tó

品詞
指示詞
意味
あの(重)
発音
[ˈto]
読み
トー
分野
代名詞・指示詞・疑問詞

意味

  1. あの(重)

    離れたところにある重性のもの、すでに話に出た重性のものを指す。

    ké sénes gandér tó? éso ó fóndel.

    読み:ケー セーネス ガンデール トー?エーソ オー フォンデル。

    késén-esgandértó?és-oófóndel.
    <〜か>見る-<あなたが>硬木<対格>あの<重性>いる-<(重いものが)><3人称単数・重性>古い

    「あの硬木が見えるか?あれは由緒ある古木だ。」

    樵が森で若い者に話しかける言い方。生えている木はふつう軽性だが、硬木だけは生えていても重性で受けるので、指示詞は重性の tó、代名詞も重性の ó、繋辞も重性の éso になる。fóndel は、由緒があって尊い「古い」。

    éso dún tó lóuvan, éso dún só trúin.

    読み:エーソ ドゥーン トー ローヴァン、エーソ ドゥーン ソー トルーイン。

    és-odúntólóuvan,és-odúnsótrúin.
    いる-<(重いものが)>丘<主格>あの<重性>遠いいる-<(重いものが)>丘<主格>この<重性>近い

    「あの丘は遠く、この丘は近い。」

    重性の指示詞 tó「あの」と só「この」を並べた対比の文。繋辞 és- は主語 dún(重性)に一致して éso になる。述語の形容詞は重性・単数・主格なので、語尾がつかない。道案内でよく使われる形の文。

    sén fáron tó!

    読み:セーン ファーロン トー!

    sénfárontó!
    見る<命令法><あなたが>荷<対格>あの<重性>

    「あの荷を見ろ。」

    下向きの命令。命令法の2人称単数は、むき出しの語幹 sén だけで言う。tó は重性の名詞の後ろに置き、格では形が変わらない。荷 fáron は重性なので、主格と対格が同じ形。縁の市で同じ用件を言うときは sén fáron, ende のように ende を添える。

    sén bélo gróm tó, máno tambór némores!

    読み:セーン ベーロ グローン トー、マーノ タンボール ネーモレス!

    sénbélogrómtó,mán-otambórnémor-es!
    見る<命令法><あなたが>欲<対格>重いあの<重性>食べる-<(重いものが)>雑穀<対格><我々>-<属格>

    「あの欲張りを見ろ、俺たちの雑穀を食ってやがる!」

    人を bélo gróm(重い欲)と呼ぶ陰口で、指示詞も動詞も重性の形(tó、máno)で受けている。人を重性の一致で受けるのは侮辱なので、強いあざけりの響きがある。主節を二つ並べているので、あいだに区切りを入れる。

    tóro dalorár tó es orénos.

    読み:トーロ ダロラール トー エス オレーノス。

    tór-odalorártóesorén-os.
    来る-<(重いものが)>泥の者<主格>あの<重性>から縁-<属格>

    「あの泥の者が縁から上がってくるぞ。」

    陰口やからかいの言い方。dalorár そのものは軽性の語形のままだが、動詞を重性の -o(tóro)で、指示詞を重性の tó で受けている。人を重性で一致させることで、相手を石や泥のような「重いもの」として見下す。軽性で受ける tóra dalorár té なら、ただの「あの下の国の者が来る」になる。

    éso þráin tó áuren.

    読み:エーソ スライン トー アウレン。

    és-oþráintóáur-en.
    いる-<(重いものが)>峰<主格>あの<重性>昇る-<〜した・〜された>

    「あの峰は高い。」

    一年じゅう雪の消えない峰を見上げて言う日常の文。「AはBだ」の文も繋辞 és- を先頭に置く。þráin は重性なので、繋辞は -o、指示詞は重性の tó になる。述語の分詞 áuren は重性・単数・主格なので一致の語尾がつかない。

    víra kelár ré éso nébro tó gráis.

    読み:ヴィーラ ケラール レー エーソ ネーブロ トー グライス。

    vír-akel-árréés-onébrotógráis.
    言う-<(軽いものが)>伐る-<〜する人><〜と(節)>いる-<(重いものが)>霧<主格>あの<重性>不吉な

    「樵は、あの霧は不吉だと言う。」

    人から聞いた兆しを伝える言い方。ré の節の中も、動詞で始まる語順を保つ。tó は重性の指示詞「あの」。

    þróumo dórin tó.

    読み:スローモ ドーリン トー。

    þróum-odórintó.
    死ぬ<〜し終えた>-<(重いものが)>男<主格>あの<重性>

    「あの男はくたばった。」

    人に対して þrúm- をわざと使う荒い陰口。人を重性の一致で受けるのと同じ種類の罵倒で、魂が昇らずに沈んだという含みがある。

    éso raumvirá tó gróm.

    読み:エーソ ラウンヴィラー トー グローン。

    és-oraumvirátógróm.
    いる-<(重いものが)>噂<主格>あの<重性>重い

    「あの陰口は、品がなくて重い。」

    日常の炉ばたで、特定の中傷を断じる言い方。語そのものは本来軽性だが、指示詞 tó・動詞 éso・形容詞 gróm をわざと重性で受け、「下へ落ちる言葉」「泥の言葉」として蔑む。語形 raumvirá は元の軽性の形のまま。

    un nébroi, éso raumvirá tó múr.

    読み:ウン ネーブロイ、エーソ ラウンヴィラー トー ムール。

    unnébr-oi,és-oraumvirátómúr.
    内に霧-<与格>いる-<(重いものが)>噂<主格>あの<重性>濁った

    「霧の中では、あの陰口は濁っている。」

    霧期を背景にした日常的な評。un nébroi は「霧の中」と場を限定する。重性一致により、霧が下の国から湧くものとされる含みが重なり、múr は内容の根も葉なさにも転じている。

    éso snúlvo tó pír.

    読み:エーソ スヌルヴォ トー ピール。

    és-osnúlvotópír.
    いる-<(重いものが)>穴<主格>あの<重性>小さい

    「あの穴は小さい。」

    記録や注記のように、既知の穴を指示して寸法を述べる文。指示詞 tó は重性名詞 snúlvo を指示する。述語形容詞 pír は主語に一致し、重性単数では基辞のまま。

    lísa lisár ré éso puló tó múel

    読み:リーサ リサール レー エーソ プロー トー ムーエル

    lís-alis-árréés-opulótómúel
    書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人><〜と(節)>いる-<(重いものが)>拍<主格>あの<重性>遅い

    「書記は、あの拍は遅いと書いている。」

    書物・手習い・韻律論の場面。補文は ré で導し、元の文の法と語形をそのまま保つ。引用節の中でも形容詞述語は存在動詞+主語+形容詞の形になる。あの.HV は重性の指示詞 tó。

解説

遠くのもの、話題になっている既知のものを指す指示詞の重性形。軽性の té と対になる。名詞の後ろに置き、性によってだけ形が変わり、格では変わらない(gandér tó「あの硬木」)。軽性の té と違って関係節の小辞 te の前にそのまま置ける(gandér tó te …「〜した、あの硬木」)。霧の海や崖下の干潟など、下にあるものを指すときに多く聞かれる。

文法

重性の名詞を修飾する。強勢あり。格変化しない。関係節がなければ名詞句の終わりの目印になる。

語源

遠称の指示語 *t- に重性の *-o がついた形。軽性の té と対をなす。

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