軽いものが)> | <3人称単数・軽性> | 成り上がりの |
「あの者の源を我々は知らない。あの者は成り上がりだ。」
婚姻の取り決めで、系譜読みが相手の家を値踏みするときの言い方。重性の fóndar は、対格でも形が変わらない。所有者を表す属格 éles は名詞の後ろに置く。後半は「és-–主語–述語」の順。
ráinim nourán fóuman séulines.
読み:ライニン ノウラーン フォーマン セウリネス。
| ráin-im | nour-án | fóum-an | séulin-es. |
| 知る-<私が> | 心-<対格> | 親身な-<軽性・対格> | 友-<属格> |
「私は友の親身な心を知っている。」
心やもてなしの温かさも fóum で表す。nourá「心」は語尾に強勢のある軽性a語幹なので、対格は -án になる。形容詞は語根に強勢があるので、無強勢の -an で一致する。
na ráina faronár lisáis, ráina símbo.
読み:ナ ライナ ファロナール リサイス、ライナ シンボ。
| na | ráin-a | faronár | lis-áis, | ráin-a | símbo. |
| <〜ない> | 知る-<(軽いものが)> | 運び人<主格> | 字-<〜たちを> | 知る-<(軽いものが)> | 焼印<対格> |
「運び人は字を知らないが、焼印なら知っている。」
後半の文は、主語が前半と同じなので省いている。símbo は重性o語幹なので、対格も主格と同じ形になる。ここでは単数で「焼印というもの」を総称している。同じ形の焼印が何百本もの丸太に押されているので、字の読めない者もまず焼印の形を覚える。
rainíþa rainiþár férmalan kloimárail.
読み:ライニーサ ライニサール フェルマラン クロイマーライル。
| rain-íþ-a | rain-iþ-ár | férmal-an | kloim-ár-ail. |
| 知る-<〜させる>-<(軽いものが)> | 知る-<〜させる>-<〜する人・主格> | 法-<対格> | 学ぶ-<〜する人>-<〜らに> |
「師は弟子たちに法を教える。」
書記を育てる学び舎での営みを述べる文。基本の語順は、動詞–主語–目的語–与格(受け手)。rainíþ-「教える」は ráin-「知る」の使役形で、-ár をつけると「師」になる。
na ráines tróvalan, endríña.
読み:ナ ライネス トローヴァラン、エンドリーニャ。
| na | ráin-es | tróval-an, | endríña. |
| <〜ない> | 知る-<あなたが> | 作法-<対格> | 子ども<主格> |
「お前は作法を知らないね、坊や。」
年長者が子どもをたしなめる、下向きの話し方。2人称の動詞をそのまま使っている。tróval は軽性の子音語幹で、対格は -an。呼びかけには呼格を使わず、名詞を読点で区切って文末に添える。
na ésa ilanrimbá ráinen éndrar, ráinan ilanárai.
読み:ナ エーサ イランリンバー ライネン エンドラル、ライナン イラナーライ。
| na | és-a | ilanrimbá | ráin-en | éndr-ar, | ráin-an | ilanár-ai. |
| <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 灯の数え<主格> | 知る-<〜した・〜された> | 人-<〜らの> | 知る-<彼らが> | 星読み-<〜たちが> |
「灯の数えは世の人に知られていない。知っているのは星読みたちだ。」
灯の数えが秘儀であることを言う、一般向けの説明の文。分詞の後ろの属格 éndrar は「人々によって」の意味になる。接続詞を使わずに主節を二つ並べるので、あいだに区切りの印(読点)を打つ。ilanrimbá は ilána(灯)と rimbá(数)を合わせた複合語で、軽性である。
na ráina dalorár sárvo némores.
読み:ナ ライナ ダロラール サルヴォ ネーモレス。
| na | ráin-a | dalorár | sárvo | némor-es. |
| <〜ない> | 知る-<(軽いものが)> | 下の国の者<主格> | 禁忌<対格> | <我々>-<属格> |
「下の国の者は、我々の禁忌を知らない。」
干潟の人について、高原の人が言う決まり文句。どこか見下す響きがある。sárvo は重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。ここでは単数で「禁忌というもの」を総称している。「我々の」は代名詞 némor の属格 némores で表し、名詞の後ろに置く。
ké ráines ré ésa orenvandár té sal þrénuls?
