小説
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根
木や草の、地中に伸びる部分。
lúin kéla kelár árnelan, na kéla búl.
読み:ルーイン ケーラ ケラール アルネラン、ナ ケーラ ブール。
| lúin | kél-a | kel-ár | árnel-an, | na | kél-a | búl. |
| とき | 伐る-<(軽いものが)> | 伐る-<〜する人・主格> | 木-<対格> | <〜ない> | 伐る-<(軽いものが)> | 根<対格> |
「樵は木を伐るとき、根は伐らない。」
búl は重性なので、主格と対格が同じ形になる。伐る前の木は立ち木なので、軽性の対格 árnelan をとる。後半の節は主語を言っていないが、動詞の語尾から、前半と同じ樵が主語だとわかる。
dúlo búl árneles du dálor.
読み:ドゥーロ ブール アルネレス ドゥ ダーロル。
| dúl-o | búl | árnel-es | du | dálor. |
| 下る-<(重いものが)> | 根<主格> | 木-<属格> | 下手 | 下の国<対格> |
「木の根は下の国へ向かって下りていく。」
búl は重性の名詞なので、動詞は3人称単数・重性の -o をとる。複数にすると母音交替で bǘl になる。根は下へ、梢は上へ伸びるという世界観を述べた文で、森の巫が木を語るときによく出る言い方。
na buléro búl só.
読み:ナ ブレーロ ブール ソー。
| na | bulér-o | búl | só. |
| <〜ない> | 絡まる-<(重いものが)> | 根<主格> | この<重性> |
「この根は、からみ合わない。」
否定小辞 na は動詞の直前に置く。主語 búl「根」は重性なので、動詞は3人称単数重性 -o を受ける。根・糸がからみ合う原義。
frunéndes búl fúnelos, ende.
読み:フルネンデス ブール フーネロス、エンデ。
| frun-énd-es | búl | fúnel-os, | ende. |
| 芯直す-<〜しますように>-<あなたが> | 芯<対格> | 綱-<属格> | どうぞ |
「綱の芯を直してくれませんか、頼む。」
同じ段の相手に頼む願望法。búl は「根」の語で、ここでは綱の芯・筋を指す用法。fúnelos は綱の属格。
voltáula endríña búl.
読み:ヴォルタウラ エンドリーニャ ブール。
| voltául-a | endríña | búl |
| 掘り起こす-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | 根<対格> |
「子どもが根を掘り起こす。」
日常の畑仕事での基本VSO文。endrína は軽性の人称名詞なので、動詞は3単軽性の語尾 -a をとる。búl「根」は重性名詞で、対格は主格と同形。
木や草の根。地の中、つまり下へ伸びる部分なので、木の名詞が軽性でも、根は重性になる。少数の古い名詞の一つで、複数は母音を変えて bǘl と言う。
重性・子音語幹(③型)。主対 búl、属 búlos、与 búloi。複数は母音交替で主対 bǘl、属 bǘlur、与 bǘluls。
古高原語 *búl から。複数 bǘl は *u が後ろの i に引かれて前寄りになったウムラウトの名残。
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