小説
左の目次から話を選んでください。
流れ(家系)
源から続く家系、血筋。
lóima lourvirár ráun némores an fóndaros.
読み:ロイマ ロウルヴィラール ラウン ネーモレス アン フォンダロス。
| lóim-a | lourvirár | ráun | ném-or-es | an | fóndar-os. |
| 唱える-<(軽いものが)> | 系譜読み<主格> | 流れ<対格> | 1-<〜ら(古い母音交替)>-<属格> | 上手 | 源-<属格> |
「系譜読みが、我々の流れを源から唱える。」
祖先祀りや婚姻の場で、系譜読みが家系を一瀬ずつ唱えることを言う文。ráun は重性の子音語幹なので、主格と対格が同じ形になる。an+属格は「上手から」で、源から下へたどる向きを表す。
ké éses es ráunos ráimaros? ésim.
読み:ケー エーセス エス ラウノス ライマロス?エーシン。
| ké | és-es | es | ráun-os | ráimar-os? | és-im. |
| <〜か> | いる-<あなたが> | から | 流れ-<属格> | ライマル-<属格> | いる-<私が> |
「「お前はライマルの流れの者か?」「そうだ。」」
二人の発話。「〜の流れの者である」を、és-+es+流れの属格で「〜の流れから出ている」と言う。答えには「はい」にあたる語を使わない。動詞を自分の人称(1人称単数 ésim)に変えて繰り返す。2人称と ké を使っているので、同じ段か下の者への問いになる。
éso fóndar ráimaros þéul ráunos némes.
読み:エーソ フォンダル ライマロス セウル ラウノス ネーメス。
| és-o | fóndar | ráimar-os | þéul | ráun-os | ném-es. |
| いる-<(重いものが)> | 源<主格> | ライマル-<属格> | 清い始まり<主格> | 流れ-<属格> | <私>-<属格> |
「ライマルの源こそ、我が流れの清き始まりである。」
系譜読みが家系を唱えるときの言い方。系譜を川の流れにたとえ、始祖を「まだ濁っていない湧き水」と言い表している。主語の fóndar が重性なので、繋辞は -o をとる。þéul はここでは比喩の意味で、名詞の述語になっている。
水の落ちた流れ(婉曲)
ráun dóulen「下り終えた流れ」の形で、崖を下りて干潟へ移った縁の民を遠回しに言う。恥と悲しみをこめた言い方。
dúlo ráun dúlen du dálor anlúin.
読み:ドゥーロ ラウン ドゥーレン ドゥ ダーロル アンルーイン。
| dúl-o | ráun | dúl-en | du | dálor | anlúin. |
| 下る-<(重いものが)> | 水の落ちた流れ<主格> | 下る-<〜した・〜された> | 下手 | 下の国<対格> | 昔 |
「昔、水の落ちた流れが下の国へと下りていった。」
約千二百年前の冷害で崖を下りた人々(干潟でいう縁の民)を、年代記や語りで遠回しに言う書き方。ráun dúlen は決まった言い回しで、分詞は規則どおり語根に -en をつけた形。ráun は重性なので、動詞も重性の -o で一致する。人を直接言わずに重性の名詞で言うところに、恥と悲しみがこもる。
dróuma ólmar es ráunos dúlenos.
読み:ドローマ オルマル エス ラウノス ドゥーレノス。
| dróum-a | ólmar | es | ráun-os | dúl-en-os. |
| 嘆く-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | から | 水の落ちた流れ-<属格> | 下る-<〜した・〜された>-<重性・属格> |
「「年長者は、水の落ちた流れのことを嘆く。」」
村や家の会話での言い方。崖を下りた人々を正面から「下りた者たち」とは言わず、この婉曲表現を目的語にしている。重性の名詞と分詞は、対格でも語尾がつかない。
家系、血筋。高原では家系を、源(始祖)から世代ごとに一瀬ずつ下っていく川の流れにたとえる。この語はその「流れ」全体を指す。「同じ流れか別の流れか」は親族の呼び分けの大事な基準で、父方か母方かよりも重んじられる。子は両親のうち段の高いほうの流れに属する。地上の水と同じく重性の名詞である。
lóima lourvirár ráun míres es fóndaros.
