sáko

品詞
名詞
意味
塩
発音
[ˈsako]
読み
サコ
分野
生活・道具・衣食住

意味

  1. 塩

    干潟から運ばれる塩。

    éso sáko némei un kórvoi.

    読み:エーソ サーコ ネーメイ ウン コルヴォイ。

    és-osákoném-eiunkórv-oi.
    いる-<(重いものが)>塩<主格><私>-<与格>内に倉-<与格>

    「私には倉の中に塩がある。」

    持ち主は裸の与格、場所は前置詞+与格。語順は「主語→与格→前置詞句」。

    wéiro sáko némei, duói méirim ó endríñei.

    読み:ウェーロ サーコ ネーメイ、ドゥオイ メーリン オー エンドリーニェイ。

    wéir-osákoném-ei,duóiméir-imóendríñ-ei.
    いる<〜し終えた>-<(重いものが)>塩<主格><私>-<与格>それから与える-<私が><3人称単数・重性・対格>子ども-<与格>

    「私は塩を手に入れ、それから子どもにそれをやる。」

    所有の文の文法上の主語は塩なので、-in ではつなげず duói を使う。

    tóro sáko es dáloros.

    読み:トーロ サーコ エス ダーロロス。

    tór-osákoesdálor-os.
    来る-<(重いものが)>塩<主格>から下の国-<属格>

    「塩は下の国から来る。」

    日常の言い切りの文。塩は干潟から借りた語で、重性に入るので、動詞は重性の -o をとる。塩は「下からの恵み」と呼ばれ、ありがたさと少しの後ろめたさをもって語られる。

    méir sáko, ende.

    読み:メール サーコ、エンデ。

    méirsáko,ende.
    与える<命令法><あなたが>塩どうぞ・頼む

    「塩をくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹(命令法2単と同じ形)で言い、ende を添えて頼みの言い方にする。市は段に乗らない場なので、この形は無礼にならない。ende は願望法の語尾 -énde が固まった小辞。運び人どうしでは énd とも言う。

    táulim sáko es orenvandáres.

    読み:タウリン サーコ エス オレンヴァンダーレス。

    tául-imsákoesorenvandár-es.
    取る-<私が>塩<対格>〜から縁商人-<属格>

    「私は縁商人から塩を受け取る。」

    es+属格は、方向を問わない「〜から」で、物の出どころや受け取る相手を表す。上手からは an、下手からも du ではなく、上下を問わないときは es を使う。sáko は干潟から借りた重性名詞なので、対格は主格と同じ形。

    ké ésau tambór si sáko tásei?

    読み:ケー エーサウ タンボール シ サーコ ターセイ?

    kéés-autambórsisákotás-ei?
    <〜か>いる-<双数>雑穀<主格>と塩<主格><あなた>-<与格>

    「お前のところに雑穀と塩はあるか?」

    市での品の問い合わせ。所有は「ある+持ち主の与格」で言う。単数の名詞を si で二つ並べたので、動詞は双数の ésau になる。si には強勢がなく、後ろの語に寄りかかって発音される。

    pómbar sákul méires némei?

    読み:ポンバル サークル メーレス ネーメイ?

    pómbarsák-ulméir-esném-ei?
    どれほど塩-<〜たちを>与える-<あなたが><私>-<与格>

    「「塩をどれほどくれるんだ?」」

    取引で、対価の量を尋ねる言い方。塩のように数えない物の量を尋ねるときは、名詞を単数のまま置く。帳簿では、ここに青銅の分銅で量った重さの単位を入れる。人を数えることにはならないので、礼の上の差し支えはない。

    duméirim sáko snír autorárei.

    読み:ドゥメーリン サーコ スニール アウトラーレイ。

    du-méir-imsákosnírau-torár-ei.
    <〜させていただく>-与える-<私が>塩<対格>わずかな<お〜になる・御〜>-客-<与格>

    「お客様に、わずかばかりの塩を差し上げます。」

    客をもてなすとき、小皿の塩を出しながら言う決まった言い方。謙譲の du- は m- の前でそのままの形になる。sáko は干潟から借りた重性名詞なので、対格は主格と同じ形で、形容詞 snír にも語尾がつかない。最高の礼である塩をわざと「わずかな」と言うのは、差し出す物を控えめに言う謙遜である。

    sén lámo, ende. éso sáko gléin.

