小説
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司(役所)
王のもとに置かれた六つの役所の一つ。
rímban brándalai némoran.
読み:リンバン ブランダライ ネーモラン。
| rímb-an | brándal-ai | némor-an. |
| 物のように扱う-<彼らが> | 司-<〜たちが> | <我々>-<対格> |
「お役所の連中は、俺たちを物のように扱う。」
運び人や森の民が、役所への不満を言う決まった言い方。人を数で扱うことは、相手を「下げる」行いとされる。そのため、炉や人数を数えて税を取ることへの反感が、この動詞で言い表される。
meirésan houmárai meiró tambóros brándalei.
読み:メイレーサン ホウマーライ メイロー タンボーロス ブランダレイ。
| meir-és-an | houmár-ai | meiró | tambór-os | brándal-ei. |
| 与える-<〜すべし>-<彼らが> | 世帯主-<〜たちが> | 税<対格> | 雑穀-<属格> | 司-<与格> |
「世帯主は、雑穀の税を司に納めるべし。」
法典の条文の文体。当為法 -és- で「〜すべし」を表す。強勢が接尾辞に移るので、語根 méir- の ´ は消える。受け手の司は与格 -ei で表す。
méiran houmárai tambór brándalei.
読み:メーラン ホウマーライ タンボール ブランダレイ。
| méir-an | houmár-ai | tambór | brándal-ei. |
| 与える-<彼らが> | 家の主-<〜たちが> | 雑穀<対格> | 司-<与格> |
「家の主たちは司に雑穀を納める。」
乾風期の前半に、倉の司が税の雑穀を取り立てることを言う文。受け手の司は与格 -ei で言う。
drénim an brándalan.
読み:ドレーニン アン ブランダラン。
| drén-im | an | brándal-an. |
| 参る-<私が> | 上手 | 司-<対格> |
「(丘の上手の)司のもとへ参ります。」
改まった場の、へりくだった言い方。「行く」の謙譲の補充形 drén- を使う。都の役所は丘の上手にあるので、an+対格「上手へ」で言う。
諸司・宮廷の役人たち
複数形で、宮廷の役所や役人全体を漠然と指す。
fléiran aubrándalai an dún.
読み:フレーラン アウブランダライ アン ドゥーン。
| fléir-an | au-brándal-ai | an | dún. |
| お出ましになる-<彼らが> | <お〜になる・御〜>-諸司-<〜たちが> | 上手 | 丘<対格> |
「宮廷の方々が丘の上へお出ましになる。」
複数形で宮廷の役人全体を漠然と指す、高めた言い方。高め名詞には数詞をつけられないので、何人かは言わず、ひとまとまりの複数で受ける。dún は重性で、対格は主格と同じ形。
na néulan brándalai virán dalorárar.
読み:ナ ネウラン ブランダライ ヴィラーン ダロラーラル。
| na | néul-an | brándal-ai | vir-án | dalorár-ar. |
| <〜ない> | 好む-<彼らが> | 諸司-<〜たちが> | 言葉-<対格> | 下の国の者-<〜らの> |
「宮廷のお役人たちは、下の国の者の言葉を好まない。」
運び人や崖道の商人の、くだけた陰口。au- をつけずに brándalai と言うのは、相手のいない場での遠慮のない言い方。否定の na は動詞の直前に置く。
王のもとに置かれた役所、またはその役所をつかさどる者。王国には書・星・森・金・倉・道の六つの司がある。どの司かは属格を後ろに置いて言う。六つの司の名は、brándal lisímes「書の司」、brándal ilánar「星の司」、brándal arnélvares「森の司」、brándal kumbóros「金の司」(字義は「青銅の司」)、brándal kórvos「倉の司」、brándal orénos「道の司」(字義は「縁の司」)。森の司は公には arnélvar「木々の天」で呼ぶが、ふだんは brándal ráuvos とも言い、森の氏族は brándal dravénes と呼ぶ。複数の brándalai は、宮廷の役所全体を漠然と指す言い方にもなる。
rímba brándal réum hóumul.
読み:リンバ ブランダル レウン ホームル。
| rímb-a | brándal | réum | hóum-ul. |
| 数える-<(軽いものが)> | 司<主格> | 九 | 炉-<〜たちを> |
「司は九つの炉を数える。」
税を取り立てるときの戸数調べの言い方。人は数えないので、世帯の「炉」hóum を数える。hóum は重性なので、複数対格は -ul になる。
bróla brándal aurándo es fóureles.
読み:ブローラ ブランダル アウランド エス フォーレレス。
| bról-a | brándal | aurándo | es | fóurel-es. |
| 作る-<(軽いものが)> | 司<主格> | 社<対格> | から | 香の木-<属格> |
「司は香の木で社を建てる。」
材料は「es+属格」(〜から)で表す。aurándo は重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。香の木が社や納骨所の建材とされることを述べた、記録風の文。
þóro kéumo te léimsa brándal.
読み:ソーロ ケウモ テ レーンサ ブランダル。
| þór-o | kéumo | te | léims-a | brándal. |
| 立つ-<(重いものが)> | 碑<主格> | <関係節> | 据える<〜し終えた>-<(軽いものが)> | 司<主格> |
「司が据えた碑が立っている。」
石の碑 kéumo は重性o語幹なので、動詞は3人称単数・重性の -o をとる。関係節は無強勢の te の後ろに動詞を続けて作り、抜けた目的語の位置は空けたままにする。関係節の主語 brándal は人なので、動詞は軽性の -a になる。
léimsa brándal ré lisésa senár sáindaran.
読み:レーンサ ブランダル レー リセーサ セナール サインダラン。
| léims-a | brándal | ré | lis-és-a | sen-ár | sáindar-an. |
| 据える<〜し終えた>-<(軽いものが)> | 司<主格> | <〜と(節)> | 書く-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 見る-<〜する人・主格> | 証文-<対格> |
「司は、目付が証文を書くべしと定めた。」
léim- を決まりごとに使うと「定める」の意味になる。ré の後ろの節は、定められた中身を当為法のまま保つ。語根が二重母音をもつので、完了相は -s- を足して léims- にする。書かれたものを正しいとする王国らしい決まりの文。
méira brándal plíndo orenvandárei.
読み:メーラ ブランダル プリンド オレンヴァンダーレイ。
| méir-a | brándal | plíndo | orenvandár-ei. |
| 与える-<(軽いものが)> | 司<主格> | 市の札<対格> | 縁商人-<与格> |
「司は縁商人に市の札を与える。」
語順は動詞–主語–目的語–与格。市の札は青銅の札で重性なので、主格と対格が同じ形になる。札を受けた縁商人は、商いの場にかぎって六段下りに準ずる者として扱われる。
tíla brándal viráis.
読み:ティーラ ブランダル ヴィライス。
| tíl-a | brándal | vir-áis. |
| 刻む-<(軽いものが)> | 司<主格> | 言葉-<〜たちを> |
「司が言葉を刻む。」
碑の由来を記す書き言葉の文。時制がないので、「刻む」とも「刻んだ」とも読める。石に刻んだ言葉は、昇りも消えもせず、その場所に据えておくものとされる。
軽性・子音語幹(②型)。対 brándalan、属 brándales、複 brándalai。
古高原語 *brand-「束ねる」から。もとは「束ね役」の意味だった。
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