小説
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顔
頭の前面、目・口のある側。
té, séir! na sénim nóumo táses.
読み:テー、セール!ナ セーニン ノーモ ターセス。
| té, | séir! | na | sén-im | nóumo | tás-es. |
| そこの方 | 待つ<命令法><あなたが> | <〜ない> | 見る-<私が> | 顔<対格> | <あなた>-<属格> |
「そこの方、待て!顔が見えない。」
霧の濃い道で、正体のわからない相手を呼び止める言い方。呼びかけの té は文の頭に置くこともでき、そのときは読点で区切る。目上の人かもしれない相手には、命令法の séir ではなく、決まり文句の seirénde「しばしお待ちを」を使う。
flúun nóumo táses, endríña.
読み:フルーン ノーモ ターセス、エンドリーニャ。
| flúun | nóumo | tás-es, | endríña. |
| 洗う<命令法><あなたが> | 顔<対格> | <あなた>-<属格> | 子ども |
「顔を洗いなさい、坊や。」
親が子に言う下向きの命令。日常では呼格を使わないので、呼びかけの名詞は読点で区切って文の終わりに添える。nóumo は重性o語幹で、主格と対格が同じ形。
toríro nébro, na sénimor nóumo séulines.
読み:トリーロ ネーブロ、ナ セーニモル ノーモ セウリネス。
| tor-ír-o | nébro, | na | sén-imor | nóumo | séulin-es. |
| 来る-<もし〜なら>-<(重いものが)> | 霧<主格> | <〜ない> | 見る-<我々が> | 顔<対格> | 友-<属格> |
「霧が上がってくれば、友の顔も見えない。」
霧期の不安を語る言い方。霧の中では名前を呼べないうえに、顔も見分けられない。条件の節は接続詞を使わず、動詞を仮定法にするだけで作る。霧 nébro は重性なので、仮定法の動詞も重性の -o をとる。
flúuna líura már si nóumo.
読み:フルーナ リーウラ マール シ ノーモ。
| flúun-a | líura | már | si | nóumo. |
| 洗う-<(軽いものが)> | 女<主格> | 手<対格> | と | 顔<対格> |
「女が手と顔を洗う。」
基本の VSO の文。主語の líura は人なので、動詞は軽性の -a をとる。体の部分 már・nóumo は重性なので、対格も主格と同じ形になる。目的語を二つ並べるときは si でつなぐ。
flúun már si nóumo, endríña.
読み:フルーン マール シ ノーモ、エンドリーニャ。
| flúun | már | si | nóumo, | endríña. |
| 洗う<命令法><あなたが> | 手<対格> | と | 顔<対格> | 子ども |
「手と顔を洗いなさい、子よ。」
下向きの命令法2人称単数は、むき出しの語幹 flúun で言う。呼びかけは呼格を使わず、読点で区切って文の終わりに添える。
lúin émbelimor aursárais, flúunimor nóumo.
読み:ルーイン エンベリモル アウルサーライス、フルーニモル ノーモ。
| lúin | émbel-imor | aursár-ais, | flúun-imor | nóumo. |
| とき | 祀る-<我々が> | 祖先-<〜たちを> | 清める-<我々が> | 顔<対格> |
「祖先を祀るとき、我々は顔を清める。」
lúin の節を主節の前に置いている。祀りのための清めは、ふつう軒で集めた雨水で行う。体の部分 nóumo「顔」は重性o語幹なので、対格も同じ形になる。
þála dulíña nóumoi.
読み:サーラ ドゥリーニャ ノーモイ。
| þál-a | dulíña | nóum-oi |
| 止まる-<(軽いものが)> | 小下り<主格> | 顔-<与格> |
「小さな下り(汗)が顔にとどまる。」
宮廷文での汗の言い方。日常では sélmo が使われ、この語は体を重いものとする見方から、体表に出る水を「小さな下り」として婉曲に指す。語順はVSOで、動詞が文頭に来る。
un lóuroi, púlo þreílo nóumo.
読み:ウン ローロイ、プーロ スレイロ ノーモ。
| un | lóur-oi, | púl-o | þreílo | nóumo. |
| 内に | 瀬-<与格> | 軽く叩く-<(重いものが)> | 濺ぎ<主格> | 顔<対格> |
「瀬の中では、濺ぎが顔を叩く。」
意味2の用法。早瀬のそばで身体にかかる範囲の水飛沫を表す。púl- は他動詞で、主語 þreílo に合わせて3人称単数・重性の語尾 -o をとる。
sléna nourá nóumoi.
