小説
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おっしゃる
目上の人が言うことを高めて言う。言った内容は ré の節で引用する。
selvéna ausenár ré mé duliþésa fáron es orénos.
読み:セルヴェーナ アウセナール レー メー ドゥリセーサ ファーロン エス オレーノス。
| selvén-a | au-sen-ár | ré | mé | dul-iþ-és-a | fáron | es | orén-os. |
| おっしゃる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | <〜と(節)> | <禁止・願いの打ち消し> | 下る-<〜させる>-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 荷<対格> | から | 縁-<属格> |
「目付殿は、「縁から荷を落とさぬこと」とおっしゃる。」
ré は「〜と」の節を導き、その節は主節の後ろに置く。ré の後ろの節は、元の文の法を保つ。ここでは度量衡の碑の一句 mé duliþésa fáron es orénos を、当為法のまま引用している。目付が碑の前で揉め事を裁くときの言い方。
selvéna aurél viráis náumais.
読み:セルヴェーナ アウレール ヴィライス ナウマイス。
| selvén-a | aurél | vir-áis | náum-ais. |
| おっしゃる-<(軽いものが)> | あの方<主格> | 言葉-<〜たちを> | 穏やかな-<軽性・〜ら(古い母音交替)・対格> |
「あの方は穏やかなお言葉をおかけになる。」
目上の人の話しぶりをほめる言い方。selvén- は「言う」の尊敬の補充形。形容詞 náum は viráis(軽性・複数・対格)に一致して náumais になる。
selvéna aurél ré tóro nébro.
読み:セルヴェーナ アウレール レー トーロ ネーブロ。
| selvén-a | aurél | ré | tór-o | nébro. |
| おっしゃる-<(軽いものが)> | あの方 | <〜と(節)> | 来る-<(重いものが)> | 霧<主格> |
「あの方は、霧が来るとおっしゃる。」
selvén- は「言う」の尊敬の補充形。言った内容は ré の節で主節の後ろに置き、その節も動詞で始める。節の中の動詞は、霧 nébro に合わせて重性の -o になる。
selvéna ausenár ré vandésa fáron.
読み:セルヴェーナ アウセナール レー ヴァンデーサ ファーロン。
| selvén-a | au-sen-ár | ré | vand-és-a | fáron. |
| おっしゃる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | <〜と(節)> | 量る-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 荷<対格> |
「目付殿は、荷を量るべしとおっしゃる。」
縁の市で、目付の言葉を伝える文。ré の節の中は、もとの当為法のまま引用している。当為法で主語を言わないときは一般の人が主語になり、軽性の形をとる。
vír-「言う」の尊敬の補充形で、目上の人が言うことを高めて言う。言葉は息であり、目上の人の言葉は高い息として扱われるので、「息」selvá と同じ源の語を尊敬の形にあてている。補文の小辞 ré を続けて「〜とおっしゃる」と引用する。ré の後ろの節は、元の文の法を保つ(selvéna ausenár ré mé duliþésa fáron es orénos「目付殿は、縁から荷を落とさぬこと、とおっしゃる」)。日本語話者には v がバ行に聞こえるので、「セルベーナ」と聞こえやすい。
他動詞(「言う」vír- の尊敬の補充形)。直説法3単は selvéna。法の接尾辞がつくと、強勢がそちらに移る(推量 selvenéla、願望 selvenénde)。完了語根は selvéen-(e → ee)。ふつうの形は vír-、謙譲の形は léun-「申す」。
selvá「息」と同じ源で、もとは「息を発する」の意味。語根の母音 a が、尊敬の動詞として固まる過程で e に変わった。
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