    読み:セーン ラーモ、エンデ。エーソ サーコ グレーン。

    sénlámo,ende.és-osákogléin.
    見る<命令法><あなたが>掌<対格>どうぞいる-<(重いものが)>塩<主格>清い

    「掌を見てくれ、頼む。塩は清いぞ。」

    縁の市の取引言葉。むき出しの語幹 sén に ende を添える。lámo は重性o語幹の名詞なので、対格も主格と同じ形になる。sáko「塩」は干潟から借りた重性名詞なので、繋辞は重性の éso になり、gléin も重性・主格の形(語尾なし)をとる。掌に塩をひとつまみ載せて見せるのは、品を確かめさせるときのしぐさ。

    méira houmár sáko torárei.

    読み:メーラ ホウマール サーコ トラーレイ。

    méir-ahoumársákotorár-ei.
    与える-<(軽いものが)>家の主<主格>塩<対格>客-<与格>

    「家の主は客に塩を出す。」

    もてなしの作法を述べる文。小さな皿に塩をひとつまみ載せて出すのが、客への最高の礼とされる。語順は動詞–主語–目的語–与格。sáko「塩」は干潟から借りた語で重性なので、主格と対格が同じ形。

    an élvares réina, es dáloros sáko.

    読み:アン エルヴァレス レーナ、エス ダーロロス サーコ。

    anélvar-esréina,esdálor-ossáko.
    上手天-<属格>上からの恵み<主格>から下の国-<属格>塩<主格>

    「上からは雨の恵み、下からは塩。」

    動詞のない諺。天からの恵み(軽性の réina)と、下の国から来る塩(重性の sáko)を対にしている。塩をありがたがりながらも少し後ろめたく思う、という気持ちを表す。an+属格は「上手から」の意味になる。

    méira houmár sáko torárei.

    読み:メーラ ホウマール サーコ トラーレイ。

    méir-ahoumársákotorár-ei.
    与える-<(軽いものが)>家の主<主格>塩<対格>客-<与格>

    「家の主が客に塩を与える。」

    基本の語順「動詞–主語–目的語–与格」。受け手は与格で言う。sáko「塩」は干潟から借りた重性名詞で、対格は主格と同じ形。客に小皿で塩をひとつまみ出すのは、もてなしの最高の礼とされる。

    faronerélan faronárai sáko es orénos dórel.

    読み:ファロネレーラン ファロナーライ サーコ エス オレーノス ドーレル。

    faroner-él-anfaron-ár-aisákoesorén-osdórel.
    運ぶ-<〜だろう>-<彼らが>荷-<〜する人>-<〜たちが>塩<対格>から縁-<属格>明日

    「明日、運び人たちが縁から塩を運んでくるだろう。」

    これから先のことは推量法 -él- で言う。強勢は -él- に移り、-ér- の ´ は消える。3人称複数の語尾 -an は性を区別しない。塩 sáko は干潟から来る重性の名詞で、上げ荷の代表である。es+属格で、方向を問わない「〜から」を表す。

    léimim sáko torárei.

    読み:レーミン サーコ トラーレイ。

    léim-imsákotor-ár-ei.
    置く-<私が>塩<対格>来る-<〜する人>-<与格>

    「客人に塩をお出しする。」

    受け手は与格 torárei で言う。小皿に塩をひとつまみ載せて客の前に置くのは最高のもてなしで、léim- がそのまま「(もてなしの品を)出す」の意味で使われる。重性の sáko は主格と対格が同じ形になる。

    tóro sáko es dáloros.

    読み:トーロ サーコ エス ダーロロス。

    tór-osákoesdálor-os.
    来る-<(重いものが)>塩<主格>から下の国-<属格>

    「塩は下の国から来る。」

    sáko は干潟から借りた語で、重性o語幹に属する。そのため動詞は3人称単数・重性の tóro になる。塩は「下からの恵み」と呼ばれ、ありがたさと少しの後ろめたさをもって語られる。

    tául sáko, ende.

    読み:タウル サーコ、エンデ。

    táulsáko,ende.
    取る<命令法><あなたが>塩どうぞ

    「塩を取ってくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹 tául で言い、目的語には格語尾をつけない。ただし sáko は干潟から借りた重性名詞なので、もともと主格と対格は同じ形である。

    méirim kailó si sáko torárei.

