rainíþ-

品詞
動詞(他動詞)
意味
教える
辞書形
rainíþa
発音
[raiˈniθa]
読み
ライニーサ
分野
文字・書物・学び

意味

  1. 教える

    人に知識や技を伝えること。

    aurainiþénde aulisár lisáis némei.

    読み:アウライニセンデ アウリサール リサイス ネーメイ。

    au-rainiþ-énd-eau-lisárlis-áisném-ei.
    <お〜になる・御〜>-教える-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-書記字-<〜たちを><私>-<与格>

    「書記の方に、私に字をお教えいただきたく存じます。」

    目上の書記に教えを請う、上向きの願い。動詞にも名詞にも尊敬の au- をつける。教わる人は与格で言う。強勢は願望法の -énd- に移るので、使役の -íþ- の強勢は消える。

    rainíþa rainiþár lisáis kloimárei.

    読み:ライニーサ ライニサール リサイス クロイマーレイ。

    rainíþ-arainiþ-árlis-áiskloim-ár-ei.
    教える-<(軽いものが)>教える-<〜する人>字-<〜たちを>学ぶ-<〜する人>-<与格>

    「師は弟子に字を教える。」

    rainíþ- は ráin-「知る」に使役の -íþ- がついた語で、「知らせる」から「教える」になった。行為者名詞 rainiþár「師」は同じ語根から作られている。教わる人は与格で表す。

    aurainiþénde aulisár lisán sé némei.

    読み:アウライニセンデ アウリサール リサーン セー ネーメイ。

    au-rainiþ-énd-eau-lis-árlis-ánséném-ei.
    <お〜になる・御〜>-教える-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-書く-<〜する人>字-<対格>この<軽性><私>-<与格>

    「書記の方に、この字をお教えいただきたく存じます。」

    目上の人に教えを請う改まった言い方。尊敬の au- を動詞と名詞の両方につけ、願望法の3人称で頼む。強勢は願望法の -énd- に移り、語根の強勢は消える。

    selvána rainiþár ré ésa traimlisá sé fóndel.

    読み:セルヴァーナ ライニサール レー エーサ トラインリサー セー フォンデル。

    selván-arainiþ-árréés-atraimlisáséfóndel.
    おっしゃる-<(軽いものが)>教える-<〜する人><〜と(節)>いる-<(軽いものが)>年ごとの記録<主格>この<軽性>古い

    「この年ごとの記録は由緒あるものだと、師はおっしゃる。」

    学び舎での言い方。fóndel は「由緒ある古さ」を表す形容詞で、trúum「古びた」とは含みが違う。師を高めて「言う」の尊敬の補充形 selván- を使っている。

    rainíþa rainiþár lisáis kloimárail.

    読み:ライニーサ ライニサール リサイス クロイマーライル。

    rainíþ-arainiþárlis-áiskloimár-ail
    教える-<(軽いものが)>師<主格>字-<〜たちを>弟子-<〜らに>

    「師は弟子たちに字を教える。」

    基本の語順「動詞–主語–目的語–与格」の文。rainiþár は rainíþ-「教える」に -ár「〜する人」がついた語で、強勢は -ár に移る。教わる人は与格で表す。

    pómbar kloimárais rainíþes?

    読み:ポンバル クロイマーライス ライニーセス?

    pómbarkloimár-aisrainíþ-es
    いくつ弟子-<〜たちを>教える-<あなたが>

    「弟子を何人教えているのか。」

    同じ段の師どうしの会話。目上の人は数えないが、弟子は目下なので、数を尋ねる疑問詞 pómbar で数えてよい。疑問詞は名詞句ごと文頭に出て、名詞は複数対格になる。

    aurainiþénde aurainiþár lisáis dunémei.

    読み:アウライニセンデ アウライニサール リサイス ドゥネーメイ。

    au-rainiþ-énd-eau-rainiþárlis-áisduném-ei
    <お〜になる・御〜>-教える-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-師<主格>字-<〜たちを>手前-<与格>

    「師の方に、手前に字をお教えいただきたく存じます。」

    弟子が師に願い出るときの上向きの言い方。命令法ではなく願望法の3人称を使い、目の前の師を3人称の主語 aurainiþár として扱う。動詞にも名詞にも尊敬の au- がつき、r で始まる語なので au- はそのままの形でつく。自分は謙譲の代名詞 duném の与格で言う。

    na rainiþíre kréva ó, na ráina éndra ó sarénei.

