andaulóura

品詞
名詞
意味
祖母
発音
[andauˈloura]
読み
アンダウローラ
分野
人・親族

意味

  1. 祖母

    父母の母のうち、自分と同じ流れに属する人。別の流れの祖母は andaulóura éul と言い分ける。

    þalíþa andaulóura elþán hóumos.

    読み:サリーサ アンダウローラ エルサーン ホーモス。

    þal-íþ-aandaulóuraelþ-ánhóum-os.
    止まる-<〜させる>-<(軽いものが)>祖母<主格>火-<対格>炉-<属格>

    「祖母は炉の火を消す。」

    家庭の日常。人間は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。elþá は軽性a語幹で単数対格 elþán。名詞句 elþán hóumos は「炉の火」。

    súndau andaulóura si séulin hóumoi.

    読み:スンダウ アンダウローラ シ セウリン ホーモイ。

    súnd-auandaulóurasiséulinhóum-oi.
    世間話する-<双数>祖母<主格>と友<主格>炉-<与格>

    「祖母と友が炉で世間話をする。」

    炉ばたでの日常。場所を示す裸の与格。単数の主語を二人並べると動詞は双数で一致する。

    tendéra andaulóura endríñan.

    読み:テンデーラ アンダウローラ エンドリーニャン。

    tendér-aandaulóuraendríñ-an.
    抱く-<(軽いものが)>祖母<主格>子-<対格>

    「祖母が子どもを抱きしめている。」

    家庭内のくつろぎの動作。tendér-は人を腕に覆い寄せる意で、宮廷や帳簿では避けられ、身内の語として聞かれる。

    monlína andaulóura téir kúrmul trélmoi

    読み:モンリーナ アンダウローラ テール クルムル トレルモイ

    monlín-aandaulóuratéirkúrm-ultrélm-oi
    並べる-<(軽いものが)>祖母<主格>三壺-<〜たちを>棚-<与格>

    「祖母は棚の上に三つの壺を並べる。」

    日常の倉・棚まわりの言い方。棚のような場所は裸の与格で置く。数量を示す数詞は名詞の前に置く。

    marléuma andaulóura térin.

    読み:マルレウマ アンダウローラ テーリン。

    marléum-aandaulóuratérin
    風を送る-<(軽いものが)>祖母<主格>そのように

    「祖母は風を送るように手を振る。」

    意味2の用例。実際の風を起こす意ではなく、手の動きが風を思わせる所作を述べる。副詞 térin「そのように」を文の後ろに置いて、仕草のありようを表す。この用法では語根 marléum- を「風を送る」と対応させる。

    liníþa andaulóura pelsó.

    読み:リニーサ アンダウローラ ペルソー。

    liníþ-aandaulóurapelsó
    塗る-<(軽いものが)>祖母<主格>樹脂<対格>

    「祖母は(継ぎ目などに)樹脂を塗っている。」

    日常の作業の文。主語は人なので動詞は軽性・3人称単数の語尾 -a を受ける。目的語には塗るものを取り、被塗布面や対象は文脈で省略する。

    wéinsa andaulóura némes ilánan.

    読み:ウェーンサ アンダウローラ ネーメス イラーナン。

    wéins-aandaulóuraném-esilán-an.
    なる<〜し終えた>-<(軽いものが)>祖母<主格><私>-<属格>灯-<対格>

    「私の祖母は星になった。」

    一年の忌明けを終えた家での、くだけた言い方。一年の間は élaur と言い、「星になった」と言ってはいけない。

    méira andaulóura soilkrélvo aursárei.

    読み:メーラ アンダウローラ ソイルクレルヴォ アウルサーレイ。

    méir-aandaulóurasoilkrélvoaursár-ei.
    与える-<(軽いものが)>祖母<主格>髪留め<対格>祖先-<与格>

    「祖母が祖先に髪留めを渡す。」

    祀りの場面。主語のandaulóuraは人なので軽性・3人称単数-a。受け手は与格aursárei。soilkrélvoは対格だが重性のため無標識。

    ésa sé freunþál te kúnda andaulóura.

    読み:エーサ セー フレウンサール テ クンダ アンダウローラ。

    és-aséfreunþáltekúnd-aandaulóura
    いる-<(軽いものが)>この<軽性>額寄せ<主格><関係節>する-<(軽いものが)>祖母<主格>

    「これは、祖母がする額寄せです。」

    日常の家庭文脈で、どのような所作かを説明する文。freunþál は述語名詞だが、関係節 te kúnda andaulóura の中で目的語として受け取られている。関係節は名詞句の終わりに置かれ、関係節内部は VSO 語順になる。freunþál 自体には格標識がつかない。

    klámba andaulóura kréin dáu mároun.

