小説
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澄んだ
水・空気に濁りがないこと。
aldána aldár áuren þáiles selúin.
読み:アルダーナ アルダール アウレン サイレス セルーイン。
| aldán-a | aldár | áur-en | þáil-es | selúin. |
| おわす-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | 澄んだ-<属格> | 今の世 |
「今の世には、澄みの高き座がおわします。」
年代記や碑文の改まった文体。ここでの selúin は「この瞬間」ではなく、今の王が座にある時代全体を指す。書き言葉なので座名をそのまま書いてよく、文字では上げ書きにする。aldán- は「いる」の尊敬の補充形。
éso séimo véinoros þáil.
読み:エーソ セーモ ヴェーノロス サイル。
| és-o | séimo | véinor-os | þáil. |
| いる-<(重いものが)> | 静み水<主格> | 湖-<属格> | 澄んだ |
「湖の静み水は澄んでいる。」
湖や淵の静かな水を言う描写の文。séimo は、走り水 rúndo や湧き水 þéul と区別して使う。重性なので、繋辞は -o をとり、形容詞 þáil は語尾なしの形で一致している。
ésa élvar þáil sórel, aurélau dáu sílarau.
読み:エーサ エルヴァル サイル ソーレル、アウレーラウ ダウ シーララウ。
| és-a | élvar | þáil | sórel, | aur-él-au | dáu | sílar-au. |
| いる-<(軽いものが)> | 天<主格> | 澄んだ | 今日 | 昇る-<〜だろう>-<双数> | 二 | 月-<双数> |
「今日は天が澄んでいる。二つの月も昇るだろう。」
乾風期の晴れた日によく交わす言葉。述語の形容詞 þáil は軽性・単数・主格なので語尾がつかない。未来のことは推量法で言い、強勢は -él- に移る。dáu「二」の後ろの名詞は双数になり、双数の動詞は人称も性も区別しない。月は星ではないので、数えて双数にしてもかまわない。
dúla anléuma es þráinos, ésa élvar þáil.
読み:ドゥーラ アンレウマ エス スライノス、エーサ エルヴァル サイル。
| dúl-a | anléuma | es | þráin-os, | és-a | élvar | þáil. |
| 下る-<(軽いものが)> | 上の風<主格> | から | 峰-<属格> | いる-<(軽いものが)> | 天<主格> | 澄んだ |
「上の風が峰から下りてきて、空が澄みわたっている。」
乾風期の初めのころの空模様を言う文。接続詞を使わずに主節を二つ並べ、あいだを区切りの印(読点)で区切っている。anléuma は北の高みから下りてくる風なので、動詞は「昇る」ではなく dúl-「下る」を使う。þráin「峰」は石の峰なので重性で、属格は -os になる。anléuma は清く良い風とされ、この風が吹くと星読みの季節が来る。
éso þéul só þáil.
読み:エーソ セウル ソー サイル。
| és-o | þéul | só | þáil. |
| いる-<(重いものが)> | 湧き水<主格> | この<重性> | 澄んだ |
「この湧き水は澄んでいる。」
地を流れる水は重性なので、繋辞は éiso、指示詞は só になる。水の濁りのなさを言う、いちばん基本の用法。
éso lóur só þáil, an þráinos tóro.
読み:エーソ ロール ソー サイル、アン スライノス トーロ。
| és-o | lóur | só | þáil, | an | þráin-os | tór-o. |
| いる-<(重いものが)> | 瀬<主格> | この<重性> | 澄んだ | 上手 | 峰-<属格> | 来る-<(重いものが)> |
「この瀬は澄んでいる。峰の方から流れてくる水だ。」
水の澄み方を言う用法。瀬 lóur は重性なので、繋辞は éiso、形容詞は重性の主格(語尾なし)。重性の指示詞 só が主語の名詞句の終わりを示す。後半は an+属格で「上手から」を表し、主語は前半と同じ瀬。北の高みから来る水ほど清いとされる。
éso análor þáil
読み:エーソ アナーロル サイル
| és-o | análor | þáil |
| いる-<(重いものが)> | 高原<主格> | 澄んだ |
「高原は澄んでいる。」
崖の上の土地そのものを主語にする言い方。乾風期の澄んだ空気や天候を指す。重性の名詞に重性の繋辞 éso が対応する。
晴れた
空に雲も霧もなく、星がよく見えること。
lúin ésa élvar þáil, sénimor sílarau.
読み:ルーイン エーサ エルヴァル サイル、セーニモル シーララウ。
| lúin | és-a | élvar | þáil, | sén-imor | sílar-au. |
| とき | いる-<(軽いものが)> | 天<主格> | 晴れた | 見る-<我々が> | 月-<双数> |
「空が晴れると、我々には二つの月が見える。」
lúin で始まる時の節を主節の前に置いている。雲も霧もない空を言う用法で、乾風期の夜によく使う。月は星ではないので、双数で言ってよい。
lúin ésa élvar þáil, þondésa.
読み:ルーイン エーサ エルヴァル サイル、ソンデーサ。
| lúin | és-a | élvar | þáil, | þond-és-a. |
| とき | いる-<(軽いものが)> | 天<主格> | 晴れた | 誓う-<〜すべし>-<(軽いものが)> |
「誓いは、空の晴れたときに立てるべし。」
主語のない当為法は「人は〜すべし」という一般の主語を表し、軽性の形をとる。祖先が見ている、星の見える晴れた夜の誓いだけが重いとされ、霧の夜の誓いは無効とされる。
澄み
名詞化して、澄んでいること自体を指す。座名などの称えの語に使う。
néulimor þáilan élvares, grémimor nébros.
読み:ネウリモル サイラン エルヴァレス、グレーミモル ネーブロス。
| néul-imor | þáil-an | élvar-es, | grém-imor | nébr-os. |
| 好む-<我々が> | 澄み-<対格> | 天-<属格> | 恐れる-<我々が> | 霧-<属格> |
「「我々は空の澄みを好み、霧を恐れる。」」
þáil を名詞として使い、軽性の対格 -an をつけている。二つの主節を読点で区切って並べた文。澄んだ空と霧を、上と下の対として語る高原らしい言い方。
lísa lisár þelán aldáres áurenes þáiles sáindarei.
読み:リーサ リサール セラーン アルダーレス アウレネス サイレス サインダレイ。
| lís-a | lis-ár | þel-án | aldár-es | áur-en-es | þáil-es | sáindar-ei. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 名前-<対格> | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格> | 澄み-<属格> | 証文-<与格> |
「書記は証文に「澄みの高き座」の名を書く。」
座名「aldár áuren+称えの語の属格」で、名詞として使った þáil「澄み」が称えの語になっている。座名ごと属格で þelán にかかる。書き言葉では座名を記してよく、上げ書きにする。
水や空気に濁りがないことを言う語。高原語には、水の「澄んでいる」から「濁っている」までの段階を表す語が多く、þáil はそのいちばん上の段階。泉の水、乾風期の夜空、言葉や声の響きにも使う。王の座名の称えの語として、名詞化した属格(「澄みの」)で使われることがある。
形容詞。名詞の後ろに置き、性・数・格に一致する。名詞化して「澄んだもの・澄み」の意味でも使う(属格 þáiles)。
þéul「湧き水」と古い母音交替の関係にあるとする説がある。
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