小説
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(握ったものを)離す
握っている物から手を放し、物を手から離す。
kríl fúnel!
読み:クリール フーネル!
| kríl | fúnel |
| 離す<命令法><あなたが> | 綱<対格> |
「綱を離せ。」
日常・作業中の命令。命令法はむき出しの語幹で表し、kríl はその 2 人称単数形。対象の fúnel は重性名詞で、目的語も主格と同形になる。
kríla endríña fúnel.
読み:クリーラ エンドリーニャ フーネル。
| kríl-a | endríña | fúnel |
| 離す-<(軽いものが)> | 子<主格> | 綱<対格> |
「子どもは綱を離す。」
日常的な叙述。主語 endríña は人なので軽性として扱われ、動詞は 3 人称単数軽性の語尾 -a をとる。目的語 fúnel は重性で、主格と同形のまま。
krílo dóulin plondó orén.
読み:クリーロ ドーリン プロンドー オレーン。
| kríl-o | dóulin | plondó | orén. |
| 離す-<(重いものが)> | もう | 道を絶つ崩落<主格> | 縁<対格> |
「道を絶つ崩落は、もう崖縁を断った。」
年代記・報告のような書面的文。VSOで動詞の直後に相の副詞 dóulin を置く。kríl は他動詞、orén を対格で受ける。重性名詞のため対格は無標識。plondó は単なる落石ではなく、往来を断つ崩落を名指す。
(関係を)断つ
継続していた係わり・義務・所属を、意志をもって離す比喩用法。
kríla lisár sáindaran.
読み:クリーラ リサール サインダラン。
| kríl-a | lis-ár | sáindar-an |
| 離す-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 証文-<対格> |
「書記は証文を離した(請求・義務から離れた)。」
年代記・書面の用法。kríl- は原語形。sáindar は「証文」だが、ここでは証文に結ばれた請求・義務・係わりを表し、関係を断つ比喩用法になる。時制標識はないが、出来事が済みとして語られる場面に向く。
握っている物から手を放し、対象を手元から離れるようにする能動的な動作。単に保持していない状態を指すのではなく、握り・引き・支えを意志をもって解くことを言う。綱・道具・手綱、さらに人との係わりにも使える。高原語では、握って上に保つものを外へ出す行為として、放任よりも明確な意思がこもった語とされる。
他動詞。目的語は対格。握っていた場所・相手からの離脱を明示するときは、es+属格や与格を使う。
古高原語 *kríla- から。語末の -a が古い語末母音脱落で落ち、語根 kríl- になった。
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