    読み:クランバ アンダウローラ クレーン ダウ マーロウン。

    klámb-aandaulóurakréindáumár-oun
    挟む-<(軽いものが)>祖母<主格>骨<対格>二手-<双数・与格>

    「祖母は両手で骨を挟んで押さえている。」

    世話的な用い方。基本語順はVSOで、主語は動詞の直後に置く。人の主語なので動詞は軽性の語尾 -a。kréin「骨」は重性だが、重性名詞は対格が無標。押さえる側の「両手」は与格双数 dáu mároun。

    sléla andaulóura snélan

    読み:スレーラ アンダウローラ スネーラン

    slél-aandaulóurasnél-an
    広げる-<(軽いものが)>祖母<主格>布-<対格>

    「祖母が布を広げている。」

    家の中で年長者が布を扱う場面。主語は人なので、動詞は軽性の三人称単数語尾 -a をとる。

    houmnílau andaulóura si brél elþán.

    読み:ホウンニーラウ アンダウローラ シ ブレール エルサーン。

    houmníl-auandaulóurasibrélelþ-án.
    炉を(火を)続ける-<双数>祖母<主格>と兄弟<主格>火-<対格>

    「祖母と兄弟は炉を続ける。」

    二つの単数名詞を si で並べると、動詞は双数になる。brél はきょうだいの総称。家庭の炉維持の日常語で、改まった場では使わない。

  2. 家の老女・系譜読みのお婆

    転じて、一つの炉(世帯)で系譜を預かる最年長の女性を、敬意と親しみをこめて呼ぶ言い方。村や縁ではとくによく使う。

    ésa andaulóura sé lourvirár.

    読み:エーサ アンダウローラ セー ロウルヴィラール。

    és-aandaulóurasélourvirár.
    いる-<(軽いものが)>祖母<主格>この<軽性>系譜読み<主格>

    「祖母(家のおばあ)は、系譜読みだ。」

    この用例では「祖母」が、家系図を読み預かる家屋の老女を指す呼称として使われている。主語 andaulóura sé は軽性a語幹の名詞句で、指示詞 sé を名詞の後ろに置く。繋辞 és- は軽性単数の主語に合わせて 3SG.LT の -a をとる。述語 lourvirár は名詞のまま、主格の裸形を置く。家では個人名で呼ばず、この呼称そのものが呼び名になる。

    loiménde andaulóura sé lourlisán.

    読み:ロイメンデ アンダウローラ セー ロウルリサーン。

    loim-énd-eandaulóurasélourlis-án.
    唱える-<〜しますように>-<(軽いものが)>祖母<主格>この<軽性>系譜の巻-<対格>

    「この祖母(家のおばあ)に、系譜の巻を唱えていただきたい。」

    年長者に直接命令せず、願望法・3人称単数・軽形の loiménde で上向きの依頼を表す。主語 andaulóura sé は軽性a語幹で、指示詞 sé を伴う。対象 lourlisá も軽性a語幹で、対格は lourlisán になる。家系の老女として系譜を預かる年長の女性を、敬意と親しみをこめてこの語で呼ぶ。

解説

自分から二瀬上にあたる女性の血族。つまり父母の母を指す。高原語の親族名称は「何瀬上か・何瀬下か」「年の上か下か」「同じ流れ(家系)か別の流れか」を組み合わせて作る。この語はそのうち「二瀬上」と「女性」を表し、何もつけなければ自分と同じ流れに属する祖母を指す。子は両親のうち段の高いほうの流れに入るので、もう一方の祖母は別の流れの人になることが多い。その祖母は後ろに éul「別の流れの」を添えて andaulóura éul と言う。父方か母方かは区別しない。家族の中では「段」を口にしないのと同じく、祖母を名前で呼ぶこともない。目下の者が年長者の個人名を口にするのは無礼なので、この語がそのまま呼び名になる。家の年長の女性は系譜読み(lourvirár)として源からの流れを唱え、婚姻や相続にも強い発言力をもつ。そのためこの語には、家の記憶と系譜を預かる人という重い敬意がこもる。外の人に対して改まって言うときは、尊敬の接頭辞をつけて aurandaulóura「お祖母様」と言う。高め名詞なので数詞はつけない。

文法

軽性・a語幹(人なので軽性)。強勢は語根の lóu にあり、曲用は andaulóura/-an(対)/-es(属)/-ei(与)、双数 -au、複数 -ai(主)/-ais(対)。尊敬形は au- が母音の前で aur- になり aurandaulóura となる。古い詩や系譜の唱えでは呼格 andaulóure が残る。くだけた話し方では、語末の母音が落ちて andaulóur となり、男女を問わない「祖父母」の語と同じ音になる。

語源

an「上手」+dáu「二」+lóur「瀬」に、女性を表す -a がついた複合語。字義は「二瀬上手の女」。anlóur「瀬上(親)」と同じ組み立てで、間に数詞を挟んで世代を数える。dáu は複合語の中で強勢を失う。語末の -a は、女子の名が軽性a語幹をとる習わし(viréla, silára)と同じもので、男女を問わない andaulóur「祖父母」に対する女性形として働く。

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