brándal

品詞
名詞
意味
司
発音
[ˈbrandal]
読み
ブランダル
分野
社会・信仰・儀礼

意味

  1. 司(役所)

    王のもとに置かれた六つの役所の一つ。

    rímban brándalai némoran.

    読み:リンバン ブランダライ ネーモラン。

    rímb-anbrándal-ainémor-an.
    物のように扱う-<彼らが>司-<〜たちが><我々>-<対格>

    「お役所の連中は、俺たちを物のように扱う。」

    運び人や森の民が、役所への不満を言う決まった言い方。人を数で扱うことは、相手を「下げる」行いとされる。そのため、炉や人数を数えて税を取ることへの反感が、この動詞で言い表される。

    meirésan houmárai meiró tambóros brándalei.

    読み:メイレーサン ホウマーライ メイロー タンボーロス ブランダレイ。

    meir-és-anhoumár-aimeirótambór-osbrándal-ei.
    与える-<〜すべし>-<彼らが>世帯主-<〜たちが>税<対格>雑穀-<属格>司-<与格>

    「世帯主は、雑穀の税を司に納めるべし。」

    法典の条文の文体。当為法 -és- で「〜すべし」を表す。強勢が接尾辞に移るので、語根 méir- の ´ は消える。受け手の司は与格 -ei で表す。

    méiran houmárai tambór brándalei.

    読み:メーラン ホウマーライ タンボール ブランダレイ。

    méir-anhoumár-aitambórbrándal-ei.
    与える-<彼らが>家の主-<〜たちが>雑穀<対格>司-<与格>

    「家の主たちは司に雑穀を納める。」

    乾風期の前半に、倉の司が税の雑穀を取り立てることを言う文。受け手の司は与格 -ei で言う。

    drénim an brándalan.

    読み:ドレーニン アン ブランダラン。

    drén-imanbrándal-an.
    参る-<私が>上手司-<対格>

    「(丘の上手の)司のもとへ参ります。」

    改まった場の、へりくだった言い方。「行く」の謙譲の補充形 drén- を使う。都の役所は丘の上手にあるので、an+対格「上手へ」で言う。

  2. 諸司・宮廷の役人たち

    複数形で、宮廷の役所や役人全体を漠然と指す。

    fléiran aubrándalai an dún.

    読み:フレーラン アウブランダライ アン ドゥーン。

    fléir-anau-brándal-aiandún.
    お出ましになる-<彼らが><お〜になる・御〜>-諸司-<〜たちが>上手丘<対格>

    「宮廷の方々が丘の上へお出ましになる。」

    複数形で宮廷の役人全体を漠然と指す、高めた言い方。高め名詞には数詞をつけられないので、何人かは言わず、ひとまとまりの複数で受ける。dún は重性で、対格は主格と同じ形。

    na néulan brándalai virán dalorárar.

    読み:ナ ネウラン ブランダライ ヴィラーン ダロラーラル。

    nanéul-anbrándal-aivir-ándalorár-ar.
    <〜ない>好む-<彼らが>諸司-<〜たちが>言葉-<対格>下の国の者-<〜らの>

    「宮廷のお役人たちは、下の国の者の言葉を好まない。」

    運び人や崖道の商人の、くだけた陰口。au- をつけずに brándalai と言うのは、相手のいない場での遠慮のない言い方。否定の na は動詞の直前に置く。

解説

王のもとに置かれた役所、またはその役所をつかさどる者。王国には書・星・森・金・倉・道の六つの司がある。どの司かは属格を後ろに置いて言う。六つの司の名は、brándal lisímes「書の司」、brándal ilánar「星の司」、brándal arnélvares「森の司」、brándal kumbóros「金の司」(字義は「青銅の司」)、brándal kórvos「倉の司」、brándal orénos「道の司」(字義は「縁の司」)。森の司は公には arnélvar「木々の天」で呼ぶが、ふだんは brándal ráuvos とも言い、森の氏族は brándal dravénes と呼ぶ。複数の brándalai は、宮廷の役所全体を漠然と指す言い方にもなる。

そのほかの用例

rímba brándal réum hóumul.

読み:リンバ ブランダル レウン ホームル。

rímb-abrándalréumhóum-ul.
数える-<(軽いものが)>司<主格>九炉-<〜たちを>

「司は九つの炉を数える。」

税を取り立てるときの戸数調べの言い方。人は数えないので、世帯の「炉」hóum を数える。hóum は重性なので、複数対格は -ul になる。

bróla brándal aurándo es fóureles.

読み:ブローラ ブランダル アウランド エス フォーレレス。

bról-abrándalaurándoesfóurel-es.
作る-<(軽いものが)>司<主格>社<対格>から香の木-<属格>

「司は香の木で社を建てる。」

材料は「es+属格」(〜から)で表す。aurándo は重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。香の木が社や納骨所の建材とされることを述べた、記録風の文。

þóro kéumo te léimsa brándal.

読み:ソーロ ケウモ テ レーンサ ブランダル。

þór-okéumoteléims-abrándal.
立つ-<(重いものが)>碑<主格><関係節>据える<〜し終えた>-<(軽いものが)>司<主格>

「司が据えた碑が立っている。」

石の碑 kéumo は重性o語幹なので、動詞は3人称単数・重性の -o をとる。関係節は無強勢の te の後ろに動詞を続けて作り、抜けた目的語の位置は空けたままにする。関係節の主語 brándal は人なので、動詞は軽性の -a になる。

léimsa brándal ré lisésa senár sáindaran.

読み:レーンサ ブランダル レー リセーサ セナール サインダラン。

léims-abrándalrélis-és-asen-ársáindar-an.
据える<〜し終えた>-<(軽いものが)>司<主格><〜と(節)>書く-<〜すべし>-<(軽いものが)>見る-<〜する人・主格>証文-<対格>

「司は、目付が証文を書くべしと定めた。」

léim- を決まりごとに使うと「定める」の意味になる。ré の後ろの節は、定められた中身を当為法のまま保つ。語根が二重母音をもつので、完了相は -s- を足して léims- にする。書かれたものを正しいとする王国らしい決まりの文。

méira brándal plíndo orenvandárei.

読み:メーラ ブランダル プリンド オレンヴァンダーレイ。

méir-abrándalplíndoorenvandár-ei.
与える-<(軽いものが)>司<主格>市の札<対格>縁商人-<与格>

「司は縁商人に市の札を与える。」

語順は動詞–主語–目的語–与格。市の札は青銅の札で重性なので、主格と対格が同じ形になる。札を受けた縁商人は、商いの場にかぎって六段下りに準ずる者として扱われる。

tíla brándal viráis.

読み:ティーラ ブランダル ヴィライス。

tíl-abrándalvir-áis.
刻む-<(軽いものが)>司<主格>言葉-<〜たちを>

「司が言葉を刻む。」

碑の由来を記す書き言葉の文。時制がないので、「刻む」とも「刻んだ」とも読める。石に刻んだ言葉は、昇りも消えもせず、その場所に据えておくものとされる。

文法

軽性・子音語幹(②型)。対 brándalan、属 brándales、複 brándalai。

語源

古高原語 *brand-「束ねる」から。もとは「束ね役」の意味だった。

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