読み:ケー ライネス レー エーサ オレンヴァンダール テー サル スレーヌルス?
| ké | ráin-es | ré | és-a | orenvandár | té | sal | þrén-uls? |
| <〜か> | 知る-<あなたが> | <〜と(節)> | いる-<(軽いものが)> | 縁商人<主格> | あの<軽性> | 〜の枠の外に | 段-<〜らに> |
「あの縁商人が段の外の者だと、お前は知っているか。」
同じ段どうしの、くだけた問い。縁商人が仮の段の者として扱われるのは市の札が効く商いの場だけで、それ以外では段の外の者だ、ということを話題にしている。指示詞 té は強勢をもち、後ろに続くのが動詞ではなく前置詞なので、関係節の小辞 ti と取り違えることはない。
ké ráines ombríl só?
読み:ケー ライネス オンブリール ソー?
| ké | ráin-es | ombríl | só? |
| <〜か> | 知る-<あなたが> | 句<対格> | この<重性> |
「この句を知っているか。」
同じ段か目下の相手への、くだけた問い。ombríl は重性なので、指示詞は重性の só を使う。「はい」「いいえ」にあたる語はなく、ráinim(知っている)か na ráinim(知らない)と動詞を繰り返して答える。
trál lisáis rainiþáres!
読み:トラール リサイス ライニサーレス!
| trál | lis-áis | rain-iþ-ár-es! |
| 手本をなぞる<命令法><あなたが> | 字-<〜たちを> | 知る-<〜させる>-<〜する人>-<属格> |
「師の字をなぞれ。」
書の稽古で、師が弟子に言う下向きの命令。rainiþár「師」は ráin-「知る」に使役の -íþ- と「〜する人」の -ár がついた語で、ここでは属格「師の」。
na rainiþíre kréva ó, na ráina éndra ó sarénei.
読み:ナ ライニシーレ クレーヴァ オー、ナ ライナ エンドラ オー サレーネイ。
| na | rainiþ-ír-e | kréva | ó, | na | ráin-a | éndra | ó | sarén-ei. |
| <〜ない> | 教える-<もし〜なら>-<(軽いものが)> | 練習<主格> | <3人称単数・重性・対格> | <〜ない> | 知る-<(軽いものが)> | 人<主格> | <3人称単数・重性・対格> | 本番-<与格> |
「練習でできないことは、本番でもできない。」
【既存の用例との照合】既存の用例と比べて、次の点が一致していることを確かめました。 - kréva「練習」は語根に強勢のあるa語幹です(対格は kréva-n)。ここでは主格のまま主語に使っています。 - 「教える」は使役形 rainíþ- です(rainiþ-énd-e、rain-íþ-a と同じ語)。 - 否定の na は動詞の直前に置きます。 - 仮定法の節は主節の前に置き、接続詞は使いません(toríro nébro…, na senéimor… と同じ型)。 - 目的語の ó は 3SG.HV.ACC とグロスします。 直すべき食い違いはなかったので、訳は変えていません。 【言い換え】辞書には「できる」にあたる語がありません。そこで ráin-「知る・心得ている」で言い換えました。後半は「人は本番でそれを心得ていない」になります。前半は同じ動詞の使役形 rainíþ-「教える(=知らせる)」を使い、「練習が身につけさせないなら」としました。こうすると、「練習で身につかないものは、本番でも身につかない」という元の意味が保てます。 【構文】仮定法の3人称単数・軽性は -íre です。強勢が -ír- に移るので、-íþ- の強勢は消えます(rainiþíre)。 【一致】 - 前半の主語 kréva は軽性a語幹なので、語尾は -e(仮定法・軽性)になります。 - 後半の主語 éndra「人」は、一般の人を指します。前半とは主語が違うので、省かずに言いました。人なので軽性で、語尾は -a です。 【目的語】目的語の枠は空けられません。どちらの節にも、重性の代名詞 ó(対格)「それ(しなければならない事柄)」を置きました。受け手の「人に」は、言わなくても文が成り立つので省いています。 【法】帰結の節は格言で、一般に成り立つことを言っています。そのため推量法ではなく、直説法で言い切りました。 【「でも」】「も」にあたる小辞は辞書にありません。同じ動詞(ráin-/rainíþ-)と同じ代名詞 ó を前後に並べた対句にして、「同じく〜ない」の響きを出しました。
na ráinim kléiman sé
読み:ナ ライニン クレーマン セー
| na | ráin-im | kléim-an | sé |
| <〜ない> | 知る-<私が> | 呼称-<対格> | この<軽性> |
「この呼称を知らない。」
日常・学び。否定の na は動詞の直前に置く。主語の代名詞は語尾に含まれる。目的語の呼称に軽性対格 -an、指示詞 sé を添える。
ráinim amvirán.