読み:スレーナ ノウラー ノーモイ。
| slén-a | nourá | nóum-oi |
| 顔を出す-<(軽いものが)> | 心<主格> | 顔-<与格> |
「心は顔に出る。」
比喩用法。隠れた感情や心の動きがわずかに現れる意。「顔に出る」の定型として、書物やことわざ的な文にも見られる。心 nourá は文法上軽性なので、動詞は軽性3人称単数。与格 nóumoi が、表れる場所を表す。
þuláura naþelár, áuro nóumo éles
読み:スラウラ ナセラール、アウロ ノーモ エーレス
| þuláur-a | naþelár, | áur-o | nóumo | él-es |
| 得意がる-<(軽いものが)> | 若者<主格>, | 上がる-<(重いものが)> | 顔<主格> | <3人称単数・軽性>-<属格> |
「青年は得意がっており、顔が上がっている。」
得意がりを述べる文に、顔が上がった様子を無接続で添える常套句。主語の若者に動詞が軽性一致し、顔は体の部分で重性なので áur- が重性一致する。顔一面に得意が表れた意。
noumovírau némor dáun
読み:ノウモヴィーラウ ネーモル ダウン
| noumo-vír-au | némor | dáun |
| 顔-言う-<双数> | <我々> | 二人<主格> |
「我ら二人は顔で通じ合う。」
夫婦、きょうだい、旧知など、身内の二人が声に出さず意を合わせる場面。主語は双数短语 némor dáun「我ら二人」。双数動詞 -au は人称を表さないため、双数主語は省略しない。
noumovíran aursárai, na víran aursárai
読み:ノウモヴィーラン アウルサーライ、ナ ヴィーラン アウルサーライ
| noumo-vír-an | aursár-ai, | na | vír-an | aursár-ai |
| 顔-言う-<彼らが> | 祖先-<〜たちが> | <〜ない> | 言う-<彼らが> | 祖先-<〜たちが> |
「祖先たちは顔で通じ合い、口には語らない。」
儀礼・系譜の読み上げなどで祖先どうしの通じを述べる、改まった定型句。主語 aursárai「祖先たち」が複数なので動詞は3複の -an をとる。第二節で vír-「言う」の否定を並べ、無言の合図が発語と同格に扱われることを示す。
noumovíra endríña sé
読み:ノウモヴィーラ エンドリーニャ セー
| noumo-vír-a | endríña | sé |
| 顔-言う-<(軽いものが)> | 子<主格> | この<軽性> |
「この子は顔で伝える。」
家庭や親しい者どうしの日常の場面。noumovír- は「顔が言う(無言で伝える)」の自動詞で、文の主語は顔そのものではなく、顔で通じる人物にとる。主語 endríña は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。指示詞 sé は名詞句の末尾に置かれる。
éso nóumo kéumos trém
読み:エーソ ノーモ ケウモス トレーン
| és-o | nóumo | kéum-os | trém |
| いる-<(重いものが)> | 顔<主格> | 碑-<属格> | 平ら |
「碑の面は平らだ。」
書物・碑文の説明として、物事の表面を「面」で表す言い方。nóumo を碑・板・壁などの「面」に使う。名詞句は「名詞+属格」の順。動詞は主語 nóumo に一致し、重性単数主格の trém は語尾をもたない。
体面
人前での面目。nóumo dúlo「顔が下りる」は面目を失うこと。
lúin na glénim, dúlo nóumo némes.
読み:ルーイン ナ グレーニン、ドゥーロ ノーモ ネーメス。
| lúin | na | glén-im, | dúl-o | nóumo | ném-es. |
| とき | <〜ない> | 答える-<私が> | 下る-<(重いものが)> | 体面<主格> | <私>-<属格> |
「答えられなければ、私の面目が潰れる。」
nóumo dúlo「顔が下りる」は面目を失うという慣用句。敬意や名誉を高さで表す考え方から来ている。詩合わせや問答で返しができないときなどに使う。
dulíþes nóumo némes un torárail.
読み:ドゥリーセス ノーモ ネーメス ウン トラーライル。
| dul-íþ-es | nóumo | ném-es | un | torár-ail. |
| 下る-<〜させる>-<あなたが> | 体面<対格> | <私>-<属格> | 内に | 客-<〜らに> |
「お前は客たちの前で、私の顔をつぶした。」
相手をとがめる言い方。慣用句 nóumo dúlo の動詞を使役の dulíþ-「下ろす」に変えて、「人の面目を失わせる」の意味にしている。2人称の直説法を使っているので、下向きか、同じ段の相手への言い方になる。
顔。表情や面差しを言う。目上の人の顔は aunóumo と言い、目下の者はそれを正面から見続けないのが礼とされる。比喩で、人前での体面の意味にもなる。
名詞・重性・o語幹。属 nóumos、与 nóumoi、複 nóumul。尊敬形 aunóumo。
古高原語 *nóumo から
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