    読み:メーリン カイロー シ サーコ トラーレイ。

    méir-imkailósisákotorár-ei.
    与える-<私が>乾酪<対格>と塩<対格>客-<与格>

    「客に乾酪と塩をさしあげる。」

    もてなしの言い方。語順は「動詞–目的語–受け手の与格」。kailó も sáko も重性なので、対格は主格と同じ形になる。客に塩をひとつまみ添えて出すのは、最高の礼とされる。

    méiran orenvandárai sáko, méirimor kumbórul.

    読み:メーラン オレンヴァンダーライ サーコ、メーリモル クンボールル。

    méir-anorenvandár-aisáko,méir-imorkumbór-ul.
    与える-<彼らが>縁商人-<〜たちが>塩<対格>与える-<我々が>青銅器-<〜たちを>

    「縁商人は塩を出し、我々は青銅器を出す。」

    取引の取り決めを述べる文。二つの主節を接続詞なしで並べ、読点で区切っている。上げ荷の塩と下ろし荷の青銅器を対にして言うのは、帳簿の見開きの書き方にも通じる言い回しである。

    glóiren! duméirim sáko autorárei.

    読み:グロイレン!ドゥメーリン サーコ アウトラーレイ。

    glóiren!du-méir-imsákoau-torár-ei.
    ようこそ<〜させていただく>-与える-<私が>塩<対格><お〜になる・御〜>-客-<与格>

    「ようこそ。お客人に塩を差し上げます。」

    客に小皿の塩をひとつまみ出す、最高のもてなしのときの言い方。謙譲の du- をつけた動詞と、au- で高めた与格の「お客人に」を並べ、自分と相手の上下を文法の上でも示す。sáko「塩」は重性なので、対格も主格と同じ形になる。

    auríþen. dúmarim sáko.

    読み:アウリーセン。ドゥーマリン サーコ。

    auríþen.dúmar-imsáko.
    かたじけないいただく-<私が>塩<対格>

    「かたじけない。塩をいただきます。」

    もてなしの席で、小皿に盛った塩をひとつまみ出されたときの客の返事。塩を出すのは最高のもてなしなので、くだけた fláinim ではなく改まった auríþen を使う。dúmar- は「食べる」の謙譲の補充形。sáko は重性o語幹の名詞なので、対格も主格と同じ形になる。

    póso? sáko es dáloros.

    読み:ポーソ?サーコ エス ダーロロス。

    póso?sákoesdálor-os.
    これは何だ塩<主格>から下の国-<属格>

    「これは何だ? 下の国から来た塩だよ。」

    二人の発話。市で品物を手に取って尋ね、相手が名詞句だけで答えている。póso は疑問詞 pó「何」と重性の指示詞 só「この」が縮まってできた定型の問いで、一語として扱う。品物はたいてい重性なので só の形で固まった。答えは動詞を省いた名詞句だけ。

    ké éso sáko tásei? nés.

    読み:ケー エーソ サーコ ターセイ?ネース。

    kéés-osákotás-ei?nés.
    <〜か>いる-<(重いものが)>塩<主格><あなた>-<与格>ない(品切れ)

    「「塩はあるか?」「ない。」」

    市で品物の有無を尋ねられて、品切れだと答える言い方。所有は「持つ」という動詞を使わず、「ある+持ち主の与格」で言う。改まった言葉なら na éiso と動詞を繰り返して答えるところを、取引言葉では nés の一語ですませる。sáko は干潟から借りた語で重性。

    ké éso sáko tásei?

    読み:ケー エーソ サーコ ターセイ?

    kéés-osákotás-ei?
    <〜か>ある-<(重いものが)>塩<主格><あなた>-<与格>

    「お前、塩はあるか?」

    所有は持ち主の与格で表す。動詞は持ち主ではなく、持たれている塩 sáko(重性)に一致する。答えは動詞を繰り返して、「はい」なら éiso、「いいえ」なら na éiso と言う。

    krélo sáko an nébroi.

    読み:クレーロ サーコ アン ネーブロイ。

    krél-osákoannébr-oi
    足りる-<(重いものが)>塩<主格>上手霧-<与格>

    「塩は霧の前に足りている。」

    縁の市や倉の司の帳場で、塩の在庫が霧期(季節の変わり目)まで十分かを確認する改まった言い方。an+与格の時読みで「〜の前に」。an nébroi「霧の前に」は市の決まり文句で、「期限までに」の意味も帯びる。主語の sáko「塩」は重性o語幹なので、動詞は -o。干潟から来る塩はすべて重性に入る。

    hoummanénde aursár sáko hóumoi.

