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上手の源(詩・系譜での国名)
詩や系譜の唱え、祀りの詞で、高原王国を流れの源として呼ぶ雅名。
tóra ólmar es amfóndaros
読み:トーラ オルマル エス アンフォンダロス
| tór-a | ólmar | es | amfóndar-os |
| 来る-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | から | 上手の源-<属格> |
「年長者がアンフォンダルから来た。」
国名が属格 amfóndaros をとる例。es+属格で「〜から」を示し、国を出自・源として述べる。年長者をさす ólmar は軽性の人名詞なので、動詞は軽性一致 tóra を受ける。系譜や由緒を述べる改まった場向き。
大河の源の地
字義どおり、三本の大河が発する北の高みと湖盆一帯を指す。地理を詠む詩で使う。
tóro louvrúndo es amfóndaros
読み:トーロ ロウヴルンド エス アンフォンダロス
| tór-o | louvrúndo | es | amfóndar-os |
| 来る-<(重いものが)> | 長川<主格> | から | 上手の源-<属格> |
「長川はアンフォンダルから流れてくる。」
地理的な「上手の源」の北の高み・湖盆一帯を指す例。固有名詞 louvrúndo を主語に取り、重性一致 tóro。es+属格が水源を表す。詩や帳簿で、川を源から述べる定型。
詩、系譜の唱え、葬送や祀りの詞の中で国を呼ぶ雅名。字義は『上手の源』で、三本の大河が北の高みに源を発し、段を下って崖から干潟へ落ちていく、という川の見方に基づく。高原は『流れの始まるところ』、干潟は『流れの行き着くところ』であり、家系を川にたとえる系譜観とも重なる。系譜読みは系譜の唱えの終わりに『amfóndaros dúlenan…』と国の源から説き起こす形を好み、詩人は dálor と対にして『源の国と、底の国』と詠む。ふだんの会話で使うと芝居がかって聞こえる。人は昇り、家は流れ下る、という言い習わしに沿い、国を『流れの源』とする点で、家名(流名)と同じ発想に立つ名である。
重性・子音語幹(gandér 型)。主格・対格 amfóndar、属格 amfóndaros、与格 amfóndaroi。重性にする理由:源(泉)は地から湧く水であり、fóndar と同じく重性に属する。家名が源の名として重性で変化するのと同じく、国を一つの流れの源とみるこの名も重性で変化する。上手であることは an- が示すが、流れ下るものの始まりである以上、性は重いほうにとどまる、と説明される。唇音 f の前で an- は am- と発音され、語の中なので綴りも m とする(〈amfondara〉)。
an-「上手の」(f の前で am-)+ fóndar「源」。前置詞句 an fóndaros「源から」が名乗りや系譜の決まり文句であることから、その語順を固めて一語にした詩語とされる。
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