小説
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担ぐ
荷を背負う、肩や額の帯にかけて担ぐ。
faronérim fáron fláin.
読み:ファロネーリン ファーロン フライン。
| faronér-im | fáron | fláin. |
| 担ぐ-<私が> | 荷<対格> | 軽い |
「私は軽い荷を担ぐ。」
崖道でよく聞く言い方。荷は重性で主格と対格が同じ形なので、形容詞も重性・対格の形(語尾なし)になる。
faronér ín fáron, ende.
読み:ファロネール イーン ファーロン、エンデ。
| faronér | ín | fáron, | ende. |
| 担ぐ<命令法><あなたが> | 一 | 荷<対格> | どうぞ |
「荷を一つ担いでくれ、頼む。」
崖道や市で、運び人に仕事を頼むときの言葉。ín の後ろの名詞は単数になる。fáron は重性なので、対格も主格と同じ形。むき出しの語幹+ende は取引言葉の型。
snéima faronár, faronéra fáron.
読み:スネーマ ファロナール、ファロネーラ ファーロン。
| snéim-a | faronár, | faronér-a | fáron. |
| 身をかがめる-<(軽いものが)> | 運び人<主格> | 担ぐ-<(軽いものが)> | 荷<対格> |
「運び人は身をかがめて荷を担ぐ。」
体の動きとしての「かがむ」。二つ目の節では主語を言わないが、動詞の語尾から前の節と同じ運び人だとわかる。額に帯をかけて背の荷を支える担ぎ方を描いている。
faronéran faronárai fáronul du orén.
読み:ファロネーラン ファロナーライ ファーロヌル ドゥ オレーン。
| faronér-an | faronár-ai | fáron-ul | du | orén. |
| 担ぐ-<彼らが> | 運び人-<〜たちが> | 荷-<〜たちを> | 下手 | 縁<対格> |
「運び人たちが荷を担いで縁へ下っていく。」
乾風期の崖道のありふれた光景を言う文。faronár は軽性の子音語幹なので、複数主格は -ai。fáron「荷」は重性なので、複数対格は -ul。du+対格で下手(南)への方向を表す。縁の orén は重性なので、主格と対格が同じ形になる。
faronéra gúrnal té gandér si fáron.
読み:ファロネーラ グルナル テー ガンデール シ ファーロン。
| faronér-a | gúrnal | té | gandér | si | fáron. |
| 担ぐ-<(軽いものが)> | 力の強いもの<主格> | あの<軽性> | 硬木<対格> | と | 荷<対格> |
「あの力持ちは、硬木も荷もいっしょに担ぐ。」
運び人どうしで、大げさにほめたり冷やかしたりするときの言い方。gúrnal té の té は強勢のある指示詞で、後ろに動詞が来ないので、関係節の te ではない。si で目的語を二つ並べている。
faronér fáron, ende.
読み:ファロネール ファーロン、エンデ。
| faronér | fáron, | ende. |
| 担ぐ<命令法><あなたが> | 荷 | どうぞ |
「荷を担いでくれ、頼む。」
縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹 faronér で言い、そのあとに固まった小辞 ende を添える。語幹は r で終わるので、語末の子音を削る必要はない。市は段に乗らない場なので、命令法と同じ形を使っても無礼にはならない。
faronéra faronár fáron só.
読み:ファロネーラ ファロナール ファーロン ソー。
| faronér-a | faron-ár | fáron | só. |
| 担ぐ-<(軽いものが)> | 荷-<〜する人・主格> | 荷<対格> | この<重性> |
「運び人がこの荷を担ぐ。」
faronér- は fáron「荷」に、名詞から動詞を作る -ér- がついた語で、強勢は -ér- にある。主語の faronár「運び人」は人なので軽性で、動詞は -a をとる。fáron は重性なので主格と対格が同じ形で、VSO の位置から目的語だとわかる。指示詞も重性の só で一致している。
faronéran faronárai aurfáron an orén.
読み:ファロネーラン ファロナーライ アウルファーロン アン オレーン。
| faronér-an | faronár-ai | aurfáron | an | orén. |
| 担ぐ-<彼らが> | 運び人-<〜たちが> | 上げ荷<対格> | 上手 | 縁<対格> |
「運び人たちが上げ荷を縁の上へ担ぎ上げる。」
崖道の日常の描写。aurfáron は重性の子音語幹なので、主格と対格が同じ形になる。an+対格は「上手へ」の移動を表し、崖の下から縁へ荷を運び上げる向きをはっきり示す。
faronér fáron só sal kórvo!
