小説
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火
燃える火、炉の火。
élþa elþá du aldárei.
読み:エルサ エルサー ドゥ アルダーレイ。
| élþ-a | elþá | du | aldár-ei. |
| 燃える-<(軽いものが)> | 火<主格> | 下手 | 座-<与格> |
「上座の手前で火が燃えている。」
家の中の日常の文。elþá「火」は élþ- に -á「〜するもの(軽)」がついた語で、軽性なので動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。炉の北側(上手)に上座があるので、炉の火は上座から見て「下手」にあり、du+与格で言う。時制がないので「燃えている」とも「燃えた」とも訳せる。
ké élþa elþá du aldárei? élþa.
読み:ケー エルサ エルサー ドゥ アルダーレイ?エルサ。
| ké | élþ-a | elþá | du | aldár-ei? | élþ-a. |
| <〜か> | 灯る-<(軽いものが)> | 火<主格> | 下手 | 座-<与格> | 灯る-<(軽いものが)> |
「「上座の手前の火は灯っているか?」「灯っている。」」
二人のやりとり。はい・いいえで答える問いは文頭の ké で作る。「はい」にあたる語はないので、答えでは動詞を繰り返す。動詞は主語の火に一致しているので、答える人の人称に変える必要はない。「いいえ」なら na élþa と言う。
lúin élþa elþá, dróumimor es houmáres.
読み:ルーイン エルサ エルサー、ドローミモル エス ホウマーレス。
| lúin | élþ-a | elþá, | dróum-imor | es | houmár-es. |
| とき | 燃える-<(軽いものが)> | 火<主格> | 悼む-<我々が> | から | 家の主-<属格> |
「火が燃えるあいだ、我らは家の主を悼む。」
火葬の場での言い方。死後一年は死者の名前を口にしないので、家の主のように立場で言い表す。悼む対象も es+属格で示す。
élþa elþá hóumos.
読み:エルサ エルサー ホーモス。
| élþ-a | elþá | hóum-os. |
| 燃える-<(軽いものが)> | 火<主格> | 炉-<属格> |
「炉の火が燃えている。」
家の炉を言う、ごくふつうの文。動詞 élþa(語根に強勢)と名詞 elþá(語尾に強勢)は、強勢の位置だけが違う。火は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。hóum「炉」は重性なので、属格は -os になる。
élþa elþá, kúula houmár tambór.
読み:エルサ エルサー、クーラ ホウマール タンボール。
| élþ-a | elþá, | kúul-a | houmár | tambór. |
| 燃える-<(軽いものが)> | 火<主格> | 煮る-<(軽いものが)> | 家の主<主格> | 雑穀<対格> |
「火が燃え、家の主が雑穀を煮ている。」
日々の炊事を言う文。主節を二つ、接続詞なしで読点で区切って並べている。どちらの節も VSO で、動詞が先に来る。tambór は重性なので、対格は主格と同じ形。
ésa nóra sé klér, élþa elþá.
読み:エーサ ノーラ セー クレール、エルサ エルサー。
| és-a | nóra | sé | klér, | élþ-a | elþá. |
| いる-<(軽いものが)> | 夜<主格> | この<軽性> | 冷たい | 燃える-<(軽いものが)> | 火<主格> |
「今夜は冷える。火が燃えている。」
凍りの頃の家の中の会話。nóra sé「この夜」で「今夜」を表す。指示詞は軽性の sé で、格では変化しない。述語の形容詞 klér は主語の nóra に一致する。
lúin práima elþá, houmnílim élan.
読み:ルーイン プライマ エルサー、ホウンニーリン エーラン。
| lúin | práim-a | elþá, | houmníl-im | él-an. |
| とき | 細る-<(軽いものが)> | 火<主格> | 炉を(火を)続ける-<私が> | <3人称単数・軽性>-<対格> |
「火が細ると、私は炉を続ける。」
lúin で導く従属節も動詞が先頭。細りかけた火を保つ意で、燃料を単に追加する意ではない。目的語 élan は前の elþá を受ける。
星(詩語)
複数 elþái で、祖先の炉の火としての星々を言う。
áura elþá aursáres an élvaran.
読み:アウラ エルサー アウルサーレス アン エルヴァラン。
| áur-a | elþá | aursár-es | an | élvar-an. |
| 昇る-<(軽いものが)> | 火<主格> | 祖先-<属格> | 上手 | 天-<対格> |
「祖先の火(星)が天へ昇っていく。」
詩の一句。星を、昇っていった祖先の炉の火とみて elþá と言う。一つの祖先の火を指しているので単数で、数詞はつけない。an+対格で「上手へ」。
lúuma elþá aursáres némoran.
読み:ルーマ エルサー アウルサーレス ネーモラン。
| lúum-a | elþá | aursár-es | némor-an. |
| ご覧になる-<(軽いものが)> | 火<主格> | 祖先-<属格> | <我々>-<対格> |
「祖先の火(星)が、我々をご覧になっている。」
白月の満月の夜に祖先を祀るときなどの、祀りの言葉。祖先の火(星)は目上のものなので、「見る」の尊敬の補充形 lúum- で受ける。
火、炎。炉で燃える火を代表とし、昇るものの典型として軽性に属する。星は昇った祖先の炉の火と考えられているので、詩では星を elþái「火々」と言い換え、『数えぬ火』elþái narímbenai は数えきれない星を表す決まった言い方である。
軽性・a語幹(語尾に強勢)。対 elþán、属 elþés、与 elþéi、複 elþái。
élþ-「燃える」+ -á「〜するもの(軽)」。
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