krún-

品詞
動詞(他動詞)
意味
支える
発音
[ˈkrun]
読み
クルーン
分野
基本動作

意味

  1. 支える

    重い物に身体や道具の重みで持続的に耐える。据え置く(一時の動作)ではなく、時間を通じて体重をかけ続ける。

    krúnan faronárai gandér.

    読み:クルーナン ファロナーライ ガンデール。

    krún-anfaronár-aigandér.
    支える-<彼らが>運び人-<〜たちが>硬木<対格>

    「運び人たちが硬木を支えている。」

    降ろし場や荷場での共同作業を示す文。複数人が体重をかけて硬木の重みに耐えている。硬木は重性名詞で、対格語尾はつかないが、VSO語順により目的語とわかる。主語が複数なので動詞は3PLを用いる。

    krún fáron, ende.

    読み:クルーン ファーロン、エンデ。

    krúnfáron,ende.
    支える<命令法><あなたが>荷<対格>どうぞ

    「荷を支えてくれ、頼む。」

    荷役での依頼。命令法2単は語幹がそのまま語末に立つ。重性の荷は対格無標。endeは、依頼・頼みとして固まった小辞。市や降ろし場でよく使われる簡潔な言い方。

    krúno kravó múndo si grél

    読み:クルーノ クラヴォー ムンド シ グレール

    krún-okravómúndosigrél
    支える-<(重いものが)>顎<主格>口<対格>と喉<対格>

    「顎は口と喉を支える。」

    書物の解剖的記述の場面。kravó は主語でも重性なので動詞は3人称単数・重性の -o に一致する。múndo と grél も重性で、単数の直接目的語は無標。目的語を si で並べても、動詞の数は主語のみに一致する。

    krún fáron só krúmoi, ende.

    読み:クルーン ファーロン ソー クルーモイ、エンデ。

    krúnfáronsókrúm-oi,ende.
    支える<命令法><あなたが>荷<対格>この<重性>腰-<与格>どうぞ

    「この荷を腰で支えてください。」

    荷の受け渡しや運び作業での手順指示。対象 fáron só に次いで、荷を支える位置としての腰を krúm-oi の与格に取る。与格接辞は -oi。裸語幹の命令に ende を添えて、依頼の形にしている。

    krúno snóimo fúnelos fáron.

    読み:クルーノ スノイモ フーネロス ファーロン。

    krún-osnóimofúnel-osfáron
    支える-<(重いものが)>荷受け<主格>綱-<属格>荷<対格>

    「綱の荷受けが荷を支える。」

    《荷受け》は荷や綱が乗る受け部を指す用法。《綱》の単数属格を後置し、受け部が誰・何のものであるかを示す。主語は重性で、動詞語尾は HV。

  2. 支える(比喩)

    人・言動・計画を裏から支える。身体で物を受ける行為から転じた比喩で、改まった場で相手を励ますときや、手紙で礼を言うときに用いる。

    krúnim virán táses.

    読み:クルーニン ヴィラーン ターセス。

    krún-imvir-ántás-es
    支える-<私が>言葉-<対格><あなた>-<属格>

    「「あなたの言葉を支えます。」」

    日常会話で、親しい相手や目下・対等相手に、その発言・申し出・約束を追認して後押しする場面。krún- は本来、重い物に身体や道具の重みで持続的に耐える動詞だが、抽象物・行為を目的語にとると「支える(比喩)」の用法になる。krúnim は直説法・1人称単数で、主語の代名詞は省略されている。目的語 virán は軽性 a 語幹 virá の対格、táses は二人称単数属格「あなたの」。

    dukrúnim auloimán aulisáres.

    読み:ドゥクルーニン アウロイマーン アウリサーレス。

    du-krún-imau-loim-ánau-lis-ár-es
    <〜させていただく>-支える-<私が><お〜になる・御〜>-詞-<対格><お〜になる・御〜>-書く-<〜する人>-<属格>

    「「書記の方の詞を、手前が支えます。」」

    書簡・改まった場で、目上の書記の方の詞(公言・決まり文句・申し立て)を追認し、保障する意。敬語では所有者だけでなく所有されるものにも au- を添えるため、`loimán` を `auloimán` とする。動詞には謙譲の接頭辞 du- を添え、所有者名も au- 付き属格 aulisáres にしている。語順は VSO で、主語は語尾 -im から判別される。

解説

重い物に身体や道具の重みで持続的に耐える。一度据え置く(léim-)や手だけで持つ(kráil-)とは異なり、体重をかけて一定時間保ち続ける行為を指す。降ろし場で腕木や丸太を何人かで同時に耐える、家屋の補修で倒れかけた梁を押しとめる、橋の修繕で架け木に体重をかける、といった場面での基本的な作業動詞。複数の人が同じ方向に体重をかける「共同の支え」のイメージを含む。降ろし場の継ぎ場で荷を持ち替えるとき、あるいは大石段で荷車を押さえるときにもこの動詞を使う。

そのほかの用例

sénim kranó krunós.

読み:セーニン クラノー クルノース。

sén-imkranókrun-ós
見る-<私が>硬い先<対格>棒-<属格>

「棒の硬い先を見ている。」

道具・木材の手入れ確認。kranóは身体語から器物の硬い縁・先端へ転じた用法。名詞句は「中心名詞+属格」で、対象を示す。krunóの属格は重性o語幹の-os。

klúno gólvo un krúndoi.

読み:クルーノ ゴルヴォ ウン クルンドイ。

klún-ogólvounkrúnd-oi.
埋もれる-<(重いものが)>旧道<主格>内に泥-<与格>

「旧道は泥に埋もれている。」

記録文。主語はgólvo「旧道」。泥の中に沈んで、道の痕跡が取り出せなくなっている状態を示す。主語が重性o語幹なので動詞は-oで受け取る。

ráuma endríña krúndoi.

読み:ラウマ エンドリーニャ クルンドイ。

ráum-aendríñakrúnd-oi
歩く-<(軽いものが)>子ども<主格>泥地-<与格>

「子どもがぬかるみを歩いている。」

ráum-「歩く」では、歩く道・舞台は裸の与格で示す。un を添えた前置詞句にはしない。

文法

他動詞。3SG.LT: krúna, 3SG.HV: krúno。命令2SG: krún。完了語幹: króun-(u→ou)。

語源

古高原語 *krún- から

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