    読み:ホウンマネンデ アウルサール サーコ ホーモイ。

    houmman-énd-eaursársákohóum-oi
    与える-<〜しますように>-<(軽いものが)>祖先<主格>塩<対格>炉-<与格>

    「祖霊が炉に塩を授けますように。」

    儀礼的な祈願。願望法3人称単数・軽で、祖霊を主語に立てる。単なる物資の移動ではなく、共同体の存続を祈る含みを持つ。

    sén houméro sákos, ende.

    読み:セーン ホウメーロ サーコス、エンデ。

    sénhoumérosák-os,ende.
    見る<命令法><あなたが>袋<対格>塩-<属格>どうぞ

    「塩の袋を見てくれ、頼む。」

    道具や荷を扱う場での短い依頼。houméro は対格も主格と同形。後置の sák-os は内容を表す属格で、「塩を入れた袋・塩用の袋」のように中身の質を強調する言い方になる。ende は縁の市で使われる決まり文句。

    léimim sáko un trélmo.

    読み:レーミン サーコ ウン トレルモ。

    léim-imsákountrélmo.
    置く-<私が>塩<対格>内に棚<対格>

    「私は棚の中に塩を置く。」

    意味1。 léim-「置く」に、収納の棚としての trélmo を un trélmo の形で与える。 un は「〜の中へ・中に」の前置詞。重性o語幹 trélmo の単数対格は主格と同形で、用例では見出し語 trélmo がそのまま現れる。

    mé marpúl sáko!

    読み:メー マルプール サーコ!

    mémarpúlsáko!
    <禁止・願いの打ち消し>払いのける<命令法><あなたが>塩<対格>

    「塩を払い落とすな。」

    命令法を打ち消す禁止表現。市では塩を粗末に払い捨てないよう戒める定型として使う。

    léimim sáko só monkrúnoi

    読み:レーミン サーコ ソー モンクルーノイ

    léim-imsákosómonkrún-oi
    置く-<私が>塩<対格>この<重性>土台-<与格>

    「私はこの塩を石台の上に置く。」

    家仕事の場面。目的語 sáko só「この塩」に続いて、与格 monkrún-oi が着地点を表す。石で作った台として用いられる。

    gíro sáko frumó.

    読み:ギーロ サーコ フルモー。

    gír-osákofrumó
    刺す-<(重いものが)>塩<主格>傷<対格>

    「塩が傷を刺す。」

    塩を傷口に当てたときのような、突然の鋭い痛みを表す日常的な用例。 sáko と frumó は重性で、動詞は3人称単数・重性の -o を受ける。重性名詞では対格語尾が見えず、語順 VSO で目的語が示される。

    kráil plúrno sákos só!

    読み:クライル プルルノ サーコス ソー!

    kráilplúrnosák-ossó!
    手に持つ<命令法>小袋<対格>塩-<属格>この<重性>

    「この塩袋を手に持て。」

    kráil は命令法・二人称単数の語幹形。plúrno は重性 o 語幹で、単数主格と単数対格が同形。指示詞 só は格変化せず重性を示すのみ。名詞の後ろに置かれた属格 sák-os は内容を表す「塩の」。

    éso sáko só téir fáronul.

    読み:エーソ サーコ ソー テール ファーロヌル。

    és-osákosótéirfáron-ul.
    いる-<(重いものが)>塩<主格>この<重性>三担ぎ-<〜たちが>

    「この塩は三担ぎある。」

    重量単位としての用法。物の重さを担ぎ数で表す日常の言い方。一担ぎは約三十キログラム。数詞は単位名詞の前に置き、三以上の数詞には重性名詞 fáron の複数形 fáronul を取る。主語 sáko は単数のため、動詞は3人称単数・重性の -o を受ける。

    éso sáko némei, salóur na éso vandó.

    読み:エーソ サーコ ネーメイ、サロール ナ エーソ ヴァンドー。

    és-osákoném-ei,salóurnaés-ovandó.
    いる-<(重いものが)>塩<主格><私>-<与格>ところが<〜ない>いる-<(重いものが)>分銅<主格>

    「塩はある。ところが、分銅がない。」

    市や倉での計測・取引の場面。塩があるのに、重さを確かめる基準としての青銅の分銅がない。sáko, vandó は重性なので存在動詞 éso。salóur は後文の頭、na より前に置く。

    ké prambéra vándar sáko?

