súl-

品詞
動詞(他動詞)
意味
すする
発音
[ˈsul]
読み
スール
分野
基本動作

意味

  1. すする(流質食物を口に入れる)

    粥・汁物・濁り酒などの流質食物を、椀から口に入れる動作全般。

    súla ólmar muró.

    読み:スーラ オルマル ムロー。

    súl-aólmarmuró.
    すする-<(軽いものが)>年長者<主格>濁り酒<対格>

    「年長の方が濁り酒をすすっている。」

    炉ばたで濁り酒をすする場面。muró は重性o語幹なので主格と対格が同じ形になる。主語 ólmar が軽性(人)なので動詞は -a をとる。対格の印が主語にも目的語にも見えない重性名詞どうしの文では、動詞直後の名詞が主語、その次が目的語という語順が意味を決める。

    ké súles lúsan?

    読み:ケー スーレス ルーサン?

    késúl-eslús-an?
    <〜か>すする-<あなたが>粥-<対格>

    「粥をすすっているのか。」

    食卓での日常的な問い。ké ではい・いいえの問いを作る。2人称を使っているので、同じ身分か目下の相手への問い。答えは動詞を繰り返して「súlim」(すすっている)または「na súlim」(すすっていない)。

    súlim lúsan.

    読み:スーリン ルーサン。

    súl-imlús-an.
    すする-<私が>粥-<対格>

    「粥をすすっている。」

    雨期の食卓での日常の場面。súl- は他動詞で、流質の食物 lúsa を対格で取る。日本語話者は lúsan の対格語尾 -an を聞き落とし、「粥」が目的語だと気づきにくい。

  2. 吸い上げる(汁を口元で吸う)

    椀を傾けて汁を直接吸い上げる用法。汁の多い料理で箸を使わないとき。

    súla endríña lúsan un hóumoi.

    読み:スーラ エンドリーニャ ルーサン ウン ホーモイ。

    súl-aendríñalús-anunhóum-oi.
    すする-<(軽いものが)>子ども<主格>粥-<対格>内に炉-<与格>

    「子どもが炉のそばで粥を吸い上げている。」

    椀を口元まで傾けて汁を直接吸い上げる動作(意味2)。un+与格で「〜の内で」を表す。hóum は重性名詞(炉・世帯の量名詞)で、与格は -oi。endríña は指小辞 -íña でできた軽性名詞(子ども)。日本語話者は endríña の ñ を「ニャ」と聞き取れるが、語末の -a を「エ」と聞き、主格だと気づきにくい。

解説

椀や碗から、粥や汁物などの流質の食物を口に入れること。「食べる」mán-(固形の雑穀や肉など)と「飲む」níl-(水・茶・酒などの液体)の中間の動作を表す。椀を口元まで持ち上げて吸い上げる、あるいは箸や匙で掬って口にする、いずれの食べ方にも使える。雨期の食卓で温かい粥を食する場面、炉ばたで濁り酒をすする場面など、流質食物と椀がともなう限りで広く用いる。縁の市の取引言葉では語末母音が落ち、súl のまま語幹として使われることもある。

文法

他動詞。目的語は流質食物(lúsa「粥」、汁物、muró「濁り酒」など)。完了語幹は u→ou で sául-。

語源

新規の語根。s+l の流動的な響きが、液体が椀から口へ流れてくる動きを擬音的に表している。干潟語に相当する語はない(干潟語では níl-「飲む」に寄せる)。

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