読み:ライニン アンヴィラーン。
| ráin-im | amvir-án |
| 知る-<私が> | 高原語-<対格> |
「私は高原語を知っている。」
日常会話で、高原語を身につけていることを言う文。amvirá は目的語として対格 amvirán をとる。
na ráinim virán, esós drúnim.
読み:ナ ライニン ヴィラーン、エソース ドルーニン。
| na | ráin-im | vir-án, | esós | drún-im. |
| <〜ない> | 知る-<私が> | 言葉-<対格>, | だから | 首を傾ける-<私が> |
「言葉がわからないので、首を傾ける。」
日常会話での一人称の発話。否定の na は直説法動詞の直前に置き、原因を表す接続 esós は後続節の頭に立つ。主語は動詞の人称接辞 -im から示され、名詞は置かない。drúnim は、一度だけ首を横に傾ける仕草を表す自動詞用法。
lúin na ráinan endríñai amvirán, drúnan.
読み:ルーイン ナ ライナン エンドリーニャイ アンヴィラーン、ドルーナン。
| lúin | na | ráin-an | endríñ-ai | amvir-án, | drún-an. |
| とき | <〜ない> | 知る-<彼らが> | 子ども-<〜たちが> | 高地語-<対格>, | 首を傾ける-<彼らが> |
「子どもたちは高地語がわからないと、首を傾ける。」
書物的な常態表現。lúin が「〜すると」と副節を導く。副節は否定の na、動詞、主語、目的語の順で、主節は人称接辞 -an が副節の主語 endríñai を受けて省略される。drúnan は、聞き手が相手の言葉を整理しようとするときに見られる自動詞用法。
面識がある
人を対格の目的語にとって、その人と見知った間柄であることを言う。
ké ráines orenvandáran té?
読み:ケー ライネス オレンヴァンダーラン テー?
| ké | ráin-es | orenvandár-an | té? |
| <〜か> | 面識がある-<あなたが> | 縁商人-<対格> | あの<軽性> |
「あの縁商人と知り合いか。」
人を対格の目的語にとると「見知っている」の意味になる。指示詞 té は格変化せず、名詞句の終わりに置く。
na ráinim éndran té. ké ráines élan?
読み:ナ ライニン エンドラン テー。ケー ライネス エーラン?
| na | ráin-im | éndr-an | té. | ké | ráin-es | él-an? |
| <〜ない> | 面識がある-<私が> | 人-<対格> | あの<軽性> | <〜か> | 面識がある-<あなたが> | <3人称単数・軽性>-<対格> |
「あの人は知らない。お前は知っているか。」
日常の会話。二度目は代名詞の対格 élan で、前に出た人を受けている。目上の人を指すときは、代名詞を使わず役職名で言う。
心得ている
系譜・詞・作法などを身につけていること。改まった場ではほめ言葉になる。
ráina ólmar loimán gandéros.
読み:ライナ オルマル ロイマーン ガンデーロス。
| ráin-a | ólmar | loim-án | gandér-os. |
| 心得ている-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 詞-<対格> | 硬木-<属格> |
「年長者は硬木の詞を心得ている。」
硬木を伐るときに唱える詞のような、身につけた知識について言う。属格 gandéros は名詞の後ろに置く。
auráina aurainiþár sáindarais fóndelais.
読み:アウライナ アウライニサール サインダライス フォンデライス。
| au-ráin-a | au-rainiþár | sáindar-ais | fóndel-ais. |
| <お〜になる・御〜>-心得ている-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-師 | 証文-<〜たちを> | 由緒ある-<〜たちを> |
「師は由緒ある証文をよくご存じでいらっしゃる。」
改まった場で使う、ほめ言葉としての用法。動詞にも名詞にも尊敬の au- がつく。形容詞 fóndel は名詞の性・数・格(軽性・複数・対格)に一致する。
事柄・人・道筋などを知っている、または知るようになることを表す、もっとも基本的な認識の動詞。目的語は対格でとり、「〜ということを知る」は ré の節を続ける。未完了の ráin- は「知っている・知りつつある」、完了の ráins- は「知るに至った・もう知っている」の意味になる。系譜を一瀬も欠かさず知っていることは教養のしるしなので、改まった場では ráin- が「心得ている」というほめ言葉の響きを帯びる。人を目的語にすると「面識がある」の意味。完了 ráins- は「知るようになった=わかった」の意味になる(状態を表す動詞の完了はなり始め)。
完了語根 ráins-(二重母音の語根なので -s- を足す)。命令2単 ráin。尊敬 auráin-「ご存じである」、謙譲 duráin-「存じ上げる」(母音で始まる語根ではないので融合しない)。
古高原語 *ráin- から
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