    読み:ナ ライニシーレ クレーヴァ オー、ナ ライナ エンドラ オー サレーネイ。

    narainiþ-ír-ekrévaó,naráin-aéndraósarén-ei.
    <〜ない>教える-<もし〜なら>-<(軽いものが)>練習<主格><3人称単数・重性・対格><〜ない>知る-<(軽いものが)>人<主格><3人称単数・重性・対格>本番-<与格>

    「練習でできないことは、本番でもできない。」

    【既存の用例との照合】既存の用例と比べて、次の点が一致していることを確かめました。 - kréva「練習」は語根に強勢のあるa語幹です(対格は kréva-n)。ここでは主格のまま主語に使っています。 - 「教える」は使役形 rainíþ- です(rainiþ-énd-e、rain-íþ-a と同じ語)。 - 否定の na は動詞の直前に置きます。 - 仮定法の節は主節の前に置き、接続詞は使いません(toríro nébro…, na senéimor… と同じ型)。 - 目的語の ó は 3SG.HV.ACC とグロスします。 直すべき食い違いはなかったので、訳は変えていません。 【言い換え】辞書には「できる」にあたる語がありません。そこで ráin-「知る・心得ている」で言い換えました。後半は「人は本番でそれを心得ていない」になります。前半は同じ動詞の使役形 rainíþ-「教える(=知らせる)」を使い、「練習が身につけさせないなら」としました。こうすると、「練習で身につかないものは、本番でも身につかない」という元の意味が保てます。 【構文】仮定法の3人称単数・軽性は -íre です。強勢が -ír- に移るので、-íþ- の強勢は消えます(rainiþíre)。 【一致】 - 前半の主語 kréva は軽性a語幹なので、語尾は -e(仮定法・軽性)になります。 - 後半の主語 éndra「人」は、一般の人を指します。前半とは主語が違うので、省かずに言いました。人なので軽性で、語尾は -a です。 【目的語】目的語の枠は空けられません。どちらの節にも、重性の代名詞 ó(対格)「それ(しなければならない事柄)」を置きました。受け手の「人に」は、言わなくても文が成り立つので省いています。 【法】帰結の節は格言で、一般に成り立つことを言っています。そのため推量法ではなく、直説法で言い切りました。 【「でも」】「も」にあたる小辞は辞書にありません。同じ動詞(ráin-/rainíþ-)と同じ代名詞 ó を前後に並べた対句にして、「同じく〜ない」の響きを出しました。

    rainíþa rainiþár pílman sé.

    読み:ライニーサ ライニサール ピルマン セー。

    rainíþ-arainiþárpílm-ansé
    教える-<(軽いものが)>師<主格>字の読み-<対格>この<軽性>

    「師がこの字の読みを教える。」

    文字教学の場での文。pílma の単数対格は pílman。読みそのものは物・抽象物として扱うが、主語 rainiþár は人なので動詞は軽性単数になる。

    rainíþim þúmvan endríñail sérin

    読み:ライニーシン スンヴァン エンドリーニャイル セーリン

    rainíþ-imþúmv-anendríñ-ailsérin
    教える-<私が>口笛-<対格>子-<与格・〜ら(古い母音交替)>このように

    「子どもたちに口笛をこのように教える。」

    教則・作法の書のような記述。rainíþ- は教えるものを対格、受け手を与格に取る。endríñail は endríña の与格複数。行為のやり方を教える文脈で、音としての一声ではなく働きを表す。

解説

教わる人を与格で、教える内容を対格で言う他動詞。高原では知識は源から流れ下る水にたとえられ、年長者・段の高い者から下の者へ「下りてくる」ものとされる。そのため目上の人が主語なら au- をつける。目下の者が目上の人に何かを教えるときは、この語を避けて léun-「申す」を使う。

文法

使役動詞。直説法では -íþ- に強勢(rainíþa)。完了は語根を交替させた rainsíþ-。命令2単 rainís!

語源

ráin-「知る」+-íþ-「使役」。「知らせる、知らしめる」。

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