読み:ファロネール ファーロン ソー サル コルヴォ!
| faronér | fáron | só | sal | kórvo! |
| 担ぐ<命令法><あなたが> | 荷<対格> | この<重性> | 〜の外に | 倉<対格> |
「この荷を倉の外へ担ぎ出せ。」
運び人に向けた、下向きの命令。sal が対格と組むと「〜の外へ」という移動の向きを表す。kórvo は重性o語幹なので、対格も主格と同じ形になる。faronér- は名詞 fáron「荷」に -ér- がついてできた動詞で、命令法の2人称単数では語幹がそのまま出る。
faronér fáron só, ende. nés, éso ó gróm.
読み:ファロネール ファーロン ソー、エンデ。ネース、エーソ オー グローン。
| faronér | fáron | só, | ende. | nés, | és-o | ó | gróm. |
| 担ぐ<命令法><あなたが> | 荷<対格> | この<重性> | どうぞ | いや・だめだ | いる-<(重いものが)> | <3人称単数・重性> | 重い |
「「この荷を担いでくれ、頼む。」「いや、そいつは重い。」」
縁の市で、運び人が荷の担ぎを断るやりとり。nés は市の取引言葉の短い断りの返事で、都の改まった言葉では使わない。断ったあとに理由を添えることが多い。繋辞の文は「éis-+主語+述語」の順で、重性の代名詞 ó を受けて動詞は -o、形容詞 gróm も重性・主格の形になる。
faronéra faronár faroníño
読み:ファロネーラ ファロナール ファロニーニョ
| faronér-a | faronár | faroníño |
| 担ぐ-<(軽いものが)> | 運び人<主格> | 豆<対格> |
「運び人が豆(小さな荷)を担ぐ。」
意味2の婉曲表現。運び人 faronár は人なので軽性。faroníño を「荷の重さが手に残した小さな荷」とみなし、farónér- の目的語に取る。
tromráum, faronérin fáron!
読み:トロンラウン、ファロネーリン ファーロン!
| tromráum, | faronér-in | fáron! |
| 急ぐ<命令法><あなたが> | 担ぐ-<〜して・〜く> | 荷<対格> |
「荷を担いで、急げ。」
縁や崖道で聞こえる口語的な促し。命令法 2 人称単数は語幹のみで、tromráum の語末 m はそのまま保たれる。副動詞 faronérin fáron は主語を共有する同時動作を表し、荷は faronér- の目的語。
運ぶ
荷を担いで、ある場所から別の場所へ運ぶ(faronéran faronárai fáron du orén「運び人たちが荷を縁へ運ぶ」)。
faronerélan faronárai sáko es orénos dórel.
読み:ファロネレーラン ファロナーライ サーコ エス オレーノス ドーレル。
| faroner-él-an | faron-ár-ai | sáko | es | orén-os | dórel. |
| 運ぶ-<〜だろう>-<彼らが> | 荷-<〜する人>-<〜たちが> | 塩<対格> | から | 縁-<属格> | 明日 |
「明日、運び人たちが縁から塩を運んでくるだろう。」
これから先のことは推量法 -él- で言う。強勢は -él- に移り、-ér- の ´ は消える。3人称複数の語尾 -an は性を区別しない。塩 sáko は干潟から来る重性の名詞で、上げ荷の代表である。es+属格で、方向を問わない「〜から」を表す。
dufaronérim aufáron aulisáres an dún.
読み:ドゥファロネーリン アウファーロン アウリサーレス アン ドゥーン。
| du-faronér-im | au-fáron | au-lis-ár-es | an | dún. |
| <〜させていただく>-運ぶ-<私が> | <お〜になる・御〜>-荷<対格> | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人>-<属格> | 上手 | 丘<対格> |
「「書記の方のお荷物を、丘の上まで運ばせていただきます。」」
自分の行いを謙譲の接頭辞 du- で低め、荷の持ち主を au- のついた属格 aulisáres で高めている。f- の前の du- は形が変わらない。an+対格は「上手へ」で、湖都の坂道では丘の上へ向かうことを表す。
荷を背負って運ぶことを表す。崖道の運び人は、額にかけた帯で背中の荷を支えて上り下りする。この語は運び人の仕事を言う代表的な語である。上り下りの向きは áur-・dúl- を並べるか、前置詞で示す。崖道の言葉では、今の語末母音の脱落で faronér と言われることが多い。
完了語根は、強勢のある母音を変えた faronéer-。行為者名詞 faronár「運び人」は同じ語根から作られた語である。
fáron「荷」に、名詞から動詞を作る接尾辞 -ér- をつけた語。
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