    読み:ケー プランベーラ ヴァンダル サーコ?

    képrambér-avándarsáko
    <〜か>値踏みする-<(軽いものが)>商人<主格>塩<対格>

    「商人は塩を値踏みしているか。」

    市の会話でのはい/いいえの問い。ké は文頭に立つ。答えは動詞の反復で、この問いには prambéra のように返す。

    éso dóulin sáko némei

    読み:エーソ ドーリン サーコ ネーメイ

    és-odóulinsákoném-ei
    いる-<(重いものが)>もう塩<主格><私>-<与格>

    「私にはもう塩がある。」

    所有を「いる+持ち主の与格」で表す未完了の存在文。dóulin は動詞の直後、主語の前に置かれ、持ち物がある状態がすでに続いていることを表す。日常の台所や帳場でよく用いられる語調。

    gǘl sáko es kúrmos, ende.

    読み:ギュール サーコ エス クルモス、エンデ。

    gǘlsákoeskúrm-os,ende
    取り出す<命令法><あなたが>塩<対格>から壺-<属格>どうぞ

    「壺から塩を取り出してくれ、頼む。」

    家庭・倉での日常的な依頼。命令法2人称は語幹のむき出し gǘl。sáko は重性o語幹で、対格も無標。es kúrmos は壺からの出所。ende は願望語尾が固まった「どうぞ」。日常では目的語が容器から出して並べるまでを含み、塩を量るための下準備を言う。

    lúin gloiréla torár, gánimor sáko torárei.

    読み:ルーイン グロイレーラ トラール、ガーニモル サーコ トラーレイ。

    lúingloir-él-atorár,gán-imorsákotorár-ei.
    ときお越しになる-<〜だろう>-<(軽いものが)>客<主格>贈る-<我々が>塩<対格>客-<与格>

    「客がおいでになると、我らは客に塩を贈る。」

    作法や習わしを記すような文。時節の出来事を表す文では、lúin の後ろに動詞を続ける。客の来訪を glóir- で言い、主節では人情として塩を渡す。取引語ではなく、客への礼としての贈与を示す。

    éso unlóur sáko un beilíñoi éles.

    読み:エーソ ウンロール サーコ ウン ベイリーニョイ エーレス。

    és-ounlóursákounbeilíñ-oiél-es
    いる-<(重いものが)>まだ塩<主格>内に懐-<与格><3人称単数・軽性>-<属格>

    「彼の懐には、まだ塩がある。」

    くだけた日常会話。beilíño は「懐」の比喩用法で、物理的な腰袋そのものというより、身につけている少々の備えを表す。un +与格で「〜の中に」。所有者は名詞の後ろの属格 él-es で示す。unlóur は動詞の直後に置く。

  2. もてなしの塩

    客に小皿で出すひとつまみの塩。『塩を出す』で最高の礼をもって迎えることを言う。

    méira houmár sáko torárei.

    読み:メーラ ホウマール サーコ トラーレイ。

    méir-ahoumársákotorár-ei.
    与える-<(軽いものが)>家の主<主格>もてなしの塩<対格>客-<与格>

    「家の主は客に塩を出して、手厚くもてなす。」

    「塩を出す(与える)」は、小皿にひとつまみの塩を載せて出す最高の礼を言う慣用句で、手厚い歓迎そのものを指す。受け手の客は与格 torárei で、目的語の後ろに置く。

    dúmarim sáko, auríþen.

    読み:ドゥーマリン サーコ、アウリーセン。

    dúmar-imsáko,auríþen.
    いただく-<私が>もてなしの塩<対格>かたじけない

    「お塩を頂戴いたします。かたじけのうございます。」

    もてなしの塩を出された客が返す、決まった礼の言葉。dúmar- は「食べる」の謙譲の補充形。auríþen は「上げられた」がもとの形で、礼の決まり文句として固まっている。

解説

塩。高原ではまったく採れず、崖の下の干潟から上げ荷として運ばれてくる最大の贅沢品。客に小皿で塩をひとつまみ出すのが最高のもてなしとされる。下から来たものなので、ありがたさと少しの後ろめたさをもって扱われ、改まった場では『下からの恵み』と遠回しに言うことも多い。干潟から借りた語の例にもれず重性に属する。

文法

重性・o語幹。主対 sáko、属 sákos、与 sákoi。量は青銅の分銅で量った重さで言う。

語源

干潟語からの借用語。高原語の語根の中には同源の語がなく、借用語の通例どおり重性に入った。

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