読み:ロイマ ロウルヴィラール ラウン ミーレス エス フォンダロス。
| lóim-a | lourvirár | ráun | mír-es | es | fóndar-os. |
| 唱える-<(軽いものが)> | 系譜読み<主格> | 流れ<対格> | 自分-<属格> | から | 源-<属格> |
「系譜読みは、源から自分の流れを唱える。」
祖先祀りや婚姻の場で、系譜を読み上げる様子を述べた文。属格の míres を名詞の後ろに置き、「主語自身の」という意味を表す。ráun「流れ(家系)」は重性なので、対格も主格と同じ形になる。éles と言うと、ほかの人の流れを唱えることになる。
raunérimor ráun ráimaros.
読み:ラウネーリモル ラウン ライマロス。
| raunér-imor | ráun | ráimar-os. |
| 従う-<我々が> | 流れ<対格> | ライマル-<属格> |
「私たちはライマルの流れ(家系)に従う。」
意味2の書物・系譜の唱え。抽象的な流れや家系を追う用法。目的語 ráun は重性語幹とされ、対格に語尾が付かない。属格 ráimaros は家名「ライマル」の属格。1人称複数動詞では人称が語尾に出、主語代名詞は省ける。
ké prénda líura némes ráun gléinaros?
読み:ケー プレンダ リーウラ ネーメス ラウン グレーナロス?
| ké | prénd-a | líura | ném-es | ráun | gléinar-os? |
| <〜か> | 移る-<(軽いものが)> | 女<主格> | <私>-<属格> | 流れ<対格> | グレイナル-<属格> |
「娘はグレイナルの流れへ嫁いだのか。」
日常の会話を想定した是非問い。意味2では、家系を「流れ」と言い、結婚して配偶者側の家系へ入ることを prénd- で表す。目的語として置く「流れ」は移り先を示す道のりの対格で、家系名は属格で名詞句に後続する。
prénda líura ráun bréles es ráunos ráimaros.
読み:プレンダ リーウラ ラウン ブレーレス エス ラウノス ライマロス。
| prénd-a | líura | ráun | brél-es | es | ráun-os | ráimar-os. |
| 移る-<(軽いものが)> | 女<主格> | 流れ<対格> | 兄弟-<属格> | から | 流れ-<属格> | ライマル-<属格> |
「その女はライマルの流れから離れて、きょうだいの流れへ移った。」
記録文・儀式の文を想定する。意味2は離縁して元の家の流れへ戻る場合にも使う。行き先となる家系の流れを直接目的語に置き、離れていく家系を es と属格で表す。前置詞句では頭名詞「流れ」も属格になる。
kréima lourlisá ráun endríñei.
読み:クレーマ ロウルリサー ラウン エンドリーニェイ。
| kréim-a | lourlisá | ráun | endríñ-ei. |
| 述べる-<(軽いものが)> | 系譜の巻<主格> | 家系<対格> | 子ども-<与格> |
「系譜の巻は子どもに家系について述べる。」
書物・教育での用い方。家系の流れを詳しく叙述する書き言葉寄りの意味。主語 lourlisá が軽性なので動詞は軽性の -a。 ráun は重性単数で、対格は主格と同形だが、動詞の直接目的語として機能する。
名詞(重性・子音語幹)。属 ráunos、複 ráunul。綴り〈rauna〉
古高原語 *ráuna「流れる水」から。古い脱落で語末の母音が落ちた。
左の一覧から語を選ぶか、上の検索欄に日本語またはローマ字を入れてください。
左の目次から課を選んでください。
左の一覧から選んでください。
高原語で書かれた読み物です。左の一覧から選んでください。
左の目次から話を選んでください。
小説・世界設定・翻訳から見つけた「辞書にない語」の候補です(uv run conlang dict-grow 名前 で作られます)。登録する語を選んでください。同義語